私はモブのはず

シュミー

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22精霊さんだぞ☆

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2日、3日ほど休みます。一気に誤文字を直したいので。多分こちらも急いで書いたため、乱文かつ、誤文字があると思います。申し訳ありません。休む間に、直しますので。
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 すっと、音もなく私はアルノ父様専用執務室を出た。前世の暗殺技術も駆使してるから、レアスキルとか、本当の強者にしか気づかれることはないだろう。

 私は近くにいた立派な隈を携えている緑色の髪の青年の机にあった資料を覗き込んでみる。あーあ。無駄なところがいっぱいですね。

 これとかほかの人でも出来るでしょ。それにこの計算間違ってる。そうそう、言い忘れていたけど、私には神様のスキルがあるからそれも駆使したから、こんなにも処理能力が上がったのだ。それとあれだ、チート武器だ。武器じゃなくて、思ったことを紙に印刷できる道具だ。

 本当に便利。考えている最中に違うことを考えさえしなければ、誤文字も、書く時間も短縮されるからね。

 私は職員が自分自身の仕事に集中してくれていることを良いことに、計算を書き直したり、資料を移動したり、床を片付けたりした。

 だってこんな場所ストレスたまりすぎるわ。空気も密閉状態でなんか息苦しいわ。これだと過労の前に酸欠で倒れるんじゃない?

 それに数人鑑定させてもらったけど、鑑定した人全員酸素が少ないところでも普通に活動できるスキルがある。それと集中とか不眠とか。

 スキルの数ある意味一般騎士より超えてんじゃない?って思ったぐらい結構あったわ。皆は気づいてないらしいけど。鑑定する暇もないのかな?多分そうだと思う。

 よし、君たちの精霊さんになっちゃうぞ!

 ×  ×  ×

 俺は文官をやっている者だ。適当に文官Dと呼んでくれ。俺は一応エリートと言われている中央支部に勤務している。

 もうかれこれ4年たった。最初はエリート中のエリートだ!これってモテる?と喜んでいたが、それは甘い考えだった。昔の俺を殴り飛ばしたい。

 ここの仕事を一言で言うと、『死ぬほど忙しい』

 もうずいぶんと寝てない気がする。ずっとひたすら資料に目を通して、処理をする。もう運ばれてくる資料は同じところに積み上げられるから見ないで手を伸ばせば届く。機械のように続けてきている。

 これも最初の頃は後どれぐらい残っているんだろうかといちいち確認していたが、今は終わらないことがわかっているので、確認しなくなった。

 俺と同じ時期に入ってきた緑色の髪の童顔で青年によく見間違えられる同僚は帰る時間もあまり取れなくて奥さんと喧嘩したらしい。今は仲直りしたらしいが。勿論有給をとって説得したそうだ。その分有給から帰ってきたら、仕事が増えたそうな。

 ここに配属される前は、結構整った顔をしていたが、今ではぼさぼさの髪に立派な隈を携えて、死人のような青白い肌になっている。もうあのモテない同僚に嫌みを言えなくなった。

 因に俺は今、絶賛嫁募集中だ。けど、ここに独身で勤務し始めたら、なかなか結婚できないそうだ。結婚できても結構歳を食ってからだ。そりゃあ、仕事多すぎるし、見た目不健康だからな。なんでアルノド宰相閣下はあんなに元気に見えるのか。俺らより仕事やってんのに。

 そんな徹夜続きのある日、アルノド宰相閣下が子どもをつれてきた。怪しい仮面をかぶってフードを深くかぶっている奴だ。五歳だと言っていた。お試しとして1週間ここに勤務するらしい。ふざけんな、ここは遊び場じゃねぇ。子守りする暇なんてないというのに。

 そのことに唯一アルノド宰相閣下にため口ではなせる先輩が反対していた。俺もその先輩の意見には賛成だ。

 まあ、それからなんやかんやあって、自分の仕事に戻った。一瞬見えた自分の机に置かれた書類の山に、俺はため息をついた。この仕事量、今日も徹夜か。きっとあの時の俺の目は死んでいただろう。

 カリカリカリカリ

 書類にペンを走らせる音しか響かなくなった。俺も資料の山を見ず、手を伸ばして、目の前に持ってくる。いつもの作業だ。

 とそこである紙を手にした。資料の山の一番上にあったやつ。あれ?これはさっき俺が時間がかかると思っておいておいた奴.....ん?もう一枚は.....この資料に関して重要な点をまとめてる紙だ....

 俺はその紙に書いてあるところと、字が羅列している資料を見比べる。読みやすいし、すぐに頭に入ってくる。誰がやったんだ?

 ......まあ、いいか。まだまだ資料はある。これが一つ誰かが終わらせてくれたとしても、あまり変わらない。

 カリカリカリ。パラ。カリカリ。パサ。

 スカッ。

 ん?いつもある書類の山に手が当たらない。

 スカッ、スカッ。

 何度か手を動かしてみても当たらない。不思議に思って書類の山があるはずの所を見るために顔を上げる。そして、俺は顔に?を浮かべた。

 なぜなら、さっきまであった書類の山がないのだ。

 ずいぶんと使っていなかった時計を見ると、まだ仕事を始めて6時間程度。書類が消えた?....いや、俺が.....終わらせた、のか?

 終わった書類を置くところを見ると、朝に見た量と同じ様な山が。

「.....夢....だな」

 多分俺は仕事しすぎて夢を見ているに違いない。俺は目をこする。そして周りを見ると、皆も書類が終わっている。皆様々な反応を示していた。驚いていたり、困惑してたり、感動して泣いていたり。夢.......だよな?

