【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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<辺境 編>

来た

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まだ日ものぼらない未明。

ふとセリが起きた。隣のロードは寝たままだ。朝は得意じゃないのは最近知った。
部屋へ入る風の動き、身軽な足音は人のものじゃない。

視線を向ければその先に。
「狼…?」

霧に水気を吸った毛皮とキリッとした瞳がセリを見た。狼の方が一歩引こうとする。
セリは、夢じゃない事を自覚しながらふわりと水魔法を使った。

「お水、飲む?」

これで敵意や馴れ合いを許してくれるか見れる。その子は鼻先に漂わせた水の玉を飲んでくれた。
ベッドから降りて近づき、そおっとゆ~くり毛皮を撫でる。

しっとり水に濡れているのものの柔らかい感触、狼の困っている雰囲気も感じとれた。
「どこの子かなあ。うちに居てくれる?」

冒険者と共にいた狼を見てから、狼と過ごすにはセリにとって憧れだった。
相棒にするには、甘いばかりではいられないが側にいて散歩に付き合ってくれれば嬉しい。

その散歩に魔物の出る森が入っているのは考えものだが。
「お散歩して、洗ってあげて一緒に寝てくれるかなー?」

子供らしく目が輝く。単純にセリ自身の憧れに向け遠慮なくなってくる。
両手でウリウリと挟んでも怒らないのだ。体躯と顔の印象より人当たりの良さを感じた。


そんな事をしていると、そのうちロードが起きる。機嫌が悪そうな顔も、ただ寝起きなだけと知っている。
「ね、この子飼えるかな?」

ぎゅと腕を回してもう散々に撫で回し狼を堪能した後。
声をかけられたロードは言い出しにくいような一瞬、詰まる。

セリにも分かってる、ただの狼でもないが森にいる魔物ではない。こんな大きな体躯の子はいない。
狼がアッと口を開ければ鋭い歯。
その割に腰が引けていて、嫌がって逃げないのをいいことにセリは遠慮なく撫で回した。

「それ、カナンだぞ」

「…撫で回しちゃった。」

ちゅっとキスさえしそうになる前に、止まった。
カナンがこうなる事は、『竜の翼』では知っていたことのようで。原因はわからないが朝食へ階下に降りていく。

「アラ?カナン、可愛くなっちゃって。」

尻尾を振ってセリの側についていく姿は、散歩に行きたがっている犬。

「ペット志望なの?」
「ウォン!」

キースへ抗議の声を上げた。意思疎通はできるらしい。


朝食後、庭で散歩させているとサディスが現れる

「怪我してる?」
「少し、手こずりましたがその狼は…」

「しばらくこのままらしいから、一緒にいる」

すごく微妙な顔をした。過去最高に動いた表情。
あれ、あの最後の時と?喉に苦いものが流れる記憶に重なった気がして声を出そうとするも。


「大変だ!」

緊急事態。

「飛竜が来た?!」

馬が怖がる声、この辺に生息することは無いが凶暴で強く飛ぶ魔物は厄介だ。
「荷物が来たのカシラ。」

シュルトに心当たりがあるらしい
平原に移動してもらえた。


何を運んで来たのだろうか。


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