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エスリアール王城 出会い
群青と真紅の瞳3
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私室に戻り、簡単にシャワーで汗を流して着替えた。
ふぅーーー、疲れた。
留学して半年、ようやく慣れてきたが初めはエルフ国王子という留学生の自分に対して、他の生徒達はぎこちなく壁があった。大方話かけてくるのは、変わり者の魔法講師の担任か、僕の肩書きに興味ある者くらいだった。
従兄弟と言われても会ったこともない。叔母上に似ているとか、神託者になったとか父上がよく村に密偵を使って情報を集めていたな。
叔母上は確かお祖母様と同じ瞳だったはず。僕より少しだけ歳上の従兄弟殿。
エルシオン・デュカーレ。
その瞳は神に愛されし群青だとか。
はぁーーーー。
気が重い。国、王族、継承、重責、期待、
外交、和平…諸々に肩も重い。それに加えて迷客か。何で僕がわざわざ…。
バルコニーを開けて、少し外の空気でも入れるか。
ん?中庭から魔力が感じられた…。
侵入者か?!
阻害認識魔法を纏い、バルコニーへ出る。
中庭には、強力な魔力でできた結界が展開されていた。これ程の魔力、結界…。王族?
波長が自分に似ている。集中して魔力について考えていたその時、何か話し声のような澄んだ声音が聴こえた。結界内は外界と遮断される為普通は気づけない。ルヴァニレットが高い魔力を持っているから気づけたのだ。
中庭を見下ろして様子を伺うと、人影が二つ見えた。更に目と耳に魔力を込める。結界内の遮断されていた景色、音がよりはっきりした。
…ラララーラー……ラーラー… ラララーラーラー
…ラララーラー……ラーラー… ラーラララーラー…
…♪
歌が…聴こえた。
聴いたことのない旋律。
一人静寂な夜から一変して優しい声と魔力の波長に包まれる。
月光を浴びて両手を広げ、歌う彼女は月の女神か、花の精霊かのように不思議なオーラに包まれている。城内の妖精が側に行こうと結界の周囲に集まろうとしている。
漆黒の長い髪にすみれ色のドレスに身を包み耳に残る旋律を歌っている女性からも魔力を感じる。なんて清廉な波長だろう。浄化や治癒のようなオーラを感じる。
不思議だ、苛ついた感情も煩わしさや重荷から目を背け、逃げようとした自身を恥ずかしいとさえ感じる。
歌が聴こえなくなり、結界が解かれた。遠慮なく、当たり前のように彼女のその髪に、頬に触れる人物が顔だけをこちらに向ける。
姿が見えないはずの僕の視線に気づいたばかりか、真っ直ぐこちらを見上げ、魔力を込め色濃くなった眼差しを向けてきた。
まるで、そこにいることは気づいている、姿を現したらどうだ?と言いたげだ。
こちらも魔法を解き、正面から視線を受け止める。逃げも隠れもしない。
音もなく対峙する群青と真紅