私はモブのはず

シュミー

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18逃げられない

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すいません。少し遅れました。ちょっと乱文かもしれません
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「灰瀬!翡翠!」

 私は叫んだ。それにあわせて、灰瀬と翡翠はほかの人に見えるようにしてくれた。iそういえばこんな風に呼ぶのは初めてかもしれない。

「な!こ、この者達は...」
「無の精霊王と風の精霊王。私の契約精霊だよ」
「契約精霊?精霊王が?」
「うん。ここにくる前に言い逃れでもしそうだったか調べたの。灰瀬は盗聴の魔法を使ってもらって、翡翠にはその魔法を運んでもらったの」

 灰瀬は、盗聴の魔法が使える。翡翠でも盗み聞きは出来るけど、その場にいないといけない。盗聴は遠くからでも聞こえて、録音も出来る。ただ、設置するときだけ、その場にいないといけないから運ぶのは翡翠に頼んだ。いや、本当にギリギリだった。アルノ父様がこの横領に気づいた時にすぐ送ったんだけど、私はまだサヴァ父様の屋敷と図書館と森とアルノ父様の屋敷とここしか知らないから探すのに時間がかかった。

 盗聴を仕掛けるのは全然嫌悪感なんてなかったな。盗聴するのは暗殺者のたしなみだしね!それにここに産まれてから今回初めてこういうことしたな。昔は結構幼い頃からやらされてたな。

「録音もしてる」

 私は手のひらに灰色の球体を浮かび上がらせ、再生と書かれたボタンを押す。なんかモダンな感じの奴だ。

『なんだと!陛下が!もしやぁ、ばれたのでわ....そうだぁ、あいつに着せれば良いぃ。平民だしぃ。よし。お前、精神魔法ぉを皆にかけておけぇ』

 というリキーナンの声が流れた。因に画像もとっているが、あまり見たくない。だってちょうど娼婦を部屋に呼んでいちゃこらやってたときだし。気持ち悪い。多分懐に入れていた金で買ったんだろう。

「この魔法は盗聴した声や音を録画、後で聞けるようにする魔法です。精霊王直伝なので、偽りは無いです!」
「嘘です!そんな小娘の言うことぉ!」
「騎士達よ。捉えよ。それと医者を呼べ」

 すぐさま壁に控えていた5人の騎士達が動き、リキーナンを押さえる。因に騎士にかけられて精神魔法だけは意識が飛ばないようにしていた。というかさっきまであぜんとしてたけどね。というかエルじぃ冷静。

「はなせ!」

 医者もすぐに来て、イーノと倒れた人たちを連れて行く。結構人数多かったな。来た医者4人ぐらい来てたな。

「私の契約精霊が精霊王様方と言っていた。偽りではない。罪のないものに罪を着せようとしたこと、万死に値する!」

 ひゅ~かっこいい~。

「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!私がぁ、やった訳ではありませえん!!」
「うるさい!部下にまで精神魔法をかけておいて何のつもり!灰瀬!!全員の精神魔法を解いて!それと捕まってる下級の精霊の契約も!」
『了解』

 同じ属性の方が、こういうのは切りやすい。ましてや下級と精霊王では格が違いすぎて、翡翠でも無効にするのは容易いけどね。

 灰瀬は、手を横に払った。そしたら、皆糸が切れたみたいに倒れた。説明が雑でごめんなさいな。

『今回は人が多かったから、少し強引に切った』
「わかった」
「これが精霊王の力.....」
「クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソくそぉぉぉ!!!」
「潔く罪を認めれば死だけですんだのに。ひとに罪を着せようとするからこうなるの」
「おまえぇぇぇえ!おまえがいなければぁあぁ!」

 リキーナンは押さえている騎士二人を押しのけて、懐からナイフを出してこちらに向かってくる。逆恨みも大概にしてほしい。それにしても騎士を押しのけるなんて…火事場の馬鹿力か。って、え?結構近.....

「グッ!!」

 そのナイフが私の頭めがけて飛んでくる。すると、影がかかった。そして、男のうめき声とともに、生暖かいなにかが頬に少しついた。その影を見ると、さっきエルじぃの隣にいた騎士。

「え....」
「フォスフ!!」

 エルじぃは私をおろして、肩を押さえている騎士に近づく。フォスフと言うのはこの騎士のことだろう。リキーナンは再び騎士によって押さえかまれる。今度は厳重に3人がかりで。

「すぐに地下牢へ連れて行け!」

 アルノ父様が叫ぶ。その顔には怒気が含まれている。

 フォスフと呼ばれた騎士は赤い液体をしたたらせている肩を押さえている。その表情は歪んでいる。

 私をかばった?なぜ?私が油断しすぎて警戒態勢をとってなかったせい。けど必死でなければ、頭が冷静であれば、タイムラグもあまり無く、魔力の障壁をはれた。私の障壁はそんなナイフごときで傷つけることは出来ない。出来るはずも無い。知らないとはいえ、けどなんで初対面の人をかばう?もし傷がついたとしても、かすり傷しか着かないというのに。

『リナ!怪我は無いか?』
『主!』

 視界の端に翡翠と灰瀬が見える。けど私はフォスフ騎士から目を離すことが出来ない。

 わからない。。ずっとわからない。なぜ他人を庇う?

