私はモブのはず

シュミー

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24アレスへレッツゴー!

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前回のちょびっとのあらすじ

 無事アルノドの補佐を務めることになったリナ。やっとのことで両親、ツヨミラとサヴァンを納得させた。

 ついでにアレス旅行も納得させた。

 結果: 母様が一番強かった
-------

「すいません。ここってアレス行きの馬車ですか?」
「あらお嬢ちゃん。アレスまでお使いか?」
「まあ、そんな感じです」
「小さいのにしっかりしてるねぇ。そうだよ。この馬車がアレス行きの馬車さ。今ちょうど出発するところさ。運がいいね!」

 ここであっていたようだ。

 私はサヴァ父様と母様、アルノ父様とフィー様に見送られて一人で乗り合い場まで来た。今日の朝は良いことずくめ。お菓子を持たせてくれたし、給料って言われて渡されたお金に、フィー様にフィーってよんで!なんて言われて!!きゃーー!!

 脳内がすごいことになっているが、表には出さず、平然とした顔で私は親切なおばちゃんに5エートを渡す。

 脳内が落ち着いてきたところで、中に乗ってみれば結構な人が乗っていた。全員大人だ。武装している人がなんか多いな。

「何してんの。あんたはこっち」

 私は荷台に上ろうとしたら後ろからおばちゃんに軽々と持ち上げられる。そして馬車を運転する席の隣に座らせられる。

 一瞬びっくりして反射で手を振り払いそうになったが、なんとか止めた。

 そうだった。私はまだ小さい子供。軽々持ち上げられるか。

「子どもにあんな狭いところに押し込める訳ないだろ?」

 私が黙っていたのを不思議に思っているのと勘違いしたおばちゃんはそう説明してくれた。

「ありがとうございます!」
「おうよ!」

 いい人だ。でも後ろの人が気になってみて見ると、気を使うな見たいな目で見てきた。いや、それ普通の子どもは気がつかないから。

 まあ、でもお言葉に甘えて、その席に座らせてもらった。

 大体アレスまでは1時間弱。かなり近い。私はガタゴトと揺れる馬車で、本を取り出そうとする。一般世間ではかなり難しい部類に入る歴史の本だ。私にとっては俗に言うライトノベルを読んでる感じで、なかなかに面白い。

「お!お前さん本が読めるのかい?」
「?うん。そうだよ。教えてもらったの」
「そりゃあいい。大人でも字の読み書きが出来ない奴なんてざらにいるからね!」
「うるせー」

 そうおばちゃんは言う。後ろから武装した人の声が聞こえた。因みに運転手はおばちゃんだ。

「大体そうだろ?お前らは出来るんかい?」
「.....できねえよ」

 ニヤリとして言い放ったおばちゃんに武装した男は苦い顔をする。

「なら文句いっちゃあだめじゃないか」
「ちっ」

 言い訳できずに舌打ちをする武装した人。なんか知り合い?

は大体字が読み書きできねえからね!脳筋な奴ばっかだね!」
「冒険者?」

 見知らぬ単語が出ていた。そう言えば乙女ゲームの中でも冒険者登録する場面があったような.....

「知らないのかい?冒険者って言うのは今乗ってる奴らみたいな奴さ!」

 説明になってない。

「そりゃあ説明になってねぇぜ。イア。説明してやれ」

 武装している人が、いかにも魔法使い、ヒーラーですみたいな格好をしている女性に話をふる。

「えっとね。冒険者って言うのは、魔物と戦って、魔石をとるお仕事をしている人たちなの。皆冒険者組合にで掲示板に張り出されている依頼を受けるのよ。ランクが低いと、雑用もあるんだけどね。あ、ランクって言うのは、最初に入ったときが一番下で、依頼を受けていくほどにあがっていくシステムのことよ。ランクは実力を示してるから、高いほど強いって言う意味を持っているの」
「へー。面白いね!」
「そうでしょう?ランクが高くなれば依頼も命の危険がつきまとうことになるけど、楽しいわよ?」

 おおー。確かに。これってよくあるファンタジーな奴だ。確かこの乙女ゲームを作った制作者はファンタジーものも好きで、ファンタジーと同時進行で恋愛を楽しめるゲームだったからな。

恋愛の方を進めないで、アドベンチャーゲームとしてだけ、遊ぶ人もいたな。だから運営がアドベンチャーだけのカセットも出したっけか。

 多分ゲームが始まる年になれば、私の周りは恋愛模様になるだろう。今は始まる前だからちょっとファンタジーが強いのかな?

