私はモブのはず

シュミー

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ちょっと大雑把かも。時間ある時に修正します。
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「どうして体が軽くなったのですか?」
「そう言えばいっておったの」

 これは...説明するべきか...勝手に効果というかスキル上げちゃったな。光華が付けた奴はかすり傷ていどが回復する奴。だけどそれと同時に寿命がのびた。多分傷を何も追わなければ200歳以上生きられる。傷を受けたら別だけど。

「リナ」
「う......それは」

 アルノ父様の威圧が!!!!

「光華がやりました」

 ビシッと浮いている光華を指差す。尊い犠牲だ!許してくれよ(棒)

『リナ!?』
「光華が本人の許可無しにかすり傷なら治るようなスキルあげちゃいました」
『リナだってお礼といって、この人の成長限界を上げてたじゃない!!』
「それはお礼だもん!!しかもリミッターを上げたって言っても努力しなければそこにはたどり着くことは出来ないし!!」

 私たちはぎゃあぎゃあと言い合う。もし光華が姿を見えるようにしていなければ、虚空に話しかけている残念な人になっていただろう。

「リナ様....」
「あ...…えっと……その、すいませんでした」
「ありがとうございます!」
「へ?」

 予想外......いや、多分光華が上げた物は簡単お手軽でてにはいった強いスキルか、加護だろう。けどなぁ....私だったら今までがんばってきたのは何だったのか、と言いたくなる気がするんだ。

「私は今、伸びに悩んでいたんです。ありがとうございます!!これでさらに強くなれます!!」
「あいかわらず向上心たかいのぉ」
「リナ。こいつは強くなれればそれでいい奴だ。仲間を大切にはしてるがな」
「まぁ大体はわかたかの。このことはサヴァンの奴は知ってるのか?」
「しらない」
「そうか。だいじょうぶじゃ。お前を利用したりはせんから」
「ありがとうございます」

 普通なら軍事や政略結婚とか国の道具にして使うはずだけど......神様が言ってた私に都合のいい場所。本当にいごごちがよすぎるな。私には本当に。それにしてもフォスフ騎士が許してくれて助かった。

「で、なにがいい?」
「え?なにが?」

 いきなりフォスフ騎士から私に目線をかえた。本当にエルじぃはいきなりだな。前置きがほしい。それから主語。

「おぬしがこの不正を見つけたのじゃろ?褒美を与えるのも王の仕事じゃ」

 褒美...そう言えばなんで王様直々にこの事件に関わってるんだ?普通ほかの家臣とかに対処させないか?

「何でもいいぞ。お金でも、王子と結婚でも」
「それはお前の願望だろ」
「素が出てるぞ」
「おっと」

 どうやらアルノ父様とエルじぃは仲良いようだ。けど、まあ、結婚とかさせたいのはまあ、あるんだな。強制じゃないだけでもありがたいけどね。

「では、アルノ父様の仕事を手伝いたいです。勿論フィーネ様の方はやめません」
「.....なぜじゃ?」
「今日のことが楽しかったのです。アルノ父様の書類を片付けるのが!」
「皆いやがることを?」
「うん!!」
「.....ははははは!」
「リナ.....」

 いや、なんで笑われる?本当に楽しかったのもあるけど、情報を集めるのもある。だって国の仕事、統治のしかた地球とは違うに決まってるじゃん!やり方がかなり面白い。こっちの人には楽しくないそうだけど。いわいる異世界人にとっては地球の仕事が不思議いっぱいで面白いって感じだ。言うなら図鑑?を見てる感じじゃないのかな?それか物語。

「いいじゃろう!アルノドの補佐でもやるがよい」
「やった!!アルノ父様!よろしくです!」
「.....ああ」

 アルノ父様は苦笑して、私の頭をなでてくれた。知らなかったけど私ってちょっと、いや、かなり頭をなでてもらうのが好きらしい。なんか落ち着く。体が変わったからなのか、前からなのか....

「でも、その時仮面付けても良いですか?」
「仮面?」
「うん。だってフィーネ様の侍女も続けるから、顔が....」
「そう言うことか。別に良いぞ。手配しておこうか」
「大丈夫。光華からもらう」

 私は光華に手を差し出すと、その上に、白くて、口の部分が細い赤で書かれていて、左の目のところは赤い血の涙を書かれている仮面を置いた。シンプルだよ?本当に真っ平らな白い仮面に目の穴あけて、赤い奴で細長い笑みと左に涙を模様した線を書いただからね。わかりにくいと思ったから、二回説明したよ!

