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わたしを倒す旅の二歩。
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わたしたちは王都を出発し、ゆっくり移動を開始した。
相変わらず、というかむしろ前よりもユウシャが睨んでくるようになった。
やっぱ、あいつ嫌い。
遠足はとっても楽しい。
騎士や魔法使いやタイチョーがわたしに色んな話を聞かせてくれるんだ。
人間領のことは基本は知ってるけど、あんまり知識がないから、いっぱい知れて楽しいの。
森の中を移動中の今、横が崖だから気をつけるよう言われた。こんなの落ちたってなんてことないのに。人間はダメなのかな?
移動中のお喋りとして、騎士が食べれる木の実について教えてくれている。
人間の食べ物は美味しくないって分かったから食べたくないの。だから、ちょっと聞き流している。
「赤い実は甘くて美味しいんだけど、少しでも青いとマズ――」
話の途中で急に騎士が険しい表情になって周囲を見渡す。
え、なに?
「急になんの臭いだ、これ」
「くっさ……腐敗臭?」
臭い、の?わたしは何も感じない。
わたしの嗅覚はすごく鈍いからね。
だってわたしはラダヒー。花だもん。
花は咲き誇り匂いを放つものであって、匂いを吸収するものではない。
触覚以外の五感はもともとすごく鈍かったの。触覚は花にもあるから問題ないけど。
聴覚(会話するようになったから)と、視覚(見えると便利だからね)はそれなりに使えるようになった。
けど嗅覚ってあんま使わないし、味覚に関しては人間領に来て初めて使った。
だから周りが言う臭いがわたしには分からないの。
「魔物だ!囲まれてるぞ!」
ユウシャが剣を構えて叫ぶ。
木に隠れていた魔物が続々と姿を現し始める。
狸の魔物の群れだけど、どの狸も体が腐っている。
全然可愛くないの。
足が腐り中から骨がのぞいているもの、体の半分の肉が腐り崩れているもの、様々いる。
「腐狸かっ!」
タイチョーが苦々しげに言うのを合図に、ユウシャ以外も武器を構え戦闘態勢に入った。
いいね、いいね、楽しそうな雰囲気だね。
「ラヒーは危ないから、俺から離れないで」
騎士がわたしと腐狸の間に入りながら、狸から片時も目を離さず鋭く睨み牽制してる。
騎士、ジャマ!せっかくの遊びなのに。
「どいてよ」
「この数の魔物相手に魔法使いが無防備でいたら敵わないだろう。君は子供なんだから攻撃されたら死んでしまう!」
狸が一斉に動きだし、こちらに攻撃をしかけてきたの。それを剣で騎士が斬って、狸たちに傷を与えてゆく。
わー、ズルイ!独り占め!わたしも遊びたいのに。
騎士の背後から、横に飛び出る。
これで視界が開けた。
「風の刃よ、切り刻め」
狸をスライスにしていく。
やっぱり魔法なんかじゃ効率が悪くて嫌になるけど、こういうゲームなんだと思えば少しは楽しく思えるね。
戦いは退屈しないから好き。手応えがあるとすごく楽しいよね。
残念ながら、この狸は雑魚すぎて楽しくないけど。
と、騎士がわたしの方に飛んできた。
わー、避けれない。後ろ崖だから。
なんで騎士が、何が起きてたのか、ってことは視界の隅でちゃんと確認してたから慌てないけどね。
わたしが飛び出したことに驚いた騎士は、体勢を無理やり変えわたしの前に出ようとしたの。
けど、それは戦闘においては致命的な隙になる。隙を見せるなんて騎士はおバカさんだね。
腐狸たちはそれを見逃さず騎士に体当たりし、騎士はわたしの方に来てわたしごと崖にダイブ。
浮遊感を感じ、気分も高揚する。落下、楽しいよね。一時期ハマってたの。
あれ、けど、わたしは大丈夫だけど、人間は崖から落ちたらどうなるんだろう?