「フォスフ!!しっかりせんか!!おい!誰か!回復魔法を使える者を!!」
「は、はい!!」

 その場に残っていた騎士はいそいで部屋を出る。

「もうし、わけ、ありません。致命傷をさけ、ましたが、おそらく、神経に達してしまった、と思われます」
「なんだと!!それでは!」

 とぎれとぎれな言葉をつむいでいる。神経の回復魔法。それはこの世界でレアと言われている光属性を持っていないといけない。もしくは光の精霊。しかも中級以上でないと使えない。私は《超回復》のスキルがあるから、回復魔法をあまり使えない。今練習中と言っても良いだろう。

「リナ!精霊王様に頼んで治すことは出来ないか!?」

 アルノ父様は私に叫ぶ。二人の様子からしてフォスフ騎士は昔から知り合いなのだろう。けどそれは二人が光の精霊じゃないからだ。

「出来ません」
「な、そ、うか」

 落胆したようにエルじぃは肩を落とす。

「灰瀬と翡翠では。けど、光華なら!!」

 ちょっとどや顔。私は助けてくれた人の未来を見捨てるほど腐ってはいないわ!!

 私は虚空に向かって、呼びかける。本当は念話でも通じるんだけど、なんか叫んでおいて無口になるってなんか変じゃん。

「光華!!」
『はいはいー。お呼びですか?』
「今すぐこの人の傷直して!!」

 私は目の前に光に包まれて現れた光華に頼む。頼みっていうか命令って感じだけど。ちょっと登場の仕方演技かかってる気がする。

『了解。魔力もらうね!』

 すっとなにかが少し抜けていく感覚があった。初めてだな。魔力が減る感覚。まぁすぐに回復するだろうけど。だいたい7万ちょっと持ってかれたかな?因に平均は成人した人は5~6万ほどもってる。魔術師は10万。この世界で一番魔力持ってる人は300万だそう。そう考えるとかなり消費魔力は少なく見えるけど、この魔法は属性と技術が大事なのだ。

 今使う回復魔法はすごい技術力と知識を使う。だって神経とかの仕組み知っておかないといけないからね。想像だし、魔法発動する条件。

『回復魔法、発動』

 光華は傷に手をかざし、そう唱える。精霊王は言霊、詠唱を言わなくてもいいけど、魔法名を言うだけでも威力が少し上がるんだって。

 光華の手から、薄緑の光が傷を包むと、みるみるうちに傷が塞いでいく。これで剣を握るのは問題ないだろう。お礼に体のリミッターを少しだけ外しておくように念話で光華に伝えておいたから、この人の身体能力は上がるだろう。因に魔法は元々精霊の物だから、どんな物かわかんなくても発動できる。たとえたとえば酸素の仕組みがわからなくても、海中や、酸素の無いところで酸素を生み出せるんだ。

『できたわよ。けど一応のために1日は安静でいた方がいいと思うわ』
「うん。ありがとう」
『なに言ってんの!私に初めて頼んで来たのよ?張り切っちゃった。少しのかすり傷ならすぐ治るようにも加護あげちゃったし♪』
「え?」
『直してる間に翡翠がなにが起こったか頭にさっきの映像ぶち込んで来たから把握してるのよ。大事な大事な主人をまもってくれたんだもの。奮発しちゃった。けどいきなり記憶を送り込まれたのは痛かったな』
「………」
『うわーすごいめんどくさそうな目……』

 やってしまった…ああ~本人の了承も得ずに……まぁ?たしかにお礼はしようと思ったけど…。お礼はリミッターだけにしようと思ったんだけど!さすがに自然治癒を上げるのは....バランス崩れる。

「フォスフ!」
「傷は大丈夫か?」
「陛下?アルノド宰相……」

 エルじぃとアルノ父様は起き上がったフォスフ騎士に近づいていき、肩の傷を確かめる。顔は先程のように歪んではいなく、驚愕とでかでかと書いてあるみたいな感じだった。

「傷がない…」
「腕も問題なく動きます…いや、前より体が軽い?」

 うっ、もう気がついたのか…さすがエルじぃの護衛。かなりの実力者なのだろう。体の変化に気づくのが早いわ~。エルじぃもアルノ父様も今フォスフ騎士に夢中だし…今のうちに逃げよ…

 私はスキルの気配遮断を発動させようとする。

「そうか、よかった……で、リナ」

 ビクゥゥゥ!!

