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上司の方ですか
しおりを挟む「・・上司に相談したい」と可愛らしい女性が言います。
牢屋の中で捕まっているはずが、
焦りも恐怖も感じている様子もなくそこに居られます。
先程、兵たちを格が違うと態度で黙らせました。
あいつらこの方を男だと思っていると?
どう見ても女性でしょう。
小柄でつり目がちな瞳。幼い印象を受けるものの少年に、これほどの魔力はないでしょう。
少し違和感を感じる髪色は変装のために変えているようです。
この落ち着きは、只人ではない。
どこかの国のスパイ(諜報員)と見ます。
魔力の扱い方
身体の動かし方と体格
気品あるお姿は、膝を折ってお迎えしたい御方だ。
私の物言いに戸惑いを持って逡巡した後、私を連れて行ってくださることに!
御主人様についていくには、捕虜扱いが妥当でしょう。
自身の戒めを既に解き、牢屋を出ようとしていた御方に
自ら牢屋の鍵を使って解錠しました。
「…ありがとう」と私におっしゃる気高さ!
ーあああ、光栄です!と心でお応えし、一礼した後
感動しつつも出口までご案内します。
兵士がちらほらいましたが、
誰も私たちに気を止めません。
知っていましたが、穴あき警備ですね。
雑で穴だらけ。力で全部解決できるなんて世の中通るわけないんですよ。
この小さな集落では別ですか?いいえ今だけのことでしょう。
変わるのは一瞬。瞬く間に風が吹いてくように。
私も変わらなければいけないでしょう。
そんな物思いに深けつつ歩く余裕があります。
そして、何も問題なく施設を出る事ができました。
人がまばらになってきた所で、私の両手が縛られます。捕虜ですから。…今は。
キュっと手首で拘束され、魔力がピリリっと流れるとご説明を受けます。
微弱ながら起動するか確認されたところ、静電気程度の強さで。
違反すれば痺れる程度の痛さだそうです。
逃げないこと、害をなす行為をしないこと。そうであれば捕虜として扱うとのこと。
想定内のことです。しかし、違うドキドキが手首の縛りから感じます!
…場違いな感情でしょう。顔に出さないよう気をつけます。
森の中につけば、人の気配。トトッと上にあがる様は
身軽でございますね!猫獣人にも負けず劣らず。
合図を打ち上げたようです。
「ちょっと待ってて」とこちらを気遣う様子は愛嬌のある
甘さと苛烈さに、自分の情熱を伝えたくなったところ。
突然私の方に突風が来ました。
強風に吹かれたかのような、圧に見舞われ
毛が逆立ってしまいました。凄い威圧感です。
そちらを向けば、狼の登場でした。
・・上司の方ですか?
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