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6-③

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「結局、冒険者の頃の話は、参考にできないか。」

私の時とは違っている事もあるだろう。

金払いはカードだったが、今は魔力の認証で可能だ。商人はまだカードが多いか。偽造や鑑定をすり抜ける方法も巧妙になるらしい。

根幹にある、世界樹の力を欺こうとする。

(たぬきごっこ?キツネ遊び、なんだったかな。)

小動物は、精霊獣が形を成すのに模倣しているので図鑑に載っている。

人のが複雑だからか、人型をとれる物は少ないらしい。
その辺は『外部と内部の魔力を反映させるのが難しいから』という結論に至っている。

2属性の安定した魔力でやっと、人の形を真似る。正確には創造神?

[世界]をお創りになった神の姿を真似たのが“人族”という神話がある。
“精霊”は神の力を真似、“獣人”は力を真似た。

妖精族は、精霊を系譜としていると伝わる。ナン百年前の話であるかも分からないが。

[塔]の知識が残されている場所、精霊の棲み家とはまた違った場所にあるのだろう。それを知っている者は少ない。私とて知っているのはひと欠片だ。


そうだ、魔導書を見に行くか?

収める場所を開けてから出ないとな。基礎の物や簡易な本を貸し出したいのだが。

(どれが良いだろう?)

学園向けではなく、あの子の興味を刺激したい。『魔術師の歴史』などどうだろう?魔法になる前の物語。

原初の頃、人々が地上で暮らし始めて“お祈り”や“お守り”はあったが言葉をつけることによって、威力や魔力量が等しくなった。

[塔]が崩れてから『言語は分かれてしまった』と言うお話だが。魔力を通じての意思疎通というのはある。言語にしなくても交流は可能なのだ。

戦いになる事もあるが、侵略は望まない。

これはこの国の気質、魔の森という氾濫を起こす場所であるための防衛を基点にしているからだ。

代々の王の座さえ、力を重要視する。

「今代は良いが、次代はどうなるのだろうなあ。」

妖精族の王、次は獣人ともくされて権力争いはある。
「左遷か。」

辞める事もできる。興味がなくなれば尚更だ。心残りは場所ではなく、あの子達の行く道か。

自身で切り拓ける。
その手伝いができれば、年をとった甲斐があるといものだろう?

研究のまとめ書きを見つけた。

風、魔木の共同の研究だ。
研究者のことを話しても専門過ぎるうえにこの年月分を伝えてもな。
私の研究対象である風。


ひとつ言える事があった。
「運動と日光は大事!」

研究ばかりで太陽光を浴びていなかった私の体調不良を叱られた思い出。
今はそんな事はないぞ?

篭るとしたらしっかり準備をするからな。魔法鞄に食糧と酒は入っている!

これが大丈夫と思われないと、後で言われることになるのだった。
そんなに不安かな?
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