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二章:令嬢になる元令嬢

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 *眠かったため乱文です。申し訳ありません。
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「まず、自己紹介から。私は《サバム・メラケドス》メラケドス王国の国王をやっている」

 自己…紹介?……ははは!面白い!!てっきり君は誰だ?とか、あの力はなんだ?とか上から目線で聞いてくると思ったのに。いや~、予想は斜め上ってね!

「自己紹介……面白いね。じゃあ改めまして、私は《クロロフェル・F・シエル・ノーレシアス》どうぞお見知り置きを。後ろにいる執事は知ってらっしゃると思いますが、セバスチャン……そういえば苗字知らない…というかほぼセバスのこと知らないな…」
「執事のことなど知らなくても良いのですよ。クロロフェル様。私はただ貴方に尽くせれば良いのですから」
「そう。あ、他の人は自己紹介しなくても良いです。どうせ質問するのはサバム陛下だけでしょう?」

 そう、挑発的に言うと、ほぼの人が、顔をしかめた。顔をしかめていなかったのはお父様やシーラ達、あとはコローネ達だな。勿論おじいちゃんと陛下は顔をしかめていない。みんなクソみたいにプライド高いしね。たまにプライドが高すぎて引くぐらい。こんな大人になりたくないね。

「それで、さっそくだが、クロロフェル嬢、君は本当にあの伝説のシエルなのか?」
「うぐ……え、ええ。まぁ…」

 伝説……痛いな……ふふ……はぁ……誰が、誰が好きで伝説になんて……

「ではシエル殿と呼んだ方が…」
「どちらでも構わないよ」
「そうか…其れで、あの伝説のシエルは漆黒娥龍白銀炎天神王という種族だが…それは合っているか?」
「…ええ」

 頷くしかないね……種族名よ…なんでそんなに中二なのかな?まぁ、昔の私が運営に言って作ってもらった種族でもあるんだけどね…。昔の自分を殴りたい!

「だが、あの時、シエル殿は天使…だったはず…」
「ああ、あれか。私はスキルに種族を一時的に変えることのできるのがあるのです。天使化は癒しに特化した種族。だからあの際に使ったのです」
「そんなスキルが…」
「ええ」

 それが気になってたのか。伝説と違う種族だったら驚くもんね。

「あと、これが一番聞きたかったのだが、シエル殿はこの国の味方ですか?」
「味方……私は味方でも敵でもない。今回、救ったのはおじいちゃんに頼まれたからだ。私はこの国をどうこうする気もないし。どちらかというと…生まれ故郷でもあるからね…なるべく味方になりたいね。でも、もし、この国に奴隷制度があれば潰してたかも」

 おじいちゃん以外のここにいる全員の顔が青ざめる。私は自由を奪う行為は大っ嫌いだしね。昔の先代国王達に感謝すると良いよ。ははは~!

「そうですか。それで、シエル殿、私はもっと貴方に質問したい。だが、貴方は質問されるのが嫌いな様で…」
「おお、よくお分かりに。私は質問するのは好きだけど、聞かれると嫌だからね」

 もっと遠慮なく質問すると思ってたのに…結構腐ってないな…

「面倒くさいだけでは?」
「う、鋭いなぁ……ま、まぁ、それは置いておいて、他に何かあるので?」
「その、シエル殿に身分を与えたく……」
「何故だ?利用するためか?」
「ちが、いや、そうかもしれぬな…」
「認めるか……」
「もし、必要なければ、戻ってきてはもらえないだろうか?私はこの国を守りたいのだ。今回の感染病で多くの命を失った。これでは隣国に攻めてこられては、この国が滅びてしまう」
「なるほど…で?」
「ッ!………それに、こんなことでしか…娘を救ってもらった礼ができぬのだ……」

 これが、本音かな。良い王様だな。質問も最低限だけにしてくれたし、

「わかった。良いだろう」
「良いのか!?」
「ただし、条件がいくつかある」
「条件?」
「まず、一つ、私に貴族の仕事を回すな。あくまでも籍を置くだけ。二つ、婚約させるな。三つ、パーティーの参加を強制するな。四つ、私の騎士団を私のそばに置くこと。五つ、城下町の探索を自由にしてほしい」
「……それだけで良いのか?」
「まあね。私はこの国を観光してみたい」
「騎士団というのは?」
「10名程度だから気にしなくても良い。でもたまに、訓練場とか使わせてほしいな」
「そ、それぐらいなら大丈夫だ」
「後で紹介する。そして、最後にもう一つ」
「最後?」
「シーラを頂戴?」

 そう言ったら、ここにいる全員の目線が、私から、お父様の後ろに立っているシーラに集まる。

「シーラ。約束。ちょっと早いけど…どうかな?」
「ッ!!………クロロフェル様!!私!!」

 シーラは私に飛び込んできた。可愛いな。これでやっと約束を果たせる。

「覚えてくれて…グスッ……私は!」
「ほらほら泣かない。もう準備も出来てるから、さあ涙を拭いて、レッツゴーだよ!」
「れ、れっつごー…?」
「あ、いやいや、なんでもない。セバス。すぐに【黒き騎士シュバルツ・パラディン】を招集して、紹介するから」
「もう招集しました。後10秒程でこれるかと」
「わかった。シーラはもう貰うと決定したので、私の騎士団を紹介します」

 そう言った途端、私の後ろから、控えめ光がもれ、黒い礼装を着た10人の人がいた。

「お呼びでしょうか?」

 そう隊長のクロークが言い、同時に、私に向かって跪く。

「これが、私の騎士団です。サバム陛下」

 私は騎士団から目線を外し、サバム陛下を見据えた。
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