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近づく男

甘やかす夜

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船でたっぷり寝ていたセリは、
宿に帰っても少しボーッとしている感じだった。

普通に振る舞っているつもりらしいが、
気を張った後だ。上手く力が抜けていないのか?

大人しく撫でられるセリを伺う。
身体的疲労より、精神面だろうか。

今回の魔物はセリには格上の相手だった。
しっかり対応できていたが。

怪我をしていないかは、すぐ船の風呂場で確かめた。
その後セリは、うとうとソファで寝てしまったが
隣に居て、少し魔力供給の接吻キスをした。

よく寝ていて身動ぎもしない。珍しい状態だった。

船から抱いて帰りたかったが、恥ずかしがってやらせてくれなかったな。
馬車では膝上に座らせたがな!

宿に帰っても
「休んだから大丈夫」と言ってるが、休む気ないな?
今夜はゆっくり甘やかすことにした。

まずは、風呂だな。

いつも通り、サッサと服を脱ぎ捨てる。
2人で入り、アザが出ていないか
確かめながら、優しく肌に泡を滑らす。

柔らかな肌、曲線を持つ身体に手で触れていく。

くたりと預けられた身体に、
優しく労るように撫でる。足が張ってるか?

出たらマッサージだな。と決め、泡を流した。
浴槽に浸かり、足をほぐす。
肩から腕もか?

頭を預けるセリのひたいに接吻して
俺も船のものより大きい円形の浴槽に足を伸ばす。

沈まないよう、セリを支えて上げてある髪、首に接吻すれば

シャキっと少し起きた。
カワイイ。

あまり長湯せず、湯からセリを出した。
ほかっとしたセリを乾かしにかかる。

優しくトントンと水滴をとり、
バスローブを着せ、ベッドに向かった。
もちろん抱えて。

寝かせつけようとすれば、
「眠くない」キッパリ宣言する。
まあ、しっかり寝てたからな。

いつも通りにしようと無理していないか、少し心配だった。
話をした方が良いか判断しかねていると

コテっとセリから、寄り掛かってくる。
背からギュッと抱きしめ接吻を降らす。

話すよりスキンシップくらいが良いらしい。
足にマッサージクリームをのばし、滑らせた。
残念ながら、これに媚薬成分はない。

鼻が良いやつでも平気な
ほんのり、スッキリした香りだ。

今日は肩と腕にも付ける。ふにゃりと気持ち良さげなセリ。
ムギュッと抱きしめたくなるが
それをすれば、止められる自信がないので頬擦りした。

こしょぐったいと身動ぐ
愛しい。

ひと通り終われば、指と指を絡ませ、手に接吻した。
擦りつくセリに、ポンポンと頭を撫でる。

触れ合うように、確かめるように。

欲はあるが
たっぷりセリを甘やかすと決めたので、無視する。

ああ。好きだなあ。

セリにも俺が必要と、
俺を求めて欲しいと願った。
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