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番外編1
7.断らなくてよかった~
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広い中庭を抜け、5階建の建物の前まで車を走らせ駐車スペースに止めると、中央の扉の前に数人のメイドの姿があった。
そのメイドに会釈をしてから扉に入り、エントランスから真っすぐ伸びた広い階段を昇ると左右に重厚な扉のある広い廊下に出た。
ここの行き止まりの扉は知ってる。あの応接室だ。
前を歩くハヤに付いて行くと、その応接室の手前右側の扉に入って行き、オレも後に続いた。
その部屋は高い天井煌びやかなシャンデリアが三つもぶら下がり、高窓が並ぶ広いスペースに、十何人も座れそうな長いテーブルが中央に置かれ、周りには高価な調度品が飾られていた。
1人のメイドがハヤに「こちらへどうぞ」と窓側の一番奥の席へと案内される。
オレはその席に座ったハヤの後ろ、窓の側に立った。
最奥の上座の席、窓側のハヤの席、そしてその向かいの席に食器がセッティングされていたが、ハヤの隣の席にも食器が用意されていて、合計4人の食事の段取りがされていた。
やはりハヤ以外にもお客が来るんだな。
自宅での夕食会に招待されるような大物を今のところオレは知らない。
これはもしや特別な会なのだろうか。
私的な感情(ハヤとセックスしたい)で断らなくてよかった~。
と心底思った。
「やぁ、久しぶり!本当に急に申し訳なかったね」
部屋に入ってくるなりフランクな感じで話してきた手島さんの声にオレもハヤも少し驚き、ハヤは立ち上がって「ご無沙汰しています」と改まった感じで会釈し、オレは「久しぶりです!全然、大丈夫っすよ」と友達の感覚に戻った口調であいさつをした。
そんな手島さんの姿は丸襟のシャツに緩いダークグレーのカーディガンオフホワイトのチノパンと普段着で、髪もセットせずにふんわり前髪も降ろして、仕事での角の尖ったメガネではない縁なしの楕円形の眼鏡でどう見てもオフモードだった。
あれ…?
あーでもそうか…ここって普通に手島さんの家だもんなぁ。
あのマンションに住んでいた頃の、休みの日何をしていいのか戸惑っていたオフの手島さんを思い出した。
考えてみたら手島さんってこの家に住んでいる期間のほうが遥かに長いんだっけ。
正直オレのここでの思い出は地下の監禁部屋が主だからそういう意識もなかった。
そんな手島さんの後ろから何とこれまたレアな普段着の谷垣さんが部屋に入ってきた。
淡い黄色のストライプのシャツにオリーブ色のニット地のジャケットカーキ色の緩めのスラックス、袖を少したくし上げたイケオジの秋のコーデの装いだ。
谷垣さんが黙ってテーブルの最奥上座の席に座ると、その後手島さんはハヤの向かいに座った。手島さんが座るのを見届けてからハヤも着席する。
それが合図となったのかキッチンであろう奥の扉から数人のメイドがシャンパンを持って現れ各席のシャンパングラスに注いで回った。
オレはまた窓側の定位置で手を前に組み立つ。すると、谷垣さんがオレの方を見て
「君も座りなさい」
と一言言った。
え???
オレ???
ときょとんとし自分のことを指差してしまって、すぐさまはしたないと手を下げた。
すると今度は手島さんが
「夏斗くんも、ほら、座って…」
とハヤの隣の席を示し、メイドの一人がわざわざ椅子を引いてくれた。
えー!!!
もう一つの席って、もしかしてオレ用だった?!
戸惑いながらも「失礼します」とボソッと言って着席した。
そのメイドに会釈をしてから扉に入り、エントランスから真っすぐ伸びた広い階段を昇ると左右に重厚な扉のある広い廊下に出た。
ここの行き止まりの扉は知ってる。あの応接室だ。
前を歩くハヤに付いて行くと、その応接室の手前右側の扉に入って行き、オレも後に続いた。
その部屋は高い天井煌びやかなシャンデリアが三つもぶら下がり、高窓が並ぶ広いスペースに、十何人も座れそうな長いテーブルが中央に置かれ、周りには高価な調度品が飾られていた。
1人のメイドがハヤに「こちらへどうぞ」と窓側の一番奥の席へと案内される。
オレはその席に座ったハヤの後ろ、窓の側に立った。
最奥の上座の席、窓側のハヤの席、そしてその向かいの席に食器がセッティングされていたが、ハヤの隣の席にも食器が用意されていて、合計4人の食事の段取りがされていた。
やはりハヤ以外にもお客が来るんだな。
自宅での夕食会に招待されるような大物を今のところオレは知らない。
これはもしや特別な会なのだろうか。
私的な感情(ハヤとセックスしたい)で断らなくてよかった~。
と心底思った。
「やぁ、久しぶり!本当に急に申し訳なかったね」
部屋に入ってくるなりフランクな感じで話してきた手島さんの声にオレもハヤも少し驚き、ハヤは立ち上がって「ご無沙汰しています」と改まった感じで会釈し、オレは「久しぶりです!全然、大丈夫っすよ」と友達の感覚に戻った口調であいさつをした。
そんな手島さんの姿は丸襟のシャツに緩いダークグレーのカーディガンオフホワイトのチノパンと普段着で、髪もセットせずにふんわり前髪も降ろして、仕事での角の尖ったメガネではない縁なしの楕円形の眼鏡でどう見てもオフモードだった。
あれ…?
あーでもそうか…ここって普通に手島さんの家だもんなぁ。
あのマンションに住んでいた頃の、休みの日何をしていいのか戸惑っていたオフの手島さんを思い出した。
考えてみたら手島さんってこの家に住んでいる期間のほうが遥かに長いんだっけ。
正直オレのここでの思い出は地下の監禁部屋が主だからそういう意識もなかった。
そんな手島さんの後ろから何とこれまたレアな普段着の谷垣さんが部屋に入ってきた。
淡い黄色のストライプのシャツにオリーブ色のニット地のジャケットカーキ色の緩めのスラックス、袖を少したくし上げたイケオジの秋のコーデの装いだ。
谷垣さんが黙ってテーブルの最奥上座の席に座ると、その後手島さんはハヤの向かいに座った。手島さんが座るのを見届けてからハヤも着席する。
それが合図となったのかキッチンであろう奥の扉から数人のメイドがシャンパンを持って現れ各席のシャンパングラスに注いで回った。
オレはまた窓側の定位置で手を前に組み立つ。すると、谷垣さんがオレの方を見て
「君も座りなさい」
と一言言った。
え???
オレ???
ときょとんとし自分のことを指差してしまって、すぐさまはしたないと手を下げた。
すると今度は手島さんが
「夏斗くんも、ほら、座って…」
とハヤの隣の席を示し、メイドの一人がわざわざ椅子を引いてくれた。
えー!!!
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戸惑いながらも「失礼します」とボソッと言って着席した。
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