【長編・完結】300歳エルフは、まだ森には帰りませんよ。 〜目まぐるしく過ぎた日々と、お茶を飲むひと時を。〜

BBやっこ

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4-③

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教会が担っている“教え”
教義は時に、欲と絡むが。

頂点の象徴は、天上人。会う事はできなくても存在する方々だ。
そのお蔭で教義が激しく歪む事は少ないが。

無いとは断言できない。教会の人々率いる力、数もあり無視できない。
そこに貴族も絡んでくるものの、教え導く存在を証明されている故だろう。

教えに沿う行動を美徳として人々は過ごしている。
その信仰と呼べるモノが、天上人ではなく抽象的な物であってもだ。

私はエルフなので森が信仰なのかと言われるが、精霊信仰だと言っておけば角が立たない。信教で問題になった事はないが、信仰対象が違うと根本の考え方も違いは出る。

太陽、月、星、力の崇拝。

地域性もあるが、精霊が全てに関わっているのは認められている。
それを使おうとすれば、拒否され反撃されることも加味するべきだ。

それが分からない愚か者が多い事だ。事件を起こされれば対応に動く者も必要だ。

知らないと言う事を知る愚者
冒険者とは自由であり、愚かを知る旅人。

ゼロ、始まり、進む者。

象徴でもあり、特定の有名な者を準える事が多い。英雄や王もこの候補だな。

他にも、[正義]を司る女神に問う裁判は有名な話である。[節制の女神]が与えたという天秤は有名だ。妖精族の代々が金を納め管理している。

金、換金の妖精と扱われるには、頑固な性格だよな。

冒険者の時に関わり合ったが、友好的な態度というものを知っているのか疑問に思うほどの相手だった。まあ、エルフは好まれないんだろう。

誰にでもああだと言うなら、それこそ平等の精神なのかもしれない。

(苛々したような文筆で、皮肉が書かれている)

「今ならほどほどに付き合えるんだが、若い頃との相性が悪いよな」

冒険者ギルドと商人ギルドとの結び付きのある。重なり合う世界においての、金庫番。その機構に興味はないが、不思議なものだなと思う。

私の興味は、駆け巡る風。森を空を、新しいモノを運んでくる。
それが、感じられなくなったら私の死を迎える時なのだろうな。そうとなったら、私も何処へ行くのかを選択する年齢だろう。

まだそのつもりはなかった。新しい子供を見守る役目を得たのだから。

「感傷的になってしまったな」

あの子が配合してくれたハーブティーを飲んで寝る事にした。考えるのは起きてからで良い。

これから起こる、稀な事件。不思議な出会い。それを取り持つ(本人はその意識は無い)今後の出来事を想像できる筈もなく。

私は生まれて何回目かの眠りにつき、目覚めるのだろう。

今宵の月は、綺麗だっただろうか?
いつもそうであっても、見上げる機会を忘れないようにしたいものだった。
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