「じゃあ、イアさんは今なにランクなの?」
「私はCよ。昔からやっているから結構がんばったのよ?」
「俺もCだな」

 Cって言うぐらいだから、ランクは皆さんが知っている通りになるんだろう。確か最低が、Eで、最高がSSだ。二人はちょうど真ん中。

「あの小さかったガキがよく一人前の冒険者になったもんだ」
「ガキって!」

 やっぱり昔からの知り合いみたいだ。

「そう言えば貴方お名前は?」
「レイ!歳は5歳だよ」
「5歳か!ちょうど冒険者になれる歳じゃないか。次いでだからなって見ればどうだい?」
「う~ん。機会があればそうする!」

 結構幼い頃からなれるのか。幼い頃からコツコツとランクを上げる人と、ある程度の実力をつけて、一気にDやCランクまで上げる人とかに分かれているのか。そう言う組織に入ってたほうが後々の問題とかなさそうだな

「お、じゃあ、いつかまた会えるかもな!」

 そんな風にして、わいわいとアルスへ行く馬車はにぎわった。因に後でほかの人たちも混ざってきた。

 ×  ×  ×

「ありがとうおばちゃん!またね!」
「ああ!元気でな!」
「またねー」

 馬車の皆と別れてアルスの町を歩いた。因に町に入るときは一番最後にあの身分証を見せた。ほかの人たちは市民証とか冒険者カードを見せてたけど、私は持ってないからね、門番が驚いても良いように最後にした。口をあんぐり開けて驚いてたのは笑った。連絡は届いていたらしく、大事にはならなかった。ただ、私みたいな小さい子供だとは思わなかったんだろうな。

 因みに私は今変装中。髪は茶色で、目は緑。この世界ではごく普通の色彩だ。もちろんロングヘアだよ。それに淡い緑色の帽子で、肌色のワンピースに、緑色のジャケット。私が作った魔法が付与されている青いループタイと、小鳥を模様した緑色のブローチ。

 薄いジャケットの上から欠けている深い青のスカーフを止めている。靴は茶色のブーツ。森をイメージしている。

これぞ私が想像する。モブだけど意外と可愛い理想の都会の町娘だ。

 門を通る時はレイの時のこと仮面をつけておいた。もしまた来ることになったら、姿が全然違うことになるから、ちょっとややこしくなるし。

 それにしても初めての一人旅!さっき歩いた城下町とは違う雰囲気。お!これがアレス特産品のガラス細工。綺麗なのいっぱいあるな~。

 まあ、じっくり見て回るのは後にしよう。まず先に宿をとってからやることだけやっておこう。

 ×  ×  ×

「すいません。一人部屋って開いてますか?」

 私が訪れたのはアレスでも結構評判が高い宿、《火の精霊サラマンダー》だ。安くて、ご飯がおいしくて、安全で有名らしい。あばちゃんに教えてもらった。

「はい。開いてますよ」

 出てきたのは12歳ぐらいの猫耳がついた女の子。

 そう!みんな大好き猫耳娘だ!!獣人だ!

 城下町には居なかったけど、ここには居るのか!やった!私は獣人大好きです!

「一泊200エートで、ご飯は別料金で20エート。お湯は10エートとなります」

 うーん。安いのかいまいちわからない。というか語尾ににゃ、を付けてほしかった。

「じゃあ六泊で、ご飯は食べたいときに後で頼めるように出来ますか?」
「出来ます。では......1200エートです」

 指を折り数えてた。多分この世界は教育がちゃんと出来てないのか。本では学校があるみたいだけど、簡単な計算と基本的なことしか教えないらしい。

「これで良い?」
「はい。しっかりと1200エート。部屋は103号室です」

 私は受付猫耳娘から鍵を受け取る。結構部屋あるんだな。

「じゃあよるまでには戻ります」
「いってらっしゃいませ」

 私は《火の精霊サラマンダー》を後にして、人影の少ない裏路地に向かう。

 私がここに来た本当の目的、それはことだ!!

