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バレンタイン
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バレンタイン小話
《未希と林》
「橋本さん、見てよ。愛咲さんからチョコ貰ったんだ!僕、家族以外から貰ったのなんて人生初だよ」
「美鈴ちゃんからの、チョコ……だと!?寄越せ、それ!」
「ちょ、ちょっとやめてよ、橋本さん。掴みかかって来ないで」
「さっき美鈴ちゃんに会ったのに!私、小テストしか貰えなかった!なんでなのよー」
「僕に聞かないでよ。ていうかテスト貰ったんなら、それ頑張りなよ。この前もほぼ空白だったんでしょ?愛咲んさんが嘆いてたよ」
「ぐはっ……。それを言われると、心が痛い」
《未希と葵》
「未希、コレあげる」
「せ、先輩?!それにコレって?」
「本命チョコだよ」
「ええ?!」
「海外なら男の方から贈り物をする日だしね。俺の気持ちと一緒に受け取ってくれると嬉しいんだけどな」
「そ、そんな、困ります!私まだ返事だって考え中だし、もっと時間が欲しいっていうか……」
「確かに、あの日以来未希はちょっと余所余所しい時があるよね。でもこのチョコ、この前テレビで特集してた店の限定チョコだよ。未希、美味しそうって言ってたよね?」
「え、あのお店の?!」
「数量限定なんだって」
「限定チョコ……」
「店でいくつかチョコを試食させてもらったんだけど、多分この店のチョコは未希好みの味だよ。とても美味しかったし、未希もそう思ってくれると思うんだけどな」
「美味しいチョコッ!」
「貰ってくれるよね?」
「はい、ありがとうございます!いただきます」
「どうぞ。受け取ってくれて俺も嬉しいよ」
《未希と千香》
「昨日作ったやつよ。未希にあげるわ」
「わあ!チョコだね!昨日千香ちゃん、お家で作ってたよね」
「それよ。未希がつまみ食いしたそうに眺めてたチョコね」
「だって、美味しそうだったんだもん。作っている千香ちゃんの姿を見て、すごく気合入ってるなって思ってたんだ」
「昨日は食べさせなかったけど、今日なら食べていいわよ」
「嬉しい。こんなに綺麗にラッピングまでしてくれるなんて、私千香ちゃんに愛されてる!」
「そうね、はいはい」
「照れ隠しに、ちょっと冷たくしちゃう千香ちゃん、萌え……」
「あんまり言うと、取り上げるわよ」
「ご、ごめんなさい、取らないで。千香ちゃんのは一番最後に大切に食べるんだから」
「一番最後……?他にも誰かから貰ったの?」
「葵先輩だよ。限定チョコくれたんだ」
「へえ、兄さんから。……でも未希、最近なんだか押し切られてる気がするから兄さんと距離を置くつもり、ってこの前言ってなかったかしら?」
「ハッ!」
「見事に兄さんに押し切られて、いい様にされてるわね……。先週だってわたしの家のリビングで、わたしが目を離した隙に言いくるめられて未希ったら兄さんの膝の上に乗ってるし」
「そうだった。私、先輩と距離を取って返事を考える時間を作ろうと思ってたのに!物理的にも、精神的にも間をあけて冷静に考えようと思ってたのに。そう決意したはずだったのにー!なにやってるんだ、自分」
「兄さんと未希の関係はどうなるのかしら。とりあえず、兄さんが正式に返事をしてもらえるのはまだ先ね」
《未希と林》
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「美鈴ちゃんからの、チョコ……だと!?寄越せ、それ!」
「ちょ、ちょっとやめてよ、橋本さん。掴みかかって来ないで」
「さっき美鈴ちゃんに会ったのに!私、小テストしか貰えなかった!なんでなのよー」
「僕に聞かないでよ。ていうかテスト貰ったんなら、それ頑張りなよ。この前もほぼ空白だったんでしょ?愛咲んさんが嘆いてたよ」
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「ええ?!」
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「確かに、あの日以来未希はちょっと余所余所しい時があるよね。でもこのチョコ、この前テレビで特集してた店の限定チョコだよ。未希、美味しそうって言ってたよね?」
「え、あのお店の?!」
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「限定チョコ……」
「店でいくつかチョコを試食させてもらったんだけど、多分この店のチョコは未希好みの味だよ。とても美味しかったし、未希もそう思ってくれると思うんだけどな」
「美味しいチョコッ!」
「貰ってくれるよね?」
「はい、ありがとうございます!いただきます」
「どうぞ。受け取ってくれて俺も嬉しいよ」
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「わあ!チョコだね!昨日千香ちゃん、お家で作ってたよね」
「それよ。未希がつまみ食いしたそうに眺めてたチョコね」
「だって、美味しそうだったんだもん。作っている千香ちゃんの姿を見て、すごく気合入ってるなって思ってたんだ」
「昨日は食べさせなかったけど、今日なら食べていいわよ」
「嬉しい。こんなに綺麗にラッピングまでしてくれるなんて、私千香ちゃんに愛されてる!」
「そうね、はいはい」
「照れ隠しに、ちょっと冷たくしちゃう千香ちゃん、萌え……」
「あんまり言うと、取り上げるわよ」
「ご、ごめんなさい、取らないで。千香ちゃんのは一番最後に大切に食べるんだから」
「一番最後……?他にも誰かから貰ったの?」
「葵先輩だよ。限定チョコくれたんだ」
「へえ、兄さんから。……でも未希、最近なんだか押し切られてる気がするから兄さんと距離を置くつもり、ってこの前言ってなかったかしら?」
「ハッ!」
「見事に兄さんに押し切られて、いい様にされてるわね……。先週だってわたしの家のリビングで、わたしが目を離した隙に言いくるめられて未希ったら兄さんの膝の上に乗ってるし」
「そうだった。私、先輩と距離を取って返事を考える時間を作ろうと思ってたのに!物理的にも、精神的にも間をあけて冷静に考えようと思ってたのに。そう決意したはずだったのにー!なにやってるんだ、自分」
「兄さんと未希の関係はどうなるのかしら。とりあえず、兄さんが正式に返事をしてもらえるのはまだ先ね」
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