夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

突然の使い魔契約のあとで3

「普通は、召喚によって予あらかじめ術を仕込んだ方法をとる。　

まず契約対象を召喚して、その場に術で留とどめている間に主と認めさせて真名を言わせるか読み取らないといけない。主と認められないと真名は得られない。

最後に新たな名で縛り、契約後は主従の関係となる。

学院でも学ぶと思うけれど、契約により使い魔となったモノは主に召喚れるまでもともといた場所で過ごしているものなんだ。」


「ああ、ラナ先生の翼竜の　がそうでした！」
実際に呼び出しの召喚とやらを見ましたよ。この目でしかと！

「そうか、なら話は早い。召喚も魔力を消費するが、使い魔が何かすると対価は全て主の魔力となるから魔力消費を抑おさえるために用事や戦闘が済めば魔法陣で普段生息している場に還かえすのが一般的だから…。」

魔力コストを抑えるために呼び出しは最低限、指示する内容によって魔力消費量は変化する、という解釈で合っているなら…。

「今の水稀と私のようにずっと一緒にいることは変わっているというか、普通はしない、ということですか？」

「そういうこと。」


「なるほど、いつまでも一緒にいることは普通じゃないんですね。でも魔法陣とかまだわからないし…。

でも、そっかぁ。できるようになれば、水稀のふるさとに送ってあげられるんですね！良かったね、水稀。できるようになったらふるさとに還かえしてあげれるかもしれないよ。」

“にゃんと！？ありがとうございます。姫ひいさま～。”


「これが私の気になったことだよ。アーヤのは？」


「えーと、夢の中で、迷って帰れなくなっていた時、姿の見えない声の主ぬしが、これをやるから早く立ち去れ、みたいな感じでくれた物があって…。

目覚めてからも手に持ってたので、ただの夢じゃないのかなって思ったんです。
これが何かわからなくて見て欲しかったんです。」

ポケットからハンカチに包んだアレを出した。


「これです。宝石みたいに綺麗ですよね～。コロンとした雫の形でかわいいんです。中に液体入ってるように見えるんですよね。」

日の光に照らされる謎の石は、色自体は透明なのにユラユラとまるでオーロラのような煌きらめきを液体に反射している。


「見せてもらうよ。」


確かに雫と言える形の宝石のようだが、手に持ってまず石が放つこ の独特どくとくの空気感は…身に覚えがあった。