【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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9歳

ため息

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小ぶりな王都の屋敷は、中央から外れ城を遠目に見える位置だ。辺境の貴族が王都に屋敷を持っているだけで、凄いと思う。

(その家を守る筈の使用人が、後継者予定に喧嘩を売ってもだろうか?)

メイドの初対面のご挨拶から、執務室に移動した。
家を構えるのに王城からの許可が必要で、褒賞だったり役割を負っている。

うちは“辺境を守っている”という一点。魔導具の店と研究施設が近い場所で当主がここから通っていた時期もある。当主の兄達も騎士としてここから学園に通ったのだろうか?

年齢上めのメイドが多い理由が、当主のお手つき狙いとか考える私が悪いのか?

罪状と解雇通告がされている。


紅茶を自身で淹れなおし、ひと息ついた。
まあ、酷いね。他家と繋がっていたり、金銭でヴェーネン家の情報を抜き取ろうとしていた。

しっかり証拠を揃えてくれているグラウルが、今日の献立はと言いそうな紹介をしていた。


「こちらは、酒場で言い寄られた方に情報を流したようですね?一夜を共にされたのも確認済みです。」

お金か、大人の事情、元々の他家から紹介されてと見事に食べ尽くしに乗り込んでいた様子。
メイド、コックと続いて、下働きの新しい人達以外は全滅かな。

「これが代々仕えてきた者への仕打ちですか!」
「長く勤めてお疲れ様。家の情報を流す使用人なんて誰が雇いたいの?次は別の職を探したら良いよ。」

私が飾りだと思って勢いでどうにかなると思った?ガイサスにグラウルが居て座ってるとそう思うのかな。
イライラしているので皮肉も付けよう。

「紹介状は必要?『この人、家の情報を売った人です。良ければ雇ってください』って。」

なんで驚いてるんだろう。そう書くしかないのに。私が脅せないとわかって態度を変える様子。
「こちらの家の評判がっ」

「今更?当主が居ない家に、どんな評判があるんだろう。知ってる?後継者もいないそうだし。」

ガイサスが連れてきた子が、見習いにでも見えたの?ちゃんと貴族のヒラッとした男装の服に着替えたのに。
執事の職務内でクビにできる範囲より多いと、妙な噂になる。どうせなるなら一斉に当主権限で。退職金もつければ、金策だとも思われない。

(実際、情報を売られているけど深い情報ではない。)

王都でしっかり調べてくれた様子。これで親族達からの干渉は弱めれたでしょう。
「屋敷の維持はできるの?」
「臨時雇いで回していきます。ありがとうでございました。」

「いいえ、私が権限持てていないのが発端ですから」

当主の腕が悪いから、使用人を制御できない。
『あの当主どこ行った?』と聞くべきだろうか。でも疲れたな


外はどっぷり陽が沈んでしまっている、ステラは使いに出しているから、バリスとキッチンかな?
せめて、美味しい夕食を期待した。
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