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<王都拠点 編>

変装

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お店が素敵と見惚れてばかりもいられない。装飾品から目を離し服を見る。

貴族の子息っぽくない格好を見る。ジャケットはなし、煌びやかなのも避けたいところ。
「全部素敵だけど、目立つ?」

「ドレスは 乗り気じゃなさそうネ?」
「動けるのが良い。」

襲撃もあるかもしれない時に、足手まといにはなりたくない。

(狙ってくださいって時には別だけど)
今回はロード達と居て馴染む格好。

私が貴族っぽくないように見えるには、冒険者の恰好が良さそう。
でも同じチームとは思われないだろうから、容姿を隠せるフードかな。

乳白色のコートを手に取る。さらりとした手触りの軽いもの。
蔦のような刺繍がステキ。袖と裾にアクセントのようになっている
「繊細」

「アラ、うちの職人が喜ぶわよ。今度紹介するワ」

気に入ったけど、とても汚したくないって綺麗さで逃げにくい。
動きやすい物を聞くと、『道着』というらしい拳法使いが修練する時の服を参考に作った服。

上下ゆったりで、体のラインを隠せる、女性が着るのは少ないらしい形のものを選んだ。
色も地味な感じの紫。

「王都の貴族は好まないけど、騎士を目指す子達が着ているのをオシャレにしたものヨ」

珍しいなら、どこかから依頼で預けられた子供に見えるという理由で決めた。
コートもお買い上げ。

「値段が心配になるけど依頼料に入れるワ」

あのハンカチの代金より高価な服。ここは固辞せず買ってもらった。

堂々と着替えた格好で表から出る。
少し買い物をして、馬車を拾って拠点に帰るとのこと。

2人分追加と、欲しいものがあればと店をのぞく。

(なんだろうあれ。)

色の凄いものや、見たことのない形の野菜に目がいく。
ロードとは手を繋いで歩いている。

抱っこは拒否しました。
汚さないか心配していたら

「魔術がかかっているから大丈夫」
どうかかっているのかとても気になる。材質かな?

(後で聞いてみよう)

グラウル付きだと目立たないか聞くと、執事がいるのは大丈夫らしい。

たまに執事がいるってどういう状況だろう?

王都の事情がわからないけど、私が好みそうな物を買っていく。
「果物美味しそう」

そのひと言で、果物が増えた。

ロードが買い占めそうなのをシュルトとカナンで止めるという一幕があった。
高いだろう紅茶の店に緊張しながら入る。

甘い香りに惹きつけられると、3種類ご購入。

馬車を呼んでいたようで、皆で乗り込んだ。


「お茶、好きなの?」
「紅茶はあまり飲む機会がなかったけど、ハーブティはよく飲む。」

好きだけど、お高いので。花の蜜を入れるのも好きと馬車内は平穏な雰囲気だった。
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