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エスリアール王城 出会い
ファーストダンスは突然に3
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ルヴァニレットはダンスも教養の一つとしてしっかり身に付いており、もしも綾子が踊れなくても、やりながら教えればいいかとファーストダンスの相手は初めから決めていた。
「アーヤ、踊れたんだな。」
「ふふ、踊れるようになったの。」
「踊れなかったのか?」
「うん、お恥ずかしながら。」
「初心者には思えないが。」
「そう?先生の腕が良かったからかな。」
「誰…に教わった?」
「シオンさんだよ。」
「そうか。」
「ルヴィくん、お花こないだありがとう。」
「こんな使い方もあるんだな。」
「おかげで、一回してみたかった花冠ができたの。」
「よかったな。」
以外と途中からは会話もしながら踊ることもできた。曲が終わり、踊った相手同士で礼をし合う。これも練習済みで、マナーとしてできるようにしておいた。
次の曲が演奏され、回りでダンスが始まる。
「この後、誰かと踊るのか?」
「さぁ?私を誘う物好きな相手がいれば踊るかもね。」
「僕は舞踏会はあまり好きじゃないから適当に帰る。」
「そうなの?まあ、王子様としては大変かぁ。うまくドロンしてね。」
「ドロン?」
「ああ、わからないか。えーと、人で言えば、忍者…隠密で隠れるのが得意な人がよく逃げたり隠れたりする時に煙の術を使っていつの間にかいなくなる表現をドロンすると言ったり、するかな?うーん、私だけかも。」
「ふん。」
綾子の例えは、ルヴァニレットが舞踏会から逃げていると指摘されたわけではないが、逃げと思われたことにヘソを曲げたような反応をとってしまった。
「アーヤ。お疲れ様。」
「シオンさん。」
「…エスコート役も来たことだし、僕はこれで失礼する。」
「行っちゃったね。」
「ルヴァニレットと何かあった?」
「ううん。普通に話してただけなんだけど、
ダンスの後は適当に帰るって言うから私がうまくドロンしてねって言っただけ。」
「ドロンの意味知らないから説明しけどそれくらいかな。」
「ふーん。まあ、気にする程のことでもない。それよりアーヤ。」
「はい?」
「次の曲、私と踊って頂けますか?」
「喜んで!」
踊りもまだ、二回目の為、体力的にも余裕がある。
特訓の練習を思えば、自分の体の動きも随分スムーズになったと思う。
「すっかり、ダンスをマスターしたね。」
「そうかな?先生の腕が良かったからかも。」
「ふふ、煽てても何も出ないよ。」
「もう、そんなんじゃないのに。」
「このダンスが終わったらきっと大変だよ。」
「なにが?」
「アーヤを誘う者が押し寄せてくる。」
「そ、そんな押し寄せるなんて…ないよ。」
「あるよ。」
「アーヤはわかっていないな。」
「せーぜー、二、三人位でしょ?」
「それはない。」
「私の予想では、おそらく国王補佐官長辺りが誘いに来て、踊り終わったら一気に来るね。」
「何でそんなにわかるの?」
「体力的にも精々王族は女性なら三、四曲踊ったら疲れて帰るからかな。」
「ルヴィくん、お兄ちゃん、もう一人で三人。続けて踊るなら確かにあと数回で限界かも。」
「だろう?」
「こうして、無事ダンスを楽しいと思えるのも練習のおかげだよ。本当にありがとう。」
「アーヤの努力あってこそだよ。」
「ダンスの誘いは、何か適当に理由をつけて断れるよう考えているから安心して。」
「うん。」
喉が乾いたなと思っていたら、飲み物を持って現れたのは、お兄ちゃんの予想通りなのかレイファンスさんだった。
「アーヤ、踊れたんだな。」
「ふふ、踊れるようになったの。」
「踊れなかったのか?」
「うん、お恥ずかしながら。」
「初心者には思えないが。」
「そう?先生の腕が良かったからかな。」
「誰…に教わった?」
「シオンさんだよ。」
「そうか。」
「ルヴィくん、お花こないだありがとう。」
「こんな使い方もあるんだな。」
「おかげで、一回してみたかった花冠ができたの。」
「よかったな。」
以外と途中からは会話もしながら踊ることもできた。曲が終わり、踊った相手同士で礼をし合う。これも練習済みで、マナーとしてできるようにしておいた。
次の曲が演奏され、回りでダンスが始まる。
「この後、誰かと踊るのか?」
「さぁ?私を誘う物好きな相手がいれば踊るかもね。」
「僕は舞踏会はあまり好きじゃないから適当に帰る。」
「そうなの?まあ、王子様としては大変かぁ。うまくドロンしてね。」
「ドロン?」
「ああ、わからないか。えーと、人で言えば、忍者…隠密で隠れるのが得意な人がよく逃げたり隠れたりする時に煙の術を使っていつの間にかいなくなる表現をドロンすると言ったり、するかな?うーん、私だけかも。」
「ふん。」
綾子の例えは、ルヴァニレットが舞踏会から逃げていると指摘されたわけではないが、逃げと思われたことにヘソを曲げたような反応をとってしまった。
「アーヤ。お疲れ様。」
「シオンさん。」
「…エスコート役も来たことだし、僕はこれで失礼する。」
「行っちゃったね。」
「ルヴァニレットと何かあった?」
「ううん。普通に話してただけなんだけど、
ダンスの後は適当に帰るって言うから私がうまくドロンしてねって言っただけ。」
「ドロンの意味知らないから説明しけどそれくらいかな。」
「ふーん。まあ、気にする程のことでもない。それよりアーヤ。」
「はい?」
「次の曲、私と踊って頂けますか?」
「喜んで!」
踊りもまだ、二回目の為、体力的にも余裕がある。
特訓の練習を思えば、自分の体の動きも随分スムーズになったと思う。
「すっかり、ダンスをマスターしたね。」
「そうかな?先生の腕が良かったからかも。」
「ふふ、煽てても何も出ないよ。」
「もう、そんなんじゃないのに。」
「このダンスが終わったらきっと大変だよ。」
「なにが?」
「アーヤを誘う者が押し寄せてくる。」
「そ、そんな押し寄せるなんて…ないよ。」
「あるよ。」
「アーヤはわかっていないな。」
「せーぜー、二、三人位でしょ?」
「それはない。」
「私の予想では、おそらく国王補佐官長辺りが誘いに来て、踊り終わったら一気に来るね。」
「何でそんなにわかるの?」
「体力的にも精々王族は女性なら三、四曲踊ったら疲れて帰るからかな。」
「ルヴィくん、お兄ちゃん、もう一人で三人。続けて踊るなら確かにあと数回で限界かも。」
「だろう?」
「こうして、無事ダンスを楽しいと思えるのも練習のおかげだよ。本当にありがとう。」
「アーヤの努力あってこそだよ。」
「ダンスの誘いは、何か適当に理由をつけて断れるよう考えているから安心して。」
「うん。」
喉が乾いたなと思っていたら、飲み物を持って現れたのは、お兄ちゃんの予想通りなのかレイファンスさんだった。
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