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報告書

16-②

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「そうか?買い物は大変だな。」

私は魔法鞄に酒や暇つぶしは入っている。書類仕事もある。
体が鈍らないかが心配なくらいだ。

太り難い、筋肉がつきづらいのがエルフだ。よく食べると驚かれることも多い。

竜人のツガイの子は、まだ食事量が少ない気がする。

「人族はどうなのだろう?平均的と言われるが、食べる量は、簡単に増やせないのか?」

「弱っていた状態から、すぐには無理ヨ」

同じ食事をしていたメンバーが意見を出した。

「獣人は食って治す」
「食って寝る」

「丈夫な男どもならそうするケド?あの子には段階を踏んで!お腹を壊しちゃうワ」

幼い弟妹を迎えて商人として、旅から旅に出ていた経験が生きている。信用はしているが、疑問は聴いてみる事にする。

「人族の子供は弱いとは本当だったな」
「鍛える前に、弱っているんダカラ、まずは回復!」

寝れば治ると良く言われていたが、健康で体力がある場合だからか。そんな前提も分からないな。

「食糧事情があまり良くなかったのもあるでしょうネ。疲れも出たみたいだし」

「知らない事が多いな。」
「特に子供の体調はネ」

全員、子育て経験は無い。商人の経験は、弟妹の世話だ。

訂正を入れるため、竜人が咆える。

「俺のツガイだ!」
「ハイハイ、人族にはわからないのヨ~」

そのやり取りは、竜人を躾けているようだった。

援助を申し出てよかったと思う。

立場は商人、人族であるためツガイの子を優先してくれる。主張の強い竜人に屈しないサポートができていた。

「想像以上に、繊細だ。」

「子供の頃を思い返しても…遠過ぎて思い出せん」

「母親に聞くとかすれば?ご存命ナノ?
「元気だ。多分。」

交流が無いが。基本そうだろう?

手紙でも書こうか?いつ送っても良いような文章で。

酔った勢いでは送らない
忘れそうな約束は書かない

それらを守って、何か添えてみるか。

花、はここには咲かないな。突然葉っぱを入れても意図が不明だろう。

意外と贈り物は悩むな。

「全部買えば良い」
「あの子には買い与えるのは、不向きヨ」

「なんでだ?」
「質素な生活で、物を持つのに慣れていないノヨ」

またしても、話し合いだ。

「あれが恐れている竜人だと信じられるか?」
「ムリだね?」

「そうでも無い。」

研究者としては、同意見ではないらしい。

「竜人が一番恐れているのは、ツガイに嫌われる事だ。」
「なるほど」

「まあ、納得?」

貴族的にも理解できるらしい。
ツガイのためになるなら、と助言は全て聞き入れてみて様子を探り探りに接しているのか。

そんな様子を酒のツマミに、見守る。

「あの子も酒が飲める年齢がすぐ来るのだろうか?」

それはまだ先で良いと思ってしまう。
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