騎士とわたしと共に十匹ほどの腐狸も落ちてきたみたい。
わたしのことを空中で抱きかかえてきた騎士の腕から抜け出して、狸たちと対峙する。
腐狸たちも腐っている部分の肉が地面に削ぎ落ちていたりするけど、なんでもないようにこちらに威嚇をしてくる。
けど、騎士だけは立ち上がることが出来ないみたい。
ただ落ちただけなのに、脆いね。
「ラヒー、危険だ!」
落ちた状態のまま立とうともがく弱い生き物が何か言っているけど、知ーらない。
さっきわたしの邪魔したこと、根に持ってるんだからね。
「風よ」
一言呟けば、崖の上の時と同じように狸のスライスが生産されていく。
腐狸に攻撃の時間すら与えず、腐った肉がバラバラになった死体が完成。
「おしまい」
振り返れば騎士が驚いたように目を見開いて、それから恐い顔をしたの。
「あれだけの数を一瞬で倒せるのか。だからなんだね。納得したよ」
独り言のように小声で呟いた後で、騎士はうつ伏せから体を起こして座る体勢に直った。
わたしは騎士の正面に立つ。
「ラヒー、ありがとう。魔物を倒してくれたこと、感謝するよ。俺は足を怪我して倒せなかったからね」
堅い表情をして、騎士はわたしの手を取って自分の手で包み込んだ。
なんで騎士は感謝してるのかな?
わたしはただ遊んでいただけなのに。
騎士が怪我したことがわたしに何の関係があるの?
真面目な顔で騎士はわたしの目を見る。
「ラヒー、君は強い。でもだからこそ死に急いでいるように見える」
「わたしは死なないよ」
なんかこれユウシャにも言った気がする。
「それは分からないだろう。君のような12、3歳くらいの子供が戦いに魅せられ望むことは異常だ。
天才と言われるほどの魔法を身につけ、生きて帰れるかも分からない魔王討伐の旅に参加して、魔物に自ら進んで戦いに行く。
ねえ、ラヒー。君は何がしたいんだい?
そうまでして、未来に何を望むんだい?」
「ミライ?」
望むこと、したいこと。
美味しいものと、楽しいこと。
それは今の話で、わたしはいつでも今のためだけに生きている。
ミライだなんて、
わたしは知らない。
相変わらず、というかむしろ前よりもユウシャが睨んでくるようになった。
やっぱ、あいつ嫌い。
遠足はとっても楽しい。
騎士や魔法使いやタイチョーがわたしに色んな話を聞かせてくれるんだ。
人間領のことは基本は知ってるけど、あんまり知識がないから、いっぱい知れて楽しいの。
森の中を移動中の今、横が崖だから気をつけるよう言われた。こんなの落ちたってなんてことないのに。人間はダメなのかな?
移動中のお喋りとして、騎士が食べれる木の実について教えてくれている。
人間の食べ物は美味しくないって分かったから食べたくないの。だから、ちょっと聞き流している。
「赤い実は甘くて美味しいんだけど、少しでも青いとマズ――」
話の途中で急に騎士が険しい表情になって周囲を見渡す。
え、なに?
