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昴ニイの部屋
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雅ニイは頭を拭きながらリビングに入ってきた。
「……昴、よく寝てるな……」
すっと近づいて昴ニイの顔を覗き込み優しくそういうと、僕のほっぺにちゅっとキスをした。
僕はとっさに離れたけど、多分さっき昴ニイにキスしたのを雅ニイは見ていたと思う。
ちょっとした嫉妬だったんだろうかと不思議な感じで、でも心地よかった。
「おい……風邪ひくぞ……」
雅ニイは昴ニイの肩を少し揺らして声をかける。
その声もまた優しかった。
「う…ん……。アニキ?」
まだ寝ぼけまなこで雅ニイを見上げる。
雅ニイは昴ニイにも唇が触れるほどの軽いキスをし、昴ニイの頭を撫でた。
昴ニイは驚いた顔をし目を擦った。それからふっと笑みを浮かべ頭を掻く。昴ニイも今ので状況が現実だと実感したのかもしれない。
「あのさ、皆で俺の部屋で寝ないか?」
昴ニイがソファーから起き上がりながら言う。
昴ニイの部屋のベッドはダブルサイズだ。
成長し大きな体格になったため、買い与えてもらったもの。
ちなみに僕は小学校の一人寝をしたときに買ってもらった時のまま……。
「……でもさすがに男3人はキツイだろ」
「………」
雅ニイの言葉に昴ニイが俯いてしまったので、雅ニイが昴ニイの前にしゃがみ頬に触れる。
「今晩だけ……な……」
僕も嬉しくなってそんな雅ニイの背中に飛び乗った。
昴ニイの枕、布団の匂い。
ドキドキする……。
昴ニイの部屋へ来た僕は早速昴ニイのベッドへとなだれ込んだ。昴ニイの枕に顔を埋める。その後からそんな僕を包み込むように覆いかぶさってきた雅ニイがそのまま壁際に横たわり、今度は昴ニイが反対側を塞き止めるように横になった。
僕を真ん中に挟み、二人は僕を抱きしめるように眠りにつく。
そんな二人の手は、僕のお腹あたりで指を絡め、擦り合っていた。
昴ニイは目を閉じ、でも僕の髪が昴ニイの頬をかすめる度おでこにキスを落とす。
雅ニイも目は閉じているけど鼻に僕の耳が触れると、顔を耳の後ろに入り込ませ耳の後ろから首筋へと唇を這わせる。
僕はその度に身体を震わせた。
「アニキ……眠れる?」
「……明日学校だし、健を寝かせてやんないと……
って思ってるんだけど……」
「…………」
兄二人が小声で話していることに、僕は顔を赤くしたまま黙っていた。
本当はいつまでもこうされたい。
いや、もっともっといっぱい愛し合いたい。
うん、でも学校あるし、身体は正直限界だ。
ああ……この二人を相手にするんなら、もっと体力つけないとなぁ……。
なんて幸せな悩みを思い浮かべながら、二人のぬくもりの中眠りについた。
「行ってらっしゃい」
「行ってきまーす!!」
雅ニイはいつの間にか起きていて、朝早くからお弁当を作ってくれていた。
母さんにはそこまでしなくていいわよって言われていたけど、留守を任されている雅ニイは責任感からか、そういうことは完璧にこなす。
昴ニイは朝練で一足先に登校。
そして僕は今、雅ニイに見送られ、いつもの電車に乗るべく家を出ようとしていた。
「……あ、健」
玄関扉に手を掛けた時、雅ニイに呼び止められる。
腕を引っ張られ雅ニイの側まで身体を持っていかれると、耳元で呟く。
「今日も帰ったらすぐ俺の仕事部屋に……」
熱い声でそう呟くと、すっと手を離した。
最近はそう声をかけてもらうことを期待している自分が居た。
学校から帰って来てからも言ってもらえなかった日には、ワザとらしくリビングでテレビを見ている雅ニイの前を行ったり来たりしたこともある。
昨日の告白の後だし、今日は今までみたいに僕だけがオモチャにされ、快楽を与えられるだけじゃない。
そんな別の期待も乗っかって、一層その言葉に僕の心臓は跳ねた。
「……うん、行ってきます」
俯いたままその言葉に返事をすると、僕は玄関を出た。
