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エスリアール王城 出会い
姉と弟3
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「今日はポニーテールにします。」
「わかりました。私が結びますね~。」
「お願いします。」
「お似合いです。何だか、可愛らしい少年といった感じですね!」
「ええ、本当に。」
「ああ、こんな可愛い弟が欲しいです!」
「リリア、アーヤ様に失礼ですよ。ですが…気持ちはわかります。」
わかるんだ?!
仕上がりを見た二人の反応は微妙に高い。鏡台の鏡で見てみるとチャイナ服を着た私がいるだけ。
可愛い弟……弟……少年……胸……サラシ要らず………くすん。胸に手を当てがくりと肩を落とした。
ションボリした私に気づかずに二人で更に弟について盛り上がっている。気にしないことにしよう。動きやすそうだし、今日からなるべく着慣れていこう。
「私は末の妹なので、年下の姉弟に憧れます。従兄弟も年上ですし。」
「ああ、リリアさんそれ、わかります。私、弟はいるんですが、兄がいなかったので、兄がいたらいいのにと憧れました。」
「確かに、そういった気持ちは誰しもあるかもしれませんね。」
「アネルさんもそう思います?」
「はい。」
「アーヤ様、アーヤ様、ちょっとだけ、私のことを姉と思って呼んでくれませんか?」
「いいですけど…えーとじゃあ…。」
なんて呼ぶ?リリアお姉ちゃんは幼すぎる。
リリア姉?気安すぎるかな。
無難な呼び方で…声は低めに
「…リリア姉さん?」
「はぅ!?」
額に手を当てて妙なポーズでよろよろしているリリアさん。
「リリア姉さん、危ない、大丈夫?」
側に寄って支えると持ち直してからギュッと
抱きついてきた。
「だ、大丈夫です。ああ理想の弟がここに!」
「あの、アーヤ様…私のことも呼んでみて頂けませんか?一度でいいので。あ、無理にとは言いませんので。」
「別にいいですよ?えーと、アネルさんは…。リリア姉さん。ちょっと離してください。」
しっかり者の印象が強いアネルさんは何て呼ぼう?う~ん。
「…アネル姉上?それともアネル姉さまがいいですか?」
にっこりしながら呼んでみる。
「え、あ、その…。あら、どうしましょう。」
アネルさんは予想外に顔を赤くしてしまって両頬を押さえてどうしましょうとオロオロ。
「はい!私も私も!リリア姉さまがいいです!」
「じゃあ、リリア姉さま、アネル姉さまと私で三姉弟ですね。」
「では私が長女でリリアが次女、アーヤ様がその下の弟ですか。」
「ふふ、弟の私はアーヤではなくユーヤとでも名乗りましょうか。」
「ユーヤとはまた、アーヤ様と似た響きですね。どなたかお知り合いの名ですか?」
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「ええ、本当に。」
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「リリア、アーヤ様に失礼ですよ。ですが…気持ちはわかります。」
わかるんだ?!
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「アネルさんもそう思います?」
「はい。」
「アーヤ様、アーヤ様、ちょっとだけ、私のことを姉と思って呼んでくれませんか?」
「いいですけど…えーとじゃあ…。」
なんて呼ぶ?リリアお姉ちゃんは幼すぎる。
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無難な呼び方で…声は低めに
「…リリア姉さん?」
「はぅ!?」
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「リリア姉さん、危ない、大丈夫?」
側に寄って支えると持ち直してからギュッと
抱きついてきた。
「だ、大丈夫です。ああ理想の弟がここに!」
「あの、アーヤ様…私のことも呼んでみて頂けませんか?一度でいいので。あ、無理にとは言いませんので。」
「別にいいですよ?えーと、アネルさんは…。リリア姉さん。ちょっと離してください。」
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にっこりしながら呼んでみる。
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「じゃあ、リリア姉さま、アネル姉さまと私で三姉弟ですね。」
「では私が長女でリリアが次女、アーヤ様がその下の弟ですか。」
「ふふ、弟の私はアーヤではなくユーヤとでも名乗りましょうか。」
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