上 下
1 / 2

風習で奉公

しおりを挟む
この辺の風習で、男爵家の息子と年齢の合う女が奉公に上がる。

力づくでとはならないためとはいえ
気持ちの良いじゃなかった。

それも終わり

そう準備して家に帰るところで、坊ちゃん貴族がなんか叫んだ。

「僕が君を救ってやろうっ!そしてハッピーうれエディングだっ。」


なにがどうなって、そうなったのか。
何故か、疑いのない様子につい言葉が溢れる。


「頭がハッピーなんですね。わかります。」


貴族様への対応では、否定せず理解を示した風で答える。
反感を買わず、かわせる方法だとメイド長に教わった。

それ以外のメイドとの相性は悪く、

「アンタみたいなのがここの女主人?
ありえないわ」とわかるように言ってくれた。

確かに、私にその意思はない。家で帰りを待ってくれている人もいるし。


「メイドにいじめられ泣いていたそうだな?私と結ばれれば
そんな事もないぞ!」

さっさと助けろや。

と口に出しそうになって、真一文字に結んだ。
思ったことを伝えるのが最上の答えではないと習ったことを活かせた瞬間だ。
メイド長ありがとう。

って、気づいてたのね。そん時止めろよ。使用人の暴走を止めるのは主人の裁量だろ?


この人、私が出て行くフリをしていると思っているらしい。

いや、帰るから。給料分ももらってさ。

「じゃ、さよなら。」私は簡単に挨拶して立ち去った。寒いし。

それを唖然として見送っていたが
ちゃんと契約書に盛り込んでおいてよかった。あっちは貴族。


「さっさと結婚したほうが良いかなあ。」

おおいつかれないうちに、家路を急いだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

シンデレラになりたくて

家紋武範
恋愛
私、詩織には12年付き合った幼なじみの恋人がいる。しかし長過ぎる春。なかなかプロポーズしない彼にうんざりしていた。 そんな中、彼と一緒に出席した友人の結婚式で社長で年収100億の鳥飼さんと出会った。 こりゃうだつの上がらない年収400万の彼と付き合ってる場合じゃない! 四月からは鳥飼さんにくっついてサンフランシスコにいくぞー! これぞ玉の輿のシンデレラストーリー!

頑張らない政略結婚

ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」 結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。 好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。 ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ! 五話完結、毎日更新

殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。 真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。 そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが… 7万文字くらいのお話です。 よろしくお願いいたしますm(__)m

勘違い令嬢の心の声

にのまえ
恋愛
僕の婚約者 シンシアの心の声が聞こえた。 シア、それは君の勘違いだ。

【完結】王太子妃の初恋

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。 王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。 しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。 そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。 ★ざまぁはありません。 全話予約投稿済。 携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。 報告ありがとうございます。

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

届かない手紙

白藤結
恋愛
子爵令嬢のレイチェルはある日、ユリウスという少年と出会う。彼は伯爵令息で、その後二人は婚約をして親しくなるものの――。 ※小説家になろう、カクヨムでも公開中。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

処理中です...