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おまけ

精霊

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 精霊に“執着がある”と言葉にすると違和感を持たれるだろうが、よくよく精霊たちを見ていれば執着と呼べるものはある。

 精霊が見れる人間は少ないがし、精霊は巡るモノであるため会うことが少ない。私のように1箇所に留まる精霊も、人里の近くというのは稀なようだ。

 執着には、土地だったり感情だとかそういう人が感情と呼ぶものを上位の精霊は持つのだ。

精霊は自然界のモノ
めぐり巡る

その属性が違っても本質は変わらない。

 私が執着した泉という人間の領地に近い場所だった。
私の執着は土地だと思っていた。

 この土地を治める人間、一族の祝福を与えてたまに観察するのは中位精霊と呼ばれる、人型のなれる精霊はよくやることだ。気に入った相手、その血脈をみて巡る時間を感じる。

高位精霊と言われる私との違いは何か。単純に扱える力の違いではあるが、世界を震わす力を持つ存在。それに限りなく近かっただけで、私は土地への影響しかない精霊だった。


それが、実は違っていたらしい。それがわかったきっかけはあの時…



 私がそうなったのは、この地の領主が約束を破ったからだ。
祝福した2人。その子どもが3人になった。

人はすぐ成長して見分けるのは魔力くらいしかないが、祝福をした人間はわかりやすい。

女を連れてきた。領主は…

『幸せにする』と。言ったのに?!違う人間を連れてきた。彼女はどこ?

子供を3人連れてきた。最後の子供が連れてきた時はまだ「うにゅうにゅ」と言うだけで柔らかい。
誰とも違う。

  違う。人間だ、誰?

私は混乱した。そして、拒絶した。


 私は願望を持っていた。幸せという感情を持つ人が好きだった。それが私の執着だった。無くなってしまった。粉々でバラバラ。同じように暖かくならない。

 私は決めた。必要な人間を呼ぶこと。私の力を使えば、願いを叶えられる。対価や順序がいるけど引き付けられる地場があって、望んでいるを呼び出すことができれば

“界を渡ること”も可能だ。成功するかはわからないが。


やってみたい、来て欲しいと願った。


結果、彼女が姿を現した。

『アイ』

異世界からの来訪者は、願っていた。

 なくなってしまったあの頃の生活をしたいと。
それはこの土地でもできる願いだ。


彼女はこの世界に順応した。私の存在に気づき、名前を発した。

『アクアクォーツ』と。泉の精と言われる私と繋がった。




 3人を任せられる。女王を決めた。アイならこの土地で安寧に過ごすだろう。
まだ蕾の彼女が、花開く時を待つ。


 花瓶の水から分体出られるようになったのも私の存在の格が上がった証しだった。キラキラの格好で座っている3人とアイ。

私の執着はこの地の人、祝福をした3人と界を渡って来た願い人。彼女もまた、私のモノ。

「3人ともよろしくね?」
「いいえ、3人も夫は無理だと思うんですけど?!」アイは、まだ頷かない。


 3人を見ると、誰も嫌な顔をしていなかったから、問題ないだろう。
次の祝福をする時を楽しみにした。
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