夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

移り香side＊＊＊綾子3

「う、確かに他人に匂いを嗅がれるのってくすぐったいですね。ごめんなさい、アネルさん。」

「いいえ、アーヤ様なら大丈夫です。ですが、一言ご忠告申し上げます。」

「は、はい。」

リリアさんをくっつけたまま、ピッときおつけの姿勢に正す。

「アーヤ様、先程の香りを探る行為は、私達が相手だったからまだ良かったものの、誰彼構わず軽はずみにすることではありませんからね？
淑女としてあるまじきことです。

それに、異性に対して行った場合、気心知れている相手であっても香りについての話題自体、至近距離での接触や睦合むつみあうことを連想させることになり、誘っていると思われたちまち襲われてしまいますよ。

ですから、異性にはアーヤ様から香りについて話を降ることは絶対にしないでくださいね。絶対にですよ。同性なら恋愛相談もかねて話す位は大丈夫ですが。」

一言…長いアネルお姉様。しかも絶対にを二度言った。

でも私の心配をして言ってくれてる。ありがたいな。お兄ちゃんに対して既すでに似たようなことしてしまったけど、香りのことは言ってないからギリギリセーフかな？

ふぅ～、危ない。危ない。

もし、お兄ちゃんも占いのことを知っていて私がそういった香りのことを言ってしまったとしたら、何だか恐ろしい展開になってたかも。
ガクブル

「わかりました。ありがとうございます。私からは異性に香りの話はしないように気を付けます！」

ビシッと敬礼して宣誓する。

「その方がよろしいと思います。」

「私達とはしましょうね～。」

「リリア、そろそろ本気で怒りますよ？」

「ひっ！ごめんなさい。」

二人に香り占いを教えて貰い、楽しいガールズトークタイムを満喫して私は部屋に戻って就寝前に電話した。