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飛び立つ

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「気が済んだか?」

大魔法使いに相応しい、闇からの登場。

父上にはこんな牢獄も、散歩に通り過ぎることができる。



魔王なんて呼ばれているけど、母にも娘にも甘い。

そんな父上に王家は畏怖し、閉じ込めようとしている。

母が亡くなった事で、余計に王家から遠ざかる。
最期に立ち会えなかった、

母を奪った王家への復讐心。

父上は私をとめたけど。

やって良かったと思うくらいには、私達の力を畏怖して
蔑ろにはしないだろう。

衝突も望まないが、力がないと漬け込まれる。
その布石だった。


王子は知らないが、王は気づいただろう。
多分、彼女も。


「帰ろう我が娘。」

私は“不機嫌な顔”を作った。父はなぜ不機嫌になったかわかったらしい。


「帰ろう、オディール」


私は飛び立った。
もう白亜の城に興味などない。
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