上 下
19 / 53
冒険者の醍醐味

2

しおりを挟む
「申し訳ございませーん!!」

 ギルドの奥から思いっきり走って頭を下げてきたマッチョの人は私に何故か謝罪した。耳がいたい

「あ、あの。何故謝るので?」
「いえ。なんでもありません!」
「そう?ならいいけど」

 いきなりの変な人登場に周りの人は私たちを凝視したり驚いた顔をしている。うーん?

「つかぬことをお聞きしますが、あなた様がかの有名な《シエル》様でございましょうか?」

 有名?周りの人達は驚いていた顔を更に目を見開き、最大限まで驚いていた。声はみんなこの空気を読んで黙ってくれてる。みんなKYじゃなかった。よかった。KYなのはあまり好きじゃないし

「えっと。一応私はシエルだけど、かの有名な、と言うのは知らないな」
「…かの…伝説の…シエル!数々の戦いに勝利をもたらし、幾度となく世界を救った!」

 伝説?ゲーム時代かな?え?でもそっれて私の黒歴史がみんなに知られてるってこと?

「どういうこと?」
「知らないのですか?ご自分のことを…」
「ちょっとあってね。で、教えてくれない?その伝説」
「は、はい」

 ほんの少し、ヤバいぐらい少しだけ声のトーンを下げたらなんか顔が青白くなっていった。そんなに怖かったのかな?

「約一万年前。まだ世界が安定していなく、数々の強力な魔物、武器、魔法などがあった時代。今の世界でその時代の魔物がいたら国がすぐ滅びる程度な強さ。武器は伝説の武器になっている。
 あまたの屈強の戦士たちが戦い、生き延びていた中、一人、桁が外れた強さを持つ者がいた。その名も《シエル》。

 5神をも超える力を持ち、世界を救い続けた者

その者は、きらめく銀の髪を持ち

その者は、紫と金の目を持ち

その者は、漆黒の翼を持ち

その者は、純白の翼を持ち

その者は、白と黒の鱗を持ち

その者は、竜王と呼ばれ

その者は、神王と呼ばれ

 すべてに破壊と再生をもたらす者、と。

そしてある日を境にこつ然と姿を消した。ある言葉を残し。その言葉は誰も覚えてはいないが、今の世に導いてくれた言葉だと言われていた。

 これが《シエル》にまつわる伝説です。」

 ......…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!誰か!!誰か嘘だと言ってくれ!なんだこの中二病?私を恥ずか死にさせたいの?昔の私を殴りたい。今すぐできる限りの力で吹っ飛ばしたい。もういやだ....。きっとイベントとかのことを言っているのだろう。さらに私がゲームをしばらく休みにしようとしたとき最後に言ったのは伝わってないけど。無双しすぎた~~!!!5神とかまんまイベントだし…

  わ~~!!私のバカ~~~~!何故だぁぁぁぁ!!!こんなことになるなんて!!

 ドンッという音を立てて私はカウンターにひれ伏した

「ど、どうかしましたか!?」
「な、何でもないよ。ただ精神にすごくダメージが…」

 伝説になってたなんて

「まぁ。ある理由でやっと戻って来れたんだ」
「そうでございますか?」
「ああ。ちょっと観光したいんだ。あの頃はそんな余裕も何もなかったし」
「観光ですか?」
「ああ。そういえばあなたは?それに敬語もいらない」
「そうか?ならお言葉に甘えるとしよう。寛大だな」

 名前を聞いていなかったことに気がつき、名前を聞く。もうなんかカオス。本当に観光に行きたいな。お金は有り余ってるけど、たまにクエスト受けたりするのもいいかもしれない

「改めて私はここのギルドマスターをやっている《ラプタ・バレス》という者だ。よろしく」

 態度かわるの早いな。なれてる感じがする

「よろしく。しばらくこの町にいるから。困ったことがあったら言って」
「伝説にシエル様にそう言ってもらえると心強い」

 そう言って握手を交わした。これでひとまずおけーかな?後々面倒になりそうだけど。こっちのギルカ使わない方がよかったかな?

 結構ドジなクロロフェルだった。この後結構な問題を引き寄せるとも知らずに

ーーーーーー
次は依頼です。冒険者と言ったら依頼!クロ立ち直るの早いですね。無理やり押さえ込んだ感があります。

 依頼はどんな依頼にしようか迷います
しおりを挟む
感想 126

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!

naturalsoft
ファンタジー
『※タイトル変更するかも知れません』 シオン・バーニングハート公爵令嬢は、婚約破棄され辺境へと追放される。 そして失意の中、悲壮感漂う雰囲気で馬車で向かって─ 「うふふ、計画通りですわ♪」 いなかった。 これは悪役令嬢として目覚めた転生少女が無駄に能天気で、好きな絵を描いていたら周囲がとんでもない事になっていったファンタジー(コメディ)小説である! 最初は幼少期から始まります。婚約破棄は後からの話になります。

私はモブのはず

シュミー
恋愛
 私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。   けど  モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。  モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。  私はモブじゃなかったっけ?  R-15は保険です。  ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。 注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜

ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。 年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。 そんな彼女の癒しは3匹のペット達。 シベリアンハスキーのコロ。 カナリアのカナ。 キバラガメのキィ。 犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。 ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。 挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。 アイラもペット達も焼け死んでしまう。 それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。 何故かペット達がチートな力を持って…。 アイラは只の幼女になって…。 そんな彼女達のほのぼの異世界生活。 テイマー物 第3弾。 カクヨムでも公開中。

ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ

雑木林
ファンタジー
 現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。  第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。  この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。  そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。  畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。  斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

処理中です...