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報告書

13-①

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次の催事の準備で、書類が山積みになっていた。

騎士と兵士の鍛錬の結果を見せるトーナメントだ。毎回やっていて名物であり、
住民は、魔導具で観覧できる。

「団体演義、個人のトーナメントは例年通り。魔物素材の展示許可?」

私は特別席で勝敗を見守る。

ドワーフ達は、魔導具の整備に余念が無いが。手に入れた魔物素材もいじり回そて楽しそうだ。

「良いな、私も読書の時間が欲しい。ほら、了承した。」

そんな普段の日常を過ごしていた。その夜。爆音が、部屋まで響く。

「被害は?!」

城内で起こった爆発音?建物から破壊された音。まだ起きていた私は、城の外ではなく内部で起こったと風の流れで分かった。

状況と被害の範囲、襲って来たのは魔物か?しばらく窓から注視していると伝令が部屋に入って報告する。

「はっ!“治療塔の一部が崩壊している”との事です!しかし侵入の警報は鳴らず、壁の損傷も報告されていません。」

外からであれば見張りの反応と警告音が鳴る。普段でも魔物が現れれば、知らせにより住民の避難が始まる。

(場所は治療塔、一部が崩壊した?狙いはなんだ。)

変わった事といえば…竜人のツガイがいる。

「兵士は警戒を続行、持ち場を離れた怪しい者は止め置いて事情を聴け!」

“内部の者が関わった筈だ”
外部の者が態々、一部だけを壊す理由がない。なら標的があり、害するのが目的!

兵士は治療塔を囲み、警戒を敷き始めている。先に医師に状況を聴き、子供達の避難を進める決まりだ。

兵士は、中にはまだ踏み込んでいないかもしれない。
だが、竜人は別だ。

(刺激しないでくれ!)

そう願いつつ、私は屋根の上を急いで走った夜。



「…ここ何年かないくらい。走ったな」

魔法で補助しながら1番崩壊が酷い部屋に、急行。結果、竜人と兵士達の衝突は無し。

「兵士の暴走と結論づけられ、唆した男も確保して尋問と監視中。」

「消されないだけマシだな。」
「救助に1人関わっている点で、体面も守られている訳だ。」

怒りの竜人?これくらいの被害なら御の字だ。襲われた子は、今は落ち着いていて軽傷だった。

「冗談抜きで、城が凍るかもだったなあ。」
「ああ。本当に今回はヒヤヒヤした。」

“竜人の玉”、大切な者へ怪我をさせた結果としては、奇跡的な程に被害が無い。それは、被害に遭った子が気丈だったから。

「前にも面会を邪魔するという妨害を受けていたが、その線とは違う者が暴走した。」

「壊れた部屋は、綺麗に直す!」
「住民の不便にならないよう頼む」

ドワーフの腕は確かで速い。つい愚痴も吐いてしまった。

「あの子の部屋も移動は目処がついたが、竜人を危険視する風潮がな。」
「ちょっかいをかけたのは兵士側だろ?」

「その事実より、恐れが広まりそうだ。今度のイベントで協力を依頼しようと思う」


もう狙わせない。そのために、私は動き出す事にした。
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