 因に光華がつくったんじゃなくて、私の魔力で作った。私が暗殺者時代だった頃は二種類の仮面を使ってて、その中の一つだ。

「どうですか?」

 私はそれを付けて、アルノ父様に聞いてみる。

「シンプルで良いと思うが、少しだけ不気味だな」
「まあ、多分精霊王様が作ったんじゃし、加護でもついてるんじゃないか?」
「そうだなそろそろフィーネの勉強の時間だ。戻るか」
「うん。じゃあね。フォスフ騎士もまたね!」
「ありがとうございました」

 二人に手を振って、部屋を後にした。やっぱり光華に渡してもらって正解だ。

 ×  ×  ×

「フィーネ様。これはグリフォンという魔物です。ランクはAA。魔物の中でも、誇り高く、プライドが高い魔物で、あるところでは聖獣として扱われているのです」
「へー。見てみたいな!!」
「見てみたいのですか?」
「うん!だって誇り高いって、かっこいいじゃない!それに空気を踏みしめて飛ぶのでしょう?のってみたい、のってみたい!」
「わかりました。けど、あとででございます。次は....」

 私は今フィーネ様に魔獣や魔物、聖獣などを教えている。いつも午後だけ私が教えているのだ。だって午前は休んでるからね。私が教え始めてから成績良いから午後だけでも良いって言ってたからね。さすが、神様がくれたスキルだけあるよ。

「今日はここまでにしましょう。そういえばこれからは午前は私、あまり射ないので、用事が出来ればアンナさんにいってください」
「え....会えないの?」
「いいえ。ただ午前居ないだけですから、授業は続けますよ?」
「そっか!ならいいや」
「私は少しアルノ父様にの所に言って参ります」

 ×  ×  ×

「アルノ父様。リナです。入ってもよろしいでしょうか?」

 私はフィーネ様の授業が終わってから、アルノ父様の執務室に向かった。ちょこっと離すことがあるのだ。

「入れ」
「失礼します」
「何か用か?」
「エルじぃにお願いしたことについてなんですが」
「ああ、わかった。座ってくれ。すぐにはなす」

 椅子から立ち上がって、お茶を用意し始めるアルノ父様。さすが、お茶を入れてるところすごい絵になる。

「そういえばアルノ父様」
「なんだ?」
「なんでお茶を入れられるの?しかもそんなにおいしく」
「そうだな....昔、妻、フィーネの母が私によくお茶を要求してな、それでうまくなったんだ」
「フィーネ様の母親....」

 フィーネ様の母親は乙女ゲームでもあまり出てこなくて、隣国の美姫と呼ばれていたとしか出てこない。恋愛結婚らしい。フィーネがわがままになったきっかけでも何でもない。でも美姫って言われてる具合だから少し見てみたかったかも。

 因にフィーネ様の母親はフィーネを産んで死んだのではなくて、産んでから一年ぐらい生きてたらしいけど、なぜか衰弱していって死んだらしい。その前はすごく元気だったらしい。食べ物にも毒物とかなかったらしい。ただ体に変な痣があった.....らしい。

 らしい、らしい、とうるさくてごめんなさい。だって全部聞いた話だもの。

「それで、まず、一週間お試し期間をもうけた」
「お試し...?」
「ああ。お前がいくら優秀だとはいえ、王宮の仕事だ、少しづつならしていって、もしだめそうならやめてもいいということになった」
「なるほど。わかった。ちゃんと仮面もつけておくね!」
「ああ」

 結構昔使っていた物には愛着があるのだ。まあ、同じデザインなだけだけどね。けど二つとも.....割れちゃったしね。

「あ、そうだ。アルノ父様。そのお試し期間がたったら一週間半ほど休みをくれませんか?」
「休みか?」
「少し《アスル》に買い物に行きたいの」
「アスル...確かガラス細工が有名な...」
「うん。そこでアルスが出来たことを祝う祭りがあるらしいから、いってみたいの」
「なるほど....いいだろう。だが、一人でか?」
「そうだよ。一人で出かけたことがないとおもって」
「なるほど。わかった。一応サヴァンにも教えておく」
「おねがいします」

 一区切りついて、私はアルノ父様が入れてくれた紅茶を飲む。うん。おいしい。

「それで、お試しのことだが、明日から来てもらうことになった」
「あした?」
「ああ。少し早いが、午前はやることがなくて、ほかの使用人の手伝いをしているのだろう?午後はフィーネの勉強があるから、教えていると聞いているが」
「午前ではたまにまかないを作ってるけど」
「なに!?次は私にも作ってくれ」
「あ、うん」
「それでは明日に備えて今日はもう休みなさい」
「はい」

 私は紅茶を全部飲み干してから、自分の部屋に戻った。

「あ~~~。出かけるときはもう一つの仮面で行かないとね。なんか後から護衛を付けられそう...」

 とつぶやいた。
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