【長編・完結】300歳エルフは、まだ森には帰りませんよ。 〜目まぐるしく過ぎた日々と、お茶を飲むひと時を。〜

BBやっこ

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7-①

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城に勤めの経験は、今の立場と繋がっている。元々研究者だった私を擁立したの今代の王だ。

「巻き込まれろ」と言うことだった。

まあいっか。研究も勧められるようにしてもらった上に、結構な配慮もしてもらった。研究に理解がある彼が王位に居て助かっている部分は多い。

癒着だ贔屓だと言うが、危険の察知は獣人国の課題だろう?
魔の森の氾濫、その予兆があれば備もできる。

  
「閑職でももらってのんびりしたいな」
(風当たりが強いのも、慣れればな。)思いと一緒に、ワインで飲み込んだ。

(派閥争いか。エルフの郷ではなんとなく決まるな?ドワーフは腕次第。力は一見、単純なようだがその物差しはあやふやか。)

<獣人の国>そう呼ばれている、今の王は妖精族だ。

『ある存在に、周囲に認められる事。』が条件らしい。

その条件なら、殺伐とした事にはならない筈だが。相互に牽制して非道な事をする者が王位に就けないだろう。

しかしまだ、次代の王が決まっていない。

王位を譲るのはスムーズに行く。「次代が決まれば年齢を考慮して退位する」と宣言しているからだ。妖精族だ、高齢でも若々しいが飽きる。

「さっさと代わってくれ」とまで言う王を宥める日々なのだそうだ。

王位継承問題。次は、獣人を!と言う声が大きい。
貴族、歴代の王を選出された家。候補と目される者が立候補しても、認められなければ候補でしかない。

今は候補者の子供達が争いの筆頭に出されているんだとか。

貴族社会は面倒だな。それに子供達が巻き込まれているのもまた不憫だ。

その承認を受けるのはどうすれば良いのか?
『王位を継ぐ者に、道が開かれる』らしい。

私がそれに至る事はないが、何か建国からの決まり事でもあるのだろう。
精霊関係が怪しいが、その謎解きを進める気はない。

偶々知ったのならそれでという程度だ。次の王位の時にどうなのかがその機会だろう。まあ秘密のままでも問題ない。

王の返還期の時期にきているなという感心だけで、どこどこの貴族につけ!とか言われるのは面倒でしかないな。

そんな感想を持つ者が珍しいらしい?探せば居ると思うけどな。

「まあそんな状況だから、城に居たくないんだ。」

そうかなら、ちょっとこの役を頼めないか?と渡されたのは、『極北の城』と呼ばれているところの着任だった。任期は冬の間。

「これはまた、寒そうなところだな。」

そこの城主役。書類の処理と騎士団の管理。それ以外は研究に打ち込める環境。この場所には、研究者も集まる。主に薬草だが、王城から離れるにはまたとない機会だった。

私はこの話を受けた。
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