 私はあらかじめ翡翠に頼んでグリフォンが出るエリアを探してもらった。そこに灰瀬に頼んでテレポートすればいい。

 前にフィー様がグリフォンを見たいと言ってたから、乗りたいと言ってたから!何としてでも願いを叶えて差し上げなくては!!

「灰瀬。お願い」
『了解した。主』

 目を数秒閉じてあけると、そこはもう薄暗い裏路地ではなく、森の中だった。因に私も転移魔法は使えるが、1度行ったところと、視界に入っているところ。それと遠い所はマーキングしてないと飛べない。けど灰瀬なら精霊王だし、行ったこともあるから飛べるらしい。

「リル」

 私が呼ぶと影の中から私が乗れるサイズの大きさのリルが出てきた。

「のせてくれる?それとグリフォンを使い魔にしたいんだけど。いい?」
「ぐるぅ」
「ありがとう」

 リルは私にほほをすりつけて、甘えてくる。可愛いなぁ!私はリルにまたがる。

「お願い!」

 そういうと、リルは勢いよく走り始める。

 いえーーーい!風が気持ちいい!結構な速度出てるけど、リルが風魔法を使って適度な風とおりにしてくれているからすごく快適!リルも久々に走れて嬉しそう!

「おお!見えてきた!」

 しばらくすると、森を抜けて、大きな大草原に出た。ここにグリフォンが居るらしいけど、どこかな~?

「リル!おろして、小さくなれる?」

 リルは足を曲げて私がおりやすいようにしてくれる。私が降りたら、いつもの子犬サイズになる。私はそれを抱き上げて、歩き出す。

 そう言えばいってなかったけど、私の今の格好は金色糸で刺繍が施されている黒色の軍服。因にスカートで、スパッツをはいているから、大きな動きしてもパンツは見られない。

 その上からスキル収納に入っていた鷹の羽衣をローブにして、マントの代わりとして使っている。鷹の羽衣は飛行機能がついている。そして鷹の羽衣のマントにフードをつけたので、それを深くかぶって、昔使っていた。狐の仮面を付けている。色は白か黒で迷ったけど、黒で統一した。汚れ目立たないし。

 因みに町娘の姿は戦闘には向いてないように作られてる。

 着替えた理由はそれだけじゃないんだけど……一番の理由は「軍服カッケェ!!!」と思ってたから。

 仮面などつけて怪しくないかって思われるかもしれないかと思ったあなた。高ランク冒険者とかは仮面を付けている人が少なからずいて、それに憧れて付けている人もいっぱいいるから不思議はないんだって。

 まあ、顔を売りたい人はちょくちょく仮面を外す人がほとんどらしい。本当に謎の高ランキング冒険者は居ないとも聞いた。

「ん?あれかな?グリフォン。上半身鷹で、下半身ライオン」

 本物だ!わくわくしてきた!だってグリフォンだよ!生グリだよ!伝説の存在だよ!ここでは存在する生き物、魔物だけど、地球ではファンタジーだからね!!神獣だし!

 確か知能は高いはずだから、話しかけても大丈夫かな?念話使っておこう。

 因に私はリルとも念話を使って話せるが、リルはなぜか嫌らしい。

『もし、そこのグリフォン』

 私は茂みからでて、少しだけ、古風ないいかたで話しかける。たまに言っちゃうんだよなー!古風と言えば.....そうだ!フィー様に七五三っていって、着物着せようかな!今はちょうど4歳。フィー様の誕生日はエルじぃの誕生日の次の月だから、そろそろか。

『何者だ』

 あら、渋い声。やっぱりここの世界の人って皆良い声してるわ。魔物でも良い声してる。

 私はそんなことを考えながら、グリフォンを見据えた。
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