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最終話

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「2年後かな」

私は、公爵家の談話室でローランド様とお茶をご一緒している。
ぽそりと漏らされた言葉に、顔を上げます。

2人の時間が過ごせるのは、実家に帰ったあの時から本当に久しぶり。
お互い忙しくしていたものですから。


建国祭が終わってすぐ、お茶会の準備。
その後はお義母様とお茶会を巡って、ローランド様とはすれ違う生活でした。


3人の御令嬢方のその後はというと。

イザベラ様は、王妃として国を見ることが必要とお考えを述べた。
王妃教育と言っても確認ですみそうと聞く。(お義母様情報)

婚礼の準備に一年かかりますが、その前に海と森の両方を巡る予定だとか。


アイナ様はミカエラ様と友好関係を築いたそうで、
帝国で商売の勉強に身を入れている。

彼女は、帝国に行って女性の強さを肌で感じたそうです。

“買うのは男性かもしれないけど、使うのは女性。
使う目線から

作る人を探し出す”という道を定められたとか。


ミカエラ様からの手紙にそう記してありました。
今後の活躍が楽しみです。


ナナミ様は海に戻られる。

訪れた際は、イザベラ様を歓迎すると言葉を交わし帰られました。
宝石加工に関する法案への訴えの提出、王太子様との意見交換を終え

海の民へ良い報告ができるとおっしゃっていました。

今後の発展まで見据えていらっしゃる。

“親交と知見を深めたいので、私もイザベラ様に付いて行きたい。”

そう伝えたローランド様は
「その時は、私も行く」と答えられました。

「忙しいのでは?」

ここのところの忙しさは、宝石の加工に関する法律を強化補強するために働いてらした。
宝石を買うのは貴族達だ。

邪険にすれば文句が出るだけではない。
身を持ちくじずされれば、困るのは民だ。そして

国が傾く。
“それが防げたのは功績だ”と王様からのお褒めの言葉をいただきました。

「宰相の代理としてなら可能です。父に頑張ってもらいましょう?」

「宰相様もお忙しく働かれているでしょう?今後ゆっくりお話できるようになればと思うのですが。」

ローランド様の御父上は、現役の宰相様です。未だゆっくり話す時間は過ごせていませんが
仕事でお会いする時の厳格さが思い出されます。

「いずれ父のように宰相の仕事を継ぐ。父にすぐ追いつけるなんて思っていないさ。
じっくり、確実に進んでいこう。」

そう、すぐには実のならない事ばかりですものね。
(焦っていたのかしら?)
護衛や訪問の手配に視察と、長期の旅になる。先は長い。

「その日程と合わせて、二年。」
何の時期かわかる。

「「私達の結婚式。」」


近い予定では、帝国へ赴きミカエラ様の婚礼式への出席が予定されている。
そして社交の時期に入ります。

「公爵家の領地に行くのは、社交が終わって寒くなった頃で。」

「来年には、兄とお義姉様の子が産まれるのね。」
予定が目白押しです。

「私達の子どもも、お預けか。」

ちょっと旦那様?子を授かるには、行為も必要なんですよ。
(晩酌のお酒で酔っていらっしゃるのかしら。)

お茶を含んで、照れ臭さを飲み込みます。

「マライヤはやりたい事は?」

「花嫁修行がひと段落した頃に、帝国の事を学んでみたいです。」

帝国の文化もっと知りたい
「帝国の海はどこへでもいけるそうですよ?」

「海か。」



「領地には泳ぐ場所はないが、海を見れるんだ。一緒に見たい。」

肌が触れ合う、隣り合わせ。


「幸せにする」

「私も」

「幸せになろう」


ローランド様が望んでくだされば、私も幸せを受け取ることができそうです。



終わり
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