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イギリスから
4. 《隼人side》父さんは勝手に!!!
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《隼人side》
性奴隷……って……。
まだ言葉自体、全く理解できないでいた。
父さんとは月に何度か食事をしたりはしたが、もう小学5年生のあの転校以来一緒に住むこともなくなっていた。
母は、居ないようなものだ。
外国で優雅に暮らしているらしい。
女とはそういうものだと父さんからも言われた。
それは、ナツの元彼女たちと話をした時同感だと感じた。
だからといって、いつでも性的に自由に出来る者を、しかも調教までして側に置くなど、小学5年生から普通の学校、普通の友達や人間関係の中で育ってきた自分にとって全く理解できなかった。
ただ、好きな人を拘束したい。
そんな感情なら理解できた。
それを、最後の3日間、自分もナツにしてきたことだから。
だがそれは恋愛感情の「束縛」であって、誰かに調教してもらうなど考えもしない。
ましてや奴隷などという、自分の欲求を満たすだけの存在にナツを置きたいとは思ったことも無かった。
それを父さんは勝手に!!!
思考は何度もそこを行ったり来たりしては、俺の怒りは父さんへ向けられた。
愛されてはいたと思う。
厳しくはあったが、期待をされ、それに応えれば最上級に喜んでくれた。
空手も始めれば楽しくてのめり込み、勉強も興味のあることは応援してくれた。
その為、父さんの仕事も自分が継ぐことへの抵抗感はなく、大切な十代の時をナツと過ごせるなら、それを条件にしても苦だとは思わなかった。
しかし、この状況は……。
とにかく気持ちは焦り、ただナツの無事を祈りつつ、一睡もできないまま日本へ到着した。
飛行機は予定通り次の日のお昼前には羽田に到着し、少ない手荷物だけの俺は急いでタクシー乗り場へ走った。
実家の門をくぐり、タクシーを降り、あわてて玄関に駆け込んだ。
俺も久しぶりの実家だ。
部屋の位置すら把握できてはいなかった。
予定外の俺の帰宅にあわててメイド数人が駆け寄った。
「父さんの秘書の手島さんは!!」
今すぐに父さんを訪ねたところで真実はわからないだろう。
かといって「性奴隷」「調教」などという内容で、このメイド達がナツの居場所を知っているとは思えなかった。
俺はとにかく手島さんに会おうと考えた。
「手島さんは昨日から見ておりません」
古株のメイドが静々と俺に歩み寄り答えた。
うそだ……。
バレたんだ。俺に電話したのが。
それか、俺にあんなふうに言ってきたってことは、もしかしたら父さんにも抗議したのかもしれない。
そして、怒りをかった。
とにかく2階に上がり、書斎や他の秘書の部屋などを探した。
無い……おかしい……。
住み込みで働く父さんの側近達の部屋や書斎はこの2階に集められているはずだった。
手島さんは特別ということか……。
父さんのプライベートの階に足を向けた。
俺も子供の頃数回しか行ったことのない5階。
古株のメイドに止められながらも、俺は無理やり押しのけエレベーターのスイッチを押した。
性奴隷……って……。
まだ言葉自体、全く理解できないでいた。
父さんとは月に何度か食事をしたりはしたが、もう小学5年生のあの転校以来一緒に住むこともなくなっていた。
母は、居ないようなものだ。
外国で優雅に暮らしているらしい。
女とはそういうものだと父さんからも言われた。
それは、ナツの元彼女たちと話をした時同感だと感じた。
だからといって、いつでも性的に自由に出来る者を、しかも調教までして側に置くなど、小学5年生から普通の学校、普通の友達や人間関係の中で育ってきた自分にとって全く理解できなかった。
ただ、好きな人を拘束したい。
そんな感情なら理解できた。
それを、最後の3日間、自分もナツにしてきたことだから。
だがそれは恋愛感情の「束縛」であって、誰かに調教してもらうなど考えもしない。
ましてや奴隷などという、自分の欲求を満たすだけの存在にナツを置きたいとは思ったことも無かった。
それを父さんは勝手に!!!
思考は何度もそこを行ったり来たりしては、俺の怒りは父さんへ向けられた。
愛されてはいたと思う。
厳しくはあったが、期待をされ、それに応えれば最上級に喜んでくれた。
空手も始めれば楽しくてのめり込み、勉強も興味のあることは応援してくれた。
その為、父さんの仕事も自分が継ぐことへの抵抗感はなく、大切な十代の時をナツと過ごせるなら、それを条件にしても苦だとは思わなかった。
しかし、この状況は……。
とにかく気持ちは焦り、ただナツの無事を祈りつつ、一睡もできないまま日本へ到着した。
飛行機は予定通り次の日のお昼前には羽田に到着し、少ない手荷物だけの俺は急いでタクシー乗り場へ走った。
実家の門をくぐり、タクシーを降り、あわてて玄関に駆け込んだ。
俺も久しぶりの実家だ。
部屋の位置すら把握できてはいなかった。
予定外の俺の帰宅にあわててメイド数人が駆け寄った。
「父さんの秘書の手島さんは!!」
今すぐに父さんを訪ねたところで真実はわからないだろう。
かといって「性奴隷」「調教」などという内容で、このメイド達がナツの居場所を知っているとは思えなかった。
俺はとにかく手島さんに会おうと考えた。
「手島さんは昨日から見ておりません」
古株のメイドが静々と俺に歩み寄り答えた。
うそだ……。
バレたんだ。俺に電話したのが。
それか、俺にあんなふうに言ってきたってことは、もしかしたら父さんにも抗議したのかもしれない。
そして、怒りをかった。
とにかく2階に上がり、書斎や他の秘書の部屋などを探した。
無い……おかしい……。
住み込みで働く父さんの側近達の部屋や書斎はこの2階に集められているはずだった。
手島さんは特別ということか……。
父さんのプライベートの階に足を向けた。
俺も子供の頃数回しか行ったことのない5階。
古株のメイドに止められながらも、俺は無理やり押しのけエレベーターのスイッチを押した。
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