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▼デートでイチャらぶ希望

取引き

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ある一室で、男たちの取引が行われていた。

「コレとこれとこれ。」
「そこは行く予定がない。」

「じゃあ、これ。」
「妥当だな。」

室内にいたのは、キースとロード。
書斎で話し合っている姿は、仕事の話と見紛う様子だが、

違う。

机の上に広げられているのはこの王都の一角が描かれた地図。
そこに書かれているのは店舗の名前。
細かくメモが書きこまれた、手の込んだもの。

全てスィーツの売られている店の情報だった。
コレは王都の一部で、まだ情報を持っているらしい。

この情報網は、目の前の男のために従者とメイドが集めた
最新情報が記載される。

主人の紅茶の趣味のためと始まったスィーツ探しは、
手当てが出て、報酬も得られるものになったらしい。

そしてこの男は、好みのスィーツを食べたい時に食べられる情報網と
流通網構築しつつあるわけだ。

贔屓にしている店では、配達もされる。
それでも、店に食べに行きたいと忍んだ姿で時間があれば通うのが趣味らしい。

仕える側は突然主人が居なくなるのは迷惑でしかないだろうな。
その時、探しにいくか
たまに護衛代わりに駆り出されるのが『竜の翼』の中にいる。

探しにいくのが、カナンとグスタフで、
連れ立って行くのがシュルトだったが、

最近は俺の彼女を誘う。
まあ、俺がついていくがな!

虫を排除しなければ。俺の彼女への視線も許さん。

「じゃ、お土産よろしく。」
とのキースの言葉に、話は終わった。
情報の代わりに、土産を要求されたが良心的な取引きだ。

この王都の最新スィーツから
彼女の好みそうな店を教えられ、その近くの寄れる店の情報までついた。

初回のデートは
『王都のスィーツ巡り』

俺の彼女は、甘いものが好きだ。
もっと服や装飾品など買い与えたいが。

実用の本がやっとだ。

ここは少しずつ渡すことにしよう。

ドレスや服は頼んである。もちろんオーダーでな!


今回のデートに思いを馳せた。

馬車での移動。

普段なら歩いてしまうが。

「可愛い格好させたのに歩かせるなんてあり得ない!!」
叫ぶシュルトがいた。

「なら、抱き上げていくか?」と返せば、

低い声で「デートに行ってもらえなくなるわよ?」
と脅され、馬車の選択肢を取った。


そのうち馬で遠乗りしたいな。
いや、もっと遠くまで出るのも良いかもしれない。

考えが広がる。

「貴方も服装に気を使いなさい!」とシュルトに作らされたが
少々窮屈さが気になる。


彼女に恥をかかすわけにはいかないからな。
大人しくコーディネートというもをされよう。


彼女の照れたような表情に胸が騒ぎ、
出かけ損ねそうなのを

シュルトに蹴り出されて出発したのだった。
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