後ろではにこやかに、兄の顔で手を振る雅ニイがいた。
「……昴、よく寝てるな……」
すっと近づいて昴ニイの顔を覗き込み優しくそういうと、僕のほっぺにちゅっとキスをした。
僕はとっさに離れたけど、多分さっき昴ニイにキスしたのを雅ニイは見ていたと思う。
ちょっとした嫉妬だったんだろうかと不思議な感じで、でも心地よかった。
「おい……風邪ひくぞ……」
雅ニイは昴ニイの肩を少し揺らして声をかける。
その声もまた優しかった。
「う…ん……。アニキ?」
まだ寝ぼけまなこで雅ニイを見上げる。
雅ニイは昴ニイにも唇が触れるほどの軽いキスをし、昴ニイの頭を撫でた。
昴ニイは驚いた顔をし目を擦った。それからふっと笑みを浮かべ頭を掻く。昴ニイも今ので状況が現実だと実感したのかもしれない。
「あのさ、皆で俺の部屋で寝ないか?」
昴ニイがソファーから起き上がりながら言う。
昴ニイの部屋のベッドはダブルサイズだ。
成長し大きな体格になったため、買い与えてもらったもの。
ちなみに僕は小学校の一人寝をしたときに買ってもらった時のまま……。
「……でもさすがに男3人はキツイだろ」
「………」
雅ニイの言葉に昴ニイが俯いてしまったので、雅ニイが昴ニイの前にしゃがみ頬に触れる。
「今晩だけ……な……」
僕も嬉しくなってそんな雅ニイの背中に飛び乗った。
昴ニイの枕、布団の匂い。
ドキドキする……。
昴ニイの部屋へ来た僕は早速昴ニイのベッドへとなだれ込んだ。昴ニイの枕に顔を埋める。その後からそんな僕を包み込むように覆いかぶさってきた雅ニイがそのまま壁際に横たわり、今度は昴ニイが反対側を塞き止めるように横になった。
僕を真ん中に挟み、二人は僕を抱きしめるように眠りにつく。
そんな二人の手は、僕のお腹あたりで指を絡め、擦り合っていた。
昴ニイは目を閉じ、でも僕の髪が昴ニイの頬をかすめる度おでこにキスを落とす。
雅ニイも目は閉じているけど鼻に僕の耳が触れると、顔を耳の後ろに入り込ませ耳の後ろから首筋へと唇を這わせる。
僕はその度に身体を震わせた。
「アニキ……眠れる?」
「……明日学校だし、健を寝かせてやんないと……
って思ってるんだけど……」
「…………」
兄二人が小声で話していることに、僕は顔を赤くしたまま黙っていた。
本当はいつまでもこうされたい。
いや、もっともっといっぱい愛し合いたい。
うん、でも学校あるし、身体は正直限界だ。
ああ……この二人を相手にするんなら、もっと体力つけないとなぁ……。
なんて幸せな悩みを思い浮かべながら、二人のぬくもりの中眠りについた。
「行ってらっしゃい」
「行ってきまーす!!」
雅ニイはいつの間にか起きていて、朝早くからお弁当を作ってくれていた。
母さんにはそこまでしなくていいわよって言われていたけど、留守を任されている雅ニイは責任感からか、そういうことは完璧にこなす。
昴ニイは朝練で一足先に登校。
そして僕は今、雅ニイに見送られ、いつもの電車に乗るべく家を出ようとしていた。
「……あ、健」
玄関扉に手を掛けた時、雅ニイに呼び止められる。
腕を引っ張られ雅ニイの側まで身体を持っていかれると、耳元で呟く。
「今日も帰ったらすぐ俺の仕事部屋に……」
熱い声でそう呟くと、すっと手を離した。
最近はそう声をかけてもらうことを期待している自分が居た。
学校から帰って来てからも言ってもらえなかった日には、ワザとらしくリビングでテレビを見ている雅ニイの前を行ったり来たりしたこともある。
昨日の告白の後だし、今日は今までみたいに僕だけがオモチャにされ、快楽を与えられるだけじゃない。
そんな別の期待も乗っかって、一層その言葉に僕の心臓は跳ねた。
「……うん、行ってきます」
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後ろではにこやかに、兄の顔で手を振る雅ニイがいた。
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