「急になんの臭いだ、これ」
「くっさ……腐敗臭?」
臭い、の?わたしは何も感じない。
わたしの嗅覚はすごく鈍いからね。
だってわたしはラダヒー。花だもん。
花は咲き誇り匂いを放つものであって、匂いを吸収するものではない。
触覚以外の五感はもともとすごく鈍かったの。触覚は花にもあるから問題ないけど。
聴覚(会話するようになったから)と、視覚(見えると便利だからね)はそれなりに使えるようになった。
けど嗅覚ってあんま使わないし、味覚に関しては人間領に来て初めて使った。
だから周りが言う臭いがわたしには分からないの。
「魔物だ!囲まれてるぞ!」
ユウシャが剣を構えて叫ぶ。
木に隠れていた魔物が続々と姿を現し始める。
狸の魔物の群れだけど、どの狸も体が腐っている。
全然可愛くないの。
足が腐り中から骨がのぞいているもの、体の半分の肉が腐り崩れているもの、様々いる。
「腐狸かっ!」
タイチョーが苦々しげに言うのを合図に、ユウシャ以外も武器を構え戦闘態勢に入った。
いいね、いいね、楽しそうな雰囲気だね。
「ラヒーは危ないから、俺から離れないで」
騎士がわたしと腐狸の間に入りながら、狸から片時も目を離さず鋭く睨み牽制してる。
騎士、ジャマ!せっかくの遊びなのに。
「どいてよ」
「この数の魔物相手に魔法使いが無防備でいたら敵わないだろう。君は子供なんだから攻撃されたら死んでしまう!」
狸が一斉に動きだし、こちらに攻撃をしかけてきたの。それを剣で騎士が斬って、狸たちに傷を与えてゆく。
わー、ズルイ!独り占め!わたしも遊びたいのに。
騎士の背後から、横に飛び出る。
これで視界が開けた。
「風の刃よ、切り刻め」
狸をスライスにしていく。
やっぱり魔法なんかじゃ効率が悪くて嫌になるけど、こういうゲームなんだと思えば少しは楽しく思えるね。
戦いは退屈しないから好き。手応えがあるとすごく楽しいよね。
残念ながら、この狸は雑魚すぎて楽しくないけど。
と、騎士がわたしの方に飛んできた。
わー、避けれない。後ろ崖だから。
なんで騎士が、何が起きてたのか、ってことは視界の隅でちゃんと確認してたから慌てないけどね。
わたしが飛び出したことに驚いた騎士は、体勢を無理やり変えわたしの前に出ようとしたの。
けど、それは戦闘においては致命的な隙になる。隙を見せるなんて騎士はおバカさんだね。
腐狸たちはそれを見逃さず騎士に体当たりし、騎士はわたしの方に来てわたしごと崖にダイブ。
浮遊感を感じ、気分も高揚する。落下、楽しいよね。一時期ハマってたの。
あれ、けど、わたしは大丈夫だけど、人間は崖から落ちたらどうなるんだろう?
騎士とわたしと共に十匹ほどの腐狸も落ちてきたみたい。
わたしのことを空中で抱きかかえてきた騎士の腕から抜け出して、狸たちと対峙する。
腐狸たちも腐っている部分の肉が地面に削ぎ落ちていたりするけど、なんでもないようにこちらに威嚇をしてくる。
けど、騎士だけは立ち上がることが出来ないみたい。
ただ落ちただけなのに、脆いね。
「ラヒー、危険だ!」
落ちた状態のまま立とうともがく弱い生き物が何か言っているけど、知ーらない。
さっきわたしの邪魔したこと、根に持ってるんだからね。
「風よ」
一言呟けば、崖の上の時と同じように狸のスライスが生産されていく。
腐狸に攻撃の時間すら与えず、腐った肉がバラバラになった死体が完成。
「おしまい」
振り返れば騎士が驚いたように目を見開いて、それから恐い顔をしたの。
「あれだけの数を一瞬で倒せるのか。だからなんだね。納得したよ」
独り言のように小声で呟いた後で、騎士はうつ伏せから体を起こして座る体勢に直った。
わたしは騎士の正面に立つ。
「ラヒー、ありがとう。魔物を倒してくれたこと、感謝するよ。俺は足を怪我して倒せなかったからね」
堅い表情をして、騎士はわたしの手を取って自分の手で包み込んだ。
なんで騎士は感謝してるのかな?
わたしはただ遊んでいただけなのに。
騎士が怪我したことがわたしに何の関係があるの?
真面目な顔で騎士はわたしの目を見る。
「ラヒー、君は強い。でもだからこそ死に急いでいるように見える」
「わたしは死なないよ」
なんかこれユウシャにも言った気がする。
「それは分からないだろう。君のような12、3歳くらいの子供が戦いに魅せられ望むことは異常だ。
天才と言われるほどの魔法を身につけ、生きて帰れるかも分からない魔王討伐の旅に参加して、魔物に自ら進んで戦いに行く。
ねえ、ラヒー。君は何がしたいんだい?
そうまでして、未来に何を望むんだい?」
「ミライ?」
望むこと、したいこと。
美味しいものと、楽しいこと。
それは今の話で、わたしはいつでも今のためだけに生きている。
ミライだなんて、
わたしは知らない。
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