【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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9歳

王都ギルド

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『冒険者で成り上がる!貴族家の末っ子がダンジョンで宝を見つけ出し、幼馴染と結婚する』

「子供用か?」
「恋愛もの。」

確かにステラに頼んだ、貴族の家を出ている話だ。まさかあるとは。買うか悩んで辞めた。
グラウルに本の標題を見られたら、あからさますぎる。過労状態な彼に酷い仕打ちだ。

“後継が決まるまでいて欲しい。”“当主が見つかるまで”と伸ばされるのが目にみえている。
それが嫌なら、消えるしかない。

“死んだ事に”
そんな状態なら、親族に追いかけられる。消されていそうだな。

12歳に?
(不確かなことを考えるのはやめよう。)

今からだって、毒を盛られる可能性がゼロではない。今回スッパリ使用人を切ったのも、相手方は脅威と取るか。
ガイサスに守られて、辺境に居れば可能性は少ないけど。社交を始めなきゃいけないし。

支払いを終え、書店を出て馬車を呼んだ。

「よっとこれからどうする、古本屋に行くか?」
「んー今度で。いっぱい買ったし。落ち着かない屋敷より、冒険者ギルドに行ってみたい」

「明日にしたら?ガイサス様も用事があると言っていたわ。」

「それなら、一緒のが良いか。」
多分、ステラが行きたくないのもあると思うけど。結局、屋敷に帰って本を読む事にした。

「そうか、おーい!」

御者に頼めば、馬車が進む。
人が多くて少し疲れた。

冒険者を見かけ、パーティメンバーで連れ立っている様子を見かける。華やかなドレス、働いている制服の人が走り去る。誰もが望みを叶えているとは思わないけど。

せめて、願いを叶えられる状態になりたいものだ。
貴族の子息では、どこに行くのも不自由だ。

いやその前に、ドレスを着てお茶会への出席をしてパーティでお相手を探す。
以前はそうした。本格的に相手を探す前に死んだけど。

恋愛したいとは思わない。ただ独りだと思う気持ちを少し、緩和されたら良いのにと思う。

どうすれば、気持ちが拭えるかは方法がわからない。その思考は、食器のガシャンとする音で現実に戻された。

新しい使用人達が辿々しいのもしょうがない。先輩達を一掃してしまった後継者に恐れを抱いても仕方がない。
形式的にいたとしても、我が儘にうつったかな?

中心人物がいなくなってすぐだし。
ゆっくり教育してねとグラウルの胃の痛さを緩和できると良いけど。その夜は、屋敷にある本を遅くまで読んでいた。

翌日の昼ごろに我が儘を言い連れてきてもらった。馬車で入っても、依頼人かくらいの反応。
種族もさまざまで、広さも段違い。


この時運命を変える事が起こるとは、セリにもわからなかった。
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