「すまん。先輩。少しほほをぶってくれませんかね?」
「いいぞ。そのかわり俺もぶってくれ」

 ここに居る職員に周りにはすべてきっちりと整理された、終わった書類が置かれていた。床も見える。俺が勤務し始めた頃からずっと資料に埋もれて見えなかった床。俺、初めてこの部屋の床見たかも。

 ばきっ!俺は鈍い痛みをほほに感じた。先輩が殴ったようだ。思いっきり。痛い.....夢ではない....夢ではない!!俺の心は歓喜に満ちていて、泣き笑いながら、先輩を思いっきり殴った。

 うれし泣きをしているおっさんが職場の先輩を殴っている様は結構シュールかもしれない。

「いたい....だと!」

 そういう風に先輩も感動を噛み締めていたときに、宰相閣下専用の部屋の扉が開いた。

「.....おわったか?」

 初めて聞く言葉だ。ここに居る全員が「終わった」という言葉に歓喜を感じでいる。大げさかもしれないが、本当に大変だったんだ!!!一日でも早く終わったんだから喜ばない分けないだろう!!少しの休みだけだとしても!!

「そうか。ほかの職員もそうだが、よくやったな。

 レイ?今日ここにお試しとして入ってきた子供の名前.....

 宰相閣下は朝とはかなり雰囲気が変わった感じがした。少し柔らかくなって『レイ』と呼んだときは少しばかりの笑みが浮かんでいた。

 宰相閣下は俺の近くまで来て、手を伸ばしてくる。そして、俺を通り越して、隣にいく。

「うん!私かなりがんばったよ!!でもこれで午後には戻れるよ!」

 宰相閣下はいつの間にか俺の隣に居たレイの頭をなでる。え?いつからそこに?いや、なんで宰相閣下がほめるんだ?周りも困惑しているみたいだ。

「私もかなり休めた。今日は帰って、屋敷の仕事の方も終わらせよう」
「え!?屋敷の仕事って.....どんだけ仕事やってんの!!」
「とにかくたくさんだ。今思えばよく私一人でまわせたな」
「本当だよ。じゃあ帰ろう。それと、職員さん。ありがとうございました。先輩達ががんばってくれたおかげで間に合います」

 五歳児とは思えないカーテシーをレイはした。服はドレスじゃないが。

「あ、アルノド?どういうことだ?」
「ああ、書類を整理している間に気づかなかったか?たまに終わった書類とともにそれについて重要なことだけが欠かれた紙に、だ」
「!!まさか.....」
「そのまさかだ。それらはすべてレイがやった」

 宰相閣下は苦笑する。今日は見たこともない宰相閣下の雰囲気や表情を見るな。

 .................てっ!レイがすべてやった!!??

「ちがうよ。私は皆が書類をまとめやすいようにしただけだよ。最終的に終わらせたのはこの人たちだもん」

 最初の堅苦しい挨拶ではなく、くだけた口調で宰相閣下に話しかけている。それほど身分が高いのか?

 じゃなくて!!レイが手伝ったから、終わったと!?マジで?本気で?先輩、後輩達も皆驚いているけど.....マジで?

「そうか。皆の者。今日の仕事は終わりだ。今日が勤務だった者は残っておけ。ほかの者は帰って良い」

 今日の勤務の者。そう実は今日は日曜。休みの日なのだ。今まで仕事が多すぎて、休もうとしたら、必ず誰かが来て、引きずり出され、書類を手伝わされる。俺も今日は非番だった。

 帰って良い..........帰れるのはレイのおかげ......ということか。

 .......飴いるかな?

 ポケットの中に入れていた糖分補給用の飴を手の中で転がした。

 ×  ×  ×

 私がここの書類の処理をし始めて、3時間が経とうとしていた。ここにある書類はアルノ父様の部屋にあった書類より断然簡単だった。量はちょっとおおかったけど。

 そう考えるとアルノ父様がしていた書類はかなり難しいのと考えるべきだ。マジでヤバいな。

 っと、そろそろ終わるな。

 そう思ったときに、次々と職員達が立ち上がり、泣いたり、唖然したり、殴ってくれと言ったりする者達が現れた。終わってない職員は他の職員が変な行動をしていることに気づいていない。

 え?なにやってんの?気が狂った?アルノ父様呼んだ方が良いかな?でも....まだ寝てるかな?

 そう思ってたら、ちょうどアルノ父様が部屋から出てきた。騒がしくなったから起きちゃったのかな?

「ほかの職員もそうだが、よくやったな。

 そういって頭をなでてくれた。やっぱり私はなでてもらうのが好きみたいだ。というかちゃんと私だけじゃなくて、ほかの人もほめている所はすごく嫌みがしない。

 その後何回か職員と話してから、いざ屋敷へ帰らん!となぜかハイテンションで部屋を後にしようとした。

「レイ」

 その時、文官Dさんが話しかけてきた。かなり疲れている風に見える人だ。なぜか知らないけど、この人だけ名前じゃなくて、文官Dって呼んでほしいって言われた。

「これ、いるか?」

 これは!飴ちゃん!

 この世界ではなかなか手に入らない高級なお菓子!!飴!しかもブドウ味!

「いいの!やった!」
「そうか。よかった。仕事片付けてくれてありがとな」

 やった!いつも仕事ないときは飴をいつもなめてたから、今までずっと懐かしいって思ってたんだ!!

 思わぬプレゼントにルンルン気分で屋敷に戻った。ここに飴があるって知らなかったんだよ!アレスに行くときに探してみよっと。
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