【長編・完結】300歳エルフは、まだ森には帰りませんよ。 〜目まぐるしく過ぎた日々と、お茶を飲むひと時を。〜

BBやっこ

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文書保管の方法

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文書を捲り読む
彼は自身の書いたものを重要視していなかった部分がある。

内容の流出を防ぐために、最近”魔法による鍵“をかけたらしい。それもまた、“道徳的な質問に答えて読め”という簡易なもの。

「こんなの、エルフの子供でも読める。」

このアクレイオスと言うエルフ、彼の冒険者としての記録は少ない。
“選択”についても触れる、エルフらしい一面を見せていた。

彼の、弟と呼ぶ人物の手記は別で保管されている。旅行記のようで、姉は好きらしい。

「いつか、こんな森を旅してみたいわ」
「森の獣を狩り尽くしたいの、間違いじゃないの?」

そんな魔法の出力が強い姉を揶揄って、文書に意識を戻す。
僕の方の興味は兄の方で、『3つの属性を持つ精霊』の記録をした人という印象だ。

『トリプル属性』の説の前、対象の精霊と出会う前は『精霊の持つのは2属性』が主流で、3属性に反論する内容が明記されていた頃だ。

この最後のメモ書きのような部分、“研究に陽射しが必要”なのは、心に留めておこうと思う。
「僕は、ここの本を読み尽くしてから森を出てみたいな。」

後、50年はかかりそうだ。
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