「な、なんでしょう!」

 一瞬遅かった!

「あとで説明しろ」
「………」
「リナ?」
「……はい」

 断れない....なんで私の周りには怒らせると怖い人がいっぱいいるの?

 ×  ×  ×

「で、なんでリナが精霊王様、しかも3精霊と契約している?」

 私は今1人用のソファーに座らせられて、前にはエルじぃとアルノ父様、そしてさっき傷を治したフォスフ騎士とやら。フォスフ騎士だけは立っている。

「大丈夫じゃ、利用などせんよ。サヴァンにも脅されているし、それと後ろにいる精霊王様方の威圧がすごいからの。少しばかり抑えてはくれないか?」
「灰瀬、翡翠、光華」
『だが…』
「優しいって知ってるでしょ?それにエルじぃと契約してる精霊が可愛そう」

 エルじぃと契約している精霊は超級精霊。最高位の一個下だ。その精霊が精霊王の威圧を浴びて平気でいられるわけがない。もうガクブルで顔がすごいことになってる。

『すまんな』
「フゥ…こっちにおいで。お礼に魔力あげるよ」

 泣いていた精霊はふよふよと力なく私に寄って来た。ちなみに下級は光の球体。中級は動物。上級は羽が生えた小人。最上級は子供。精霊王は自由自在に姿を変えられる。エルじぃと契約してたのは超級精霊だから、私と同じぐらいの子供。一番ポピュラーな姿だ。

「君も」

 私は部屋の端っこに射た灰色の光の球体に呼びかける。そうするとふよふよと近づいてくる。

「これを吸収して」

 私は自分の髪を二本切って、一本ずつ渡す。そうすると、その髪は吸収されるように消えた。

『おいしいです。ありがとうございます。姫』

 エルじぃの精霊は笑顔で言う。もう泣き止んだか。って何この光!隣からすごい光が発せられ、つい目を閉じる。閉じる寸前に見えたのはエルじぃとアルノ父様を守るように前に出てきたフォスフ騎士の姿。騎士だ。そう思ったね。忠誠心すごいわ!!

 光が収まってきて、目を開けると目の前には小さい灰色の髪の子供の姿が。

『姫.....ありがとうございます。貴方がくれた魔力のおかげで最高位精霊と相成ることが出来ました』
「どういうこと?」
『おそらく間違って2本上げてしまったのではないか?』
『ああ~ありうる』
『だまに主ってドジだから....』
「え?」

 無の精霊は私の魔力をもらって、ランクが上がったらしい。私は皆とそのことについてアルノ父様達を忘れて離していた。そう忘れて。

「リナ?これも、どういうことか教えてもらえるよな?」
「ひ!!あ....はい」

 私の顔は恐ろしく引きつっているだろう。今は説明中だったんだ。

「一気に聞いてもしょうがないじゃろ?まずは精霊王様方のことを」
「うん。昔私が3歳ぐらいの頃に光華達が来て、契約してくれって言われた」

 簡潔に50文字以内で答えた。まだ黒蓮とかのことは教えない方が良いと思う。

「それだけか?」
「本当ですかな?」
『ああ。俺たちから頼んだんだ』
「なぜリナを契約者に?」
『それはさっきの現象の答えにもなる』
『リナは魔力がものすごく多いのよ』
『それも最高位精霊に届くほどな』

 魔力は無限だが、ここは最高位精霊までと言っておいた方が良いだろう。

「それで、私の髪に魔力がかなりたまってるんだって。だからそれの魔力を吸収したからこの子は位が一気に飛んで、こうなったんだ」
「なるほど」
「サヴァの娘じゃ。それで加護は何をもってるんじゃ?」
「魔力の神様」
「魔力?聞いたこと無いぞ?」
『当たり前だ。なかなか加護を与えないお方だからな』
『そのせいでこんなに大きいのよ。今はこの子供の体に収まるように私たちが調整してるの』

 これは本当だ。わたし一人では制御しきるのはかなり難しいだろう。いっぱいの加護の中にいたんだ。

「申し訳ありません。発言を」

 ずっと黙って聞いていたフォスフ騎士が横から声をかける。

「それでは私の体が軽くなったのはどうしてでしょうか?」

 .......わすれててほしかった............
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