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エスリアール王城 出会い
舞踏会?試着と特訓4
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シュナイゼさんには正直に踊れないので、シオンさんに内緒でダンスを教えて貰うからこの後中庭で練習してくること、集中したいからシュナイゼさんには今日はもう帰って貰いたいことをお願いしたら、快く了承してくれた。
中庭で、まずは基本姿勢を教わって、お兄ちゃんの肩、手の位置に合わせて組む。私の背中から腰辺りに手を添えられて引き寄せられる。想像よりも近いし、くっついて立つようだった。
「足元は見ないで、私を信じて顔はこちらを向いて。基本のステップさえマスターすれば、会話しながら踊れるようになる。いくよ…1、2、3」
「はぁ…はぁ…」
「綾子、初めてにしては筋がいいじゃないか。」
「はぁ…そう?うまく、できてきた?」
「ああ、体力はすぐにはつかないから数回連続で踊れば、息も上がってしまうだろうが、きっと2、3回位なら余裕で踊れるよ。」
「よ…良かった。お兄ちゃんの教え方がわかりやすかったからだよ。ありがとう。」
「お疲れ様。」
元々、運動神経はいい方で体もしなやかで小学校に入ってから2年生までの習い事で、バレエを習っていた綾子。トウシューズを履いて練習するクラスに進級する実力はあったが、転勤となりバレエからは遠ざかってしまった。
できないことをできるようになりたいという気持ちから、努力し、自分の成長に繋げていく。当たり前のようでありながら、誰でもできることではないだろう。
二人で踊る日が来るなんて。それだけでもこんなに胸が高鳴る。あまり、根を詰めても良くない、練習はこの辺で終わらせてゆっくり入浴させて休ませよう。
「今日はこれくらいにしてまだ不安があれば明日また付き合うから後はお風呂に入ってゆっくり休みなさい。」
「うん、そうするね。明日も練習お願い。今日は急な練習だったのに、本当にありがとう。お陰で二日後、何とかなるかも。」
「心配ない。王女の母直伝のダンスをお兄様から綾子は教わったんだ。誰が見ても恥ずかしくないダンスができる。自信を持ちなさい。」
「は、はい。」
翌朝の目覚め…。体が重い。筋肉痛だ。
今日こそ、ルヴィくんに魔法を見せて貰いたい。お兄ちゃんにダンスおさらい頼もうかどうしようかな。多分、大丈夫だと思うけど、もう一回だけしたいな。
ベッドから起きるだけでも痛い。
「くっ、ふぅ、よいしょっと、ふーー」
運動不足だもんね。仕方ない。
窓を開ければ風が気持ちいい。小鳥のさえずりも心地いい。さあ、起きましょう!
午後から直したドレスの試着を頼まれてるからそれまでにルヴィくんに都合を聞いてみよう。
「おはようございます。シュナイゼさん」
「おはようございます。アーヤ様。」
「こちらにどうぞ。」
「あの、昨日は私の我儘に合わせて頂いてありがとうございました。」
「いいえ、遠慮なくおっしゃって頂けて嬉しかったです。練習はどうでしたか?」
「シオンさんに分かりやすく教えて頂けたので、何とか形になれるようになったと思います。今日も練習しますけど。」
「左様ですか。アーヤ様は努力家ですね。」
「いえ、そもそも誰かと踊るなんてないかもしれないのですが、もしも踊ることになったら、相手の方の足を踏んだり恥をかかせては申し訳ないので自分の為でもあるんです。」
自分の為と言いながら、相手を思って辱しめないようにしたいなど一体どうしたらそんな優しい考え方ができるのか?
ダンスの相手が羨ましい。できるなら自分もアーヤ様のお相手をしたい。
中庭で、まずは基本姿勢を教わって、お兄ちゃんの肩、手の位置に合わせて組む。私の背中から腰辺りに手を添えられて引き寄せられる。想像よりも近いし、くっついて立つようだった。
「足元は見ないで、私を信じて顔はこちらを向いて。基本のステップさえマスターすれば、会話しながら踊れるようになる。いくよ…1、2、3」
「はぁ…はぁ…」
「綾子、初めてにしては筋がいいじゃないか。」
「はぁ…そう?うまく、できてきた?」
「ああ、体力はすぐにはつかないから数回連続で踊れば、息も上がってしまうだろうが、きっと2、3回位なら余裕で踊れるよ。」
「よ…良かった。お兄ちゃんの教え方がわかりやすかったからだよ。ありがとう。」
「お疲れ様。」
元々、運動神経はいい方で体もしなやかで小学校に入ってから2年生までの習い事で、バレエを習っていた綾子。トウシューズを履いて練習するクラスに進級する実力はあったが、転勤となりバレエからは遠ざかってしまった。
できないことをできるようになりたいという気持ちから、努力し、自分の成長に繋げていく。当たり前のようでありながら、誰でもできることではないだろう。
二人で踊る日が来るなんて。それだけでもこんなに胸が高鳴る。あまり、根を詰めても良くない、練習はこの辺で終わらせてゆっくり入浴させて休ませよう。
「今日はこれくらいにしてまだ不安があれば明日また付き合うから後はお風呂に入ってゆっくり休みなさい。」
「うん、そうするね。明日も練習お願い。今日は急な練習だったのに、本当にありがとう。お陰で二日後、何とかなるかも。」
「心配ない。王女の母直伝のダンスをお兄様から綾子は教わったんだ。誰が見ても恥ずかしくないダンスができる。自信を持ちなさい。」
「は、はい。」
翌朝の目覚め…。体が重い。筋肉痛だ。
今日こそ、ルヴィくんに魔法を見せて貰いたい。お兄ちゃんにダンスおさらい頼もうかどうしようかな。多分、大丈夫だと思うけど、もう一回だけしたいな。
ベッドから起きるだけでも痛い。
「くっ、ふぅ、よいしょっと、ふーー」
運動不足だもんね。仕方ない。
窓を開ければ風が気持ちいい。小鳥のさえずりも心地いい。さあ、起きましょう!
午後から直したドレスの試着を頼まれてるからそれまでにルヴィくんに都合を聞いてみよう。
「おはようございます。シュナイゼさん」
「おはようございます。アーヤ様。」
「こちらにどうぞ。」
「あの、昨日は私の我儘に合わせて頂いてありがとうございました。」
「いいえ、遠慮なくおっしゃって頂けて嬉しかったです。練習はどうでしたか?」
「シオンさんに分かりやすく教えて頂けたので、何とか形になれるようになったと思います。今日も練習しますけど。」
「左様ですか。アーヤ様は努力家ですね。」
「いえ、そもそも誰かと踊るなんてないかもしれないのですが、もしも踊ることになったら、相手の方の足を踏んだり恥をかかせては申し訳ないので自分の為でもあるんです。」
自分の為と言いながら、相手を思って辱しめないようにしたいなど一体どうしたらそんな優しい考え方ができるのか?
ダンスの相手が羨ましい。できるなら自分もアーヤ様のお相手をしたい。
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