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報告書
20-③
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「こんな機会一生であるか?」
「今だな」
精霊が集まってのお茶会という稀な催事。
「この歳になって未経験の事まだまだあるのだな。」
「翁、老けたか?」
私は喜びを抑えきれない。その様子に、旧知の友は呆れているがやめられない。
「エルフほどでは無い」
(私は若返ったと言われるほど、積極的に動いているがな?)
この反応は、誘った甲斐がある。巻き込んだとも言えるこの場に、しっかりこの男は準備して来ていた。
「期待を外さないな?」
「当然だな。」
チラリと呼ばれている貴族とその関係者達を観る目。この屋敷に来た連中の思惑は後で、予想するとして。
庭の一角、すでに<緑と風の精霊様>が手を入れた空間でお茶会が始まっている。
「参加者も精霊、平たく言えばある子供が友人を誘ってお茶会を開いた。それに貴族達が騒いでいる」
「そんな単純な状況説明で、納得できると思うか?」
「だから、見に来たのだろうなあ」
精霊が集まれば危険、得られる恵みを配分すべき!何も王都の近くで集めなくても他のところでなど。
(細かいし、煩い。)
今回は<緑と風の精霊様>が場の提供をする、と問答無用で通した。次は、前回は何もなかっただろう?で通す予定だ。
王は承認してくれるが、他の貴族が煩い。それに、精霊様が動くと王位と関係すると勘違いしている輩が妙な動きをとる。
「妙な輩の牽制に、ワシを使う気か?」
「ああ。情報の方も知りたい」
存分に使うつもりで、その分の利益も目の前に見せつける。
まずは、衝撃。その次は値もつけられない事象や物を商品として出せる販路を使える事。
「商人としては腕が疼くだろう?」
「ワシはそこまで若くない」
「老け込んでもいないだろう」
新しい物を見るのと、若者の成長は幾つになっても応援したくなる。この男なら、焚き付けられてくれるだろう。それに、あの子供にも良いように動いてくれる。
精霊との交流、精霊と共に成長する姿を近くで見守る。
そんな楽しさを逃す手はない。
「老い先短い者を使おうとしおって」
「若いだけでは、こんな衝撃的ば事象を前に動けないさ!」
精霊を敬いながら、世間とも折り合える。その加減は、謙ってば良い訳じゃない。ある意味過不足なく、恐れずに関わり合う必要がある。
「それに、子供の成長を見守れるのがジジイの特権だろう?」
「とんだ、見た目が若いジジいだな」
嫌味のひとつも、するりと抜ける。この様子は私のが分のある提案だ。
あそこで行われるお茶会は始まりに過ぎない。
「これからもっと楽しみだ。帰郷も予定に入った。」
「ほう、土産を期待しよう?」
「ああ、手土産は商会で買った。」
この長い付き合いに新たな風が吹き、幼子が育つ少しの後押しになれるように。
「未来に、乾杯。」
「今だな」
精霊が集まってのお茶会という稀な催事。
「この歳になって未経験の事まだまだあるのだな。」
「翁、老けたか?」
私は喜びを抑えきれない。その様子に、旧知の友は呆れているがやめられない。
「エルフほどでは無い」
(私は若返ったと言われるほど、積極的に動いているがな?)
この反応は、誘った甲斐がある。巻き込んだとも言えるこの場に、しっかりこの男は準備して来ていた。
「期待を外さないな?」
「当然だな。」
チラリと呼ばれている貴族とその関係者達を観る目。この屋敷に来た連中の思惑は後で、予想するとして。
庭の一角、すでに<緑と風の精霊様>が手を入れた空間でお茶会が始まっている。
「参加者も精霊、平たく言えばある子供が友人を誘ってお茶会を開いた。それに貴族達が騒いでいる」
「そんな単純な状況説明で、納得できると思うか?」
「だから、見に来たのだろうなあ」
精霊が集まれば危険、得られる恵みを配分すべき!何も王都の近くで集めなくても他のところでなど。
(細かいし、煩い。)
今回は<緑と風の精霊様>が場の提供をする、と問答無用で通した。次は、前回は何もなかっただろう?で通す予定だ。
王は承認してくれるが、他の貴族が煩い。それに、精霊様が動くと王位と関係すると勘違いしている輩が妙な動きをとる。
「妙な輩の牽制に、ワシを使う気か?」
「ああ。情報の方も知りたい」
存分に使うつもりで、その分の利益も目の前に見せつける。
まずは、衝撃。その次は値もつけられない事象や物を商品として出せる販路を使える事。
「商人としては腕が疼くだろう?」
「ワシはそこまで若くない」
「老け込んでもいないだろう」
新しい物を見るのと、若者の成長は幾つになっても応援したくなる。この男なら、焚き付けられてくれるだろう。それに、あの子供にも良いように動いてくれる。
精霊との交流、精霊と共に成長する姿を近くで見守る。
そんな楽しさを逃す手はない。
「老い先短い者を使おうとしおって」
「若いだけでは、こんな衝撃的ば事象を前に動けないさ!」
精霊を敬いながら、世間とも折り合える。その加減は、謙ってば良い訳じゃない。ある意味過不足なく、恐れずに関わり合う必要がある。
「それに、子供の成長を見守れるのがジジイの特権だろう?」
「とんだ、見た目が若いジジいだな」
嫌味のひとつも、するりと抜ける。この様子は私のが分のある提案だ。
あそこで行われるお茶会は始まりに過ぎない。
「これからもっと楽しみだ。帰郷も予定に入った。」
「ほう、土産を期待しよう?」
「ああ、手土産は商会で買った。」
この長い付き合いに新たな風が吹き、幼子が育つ少しの後押しになれるように。
「未来に、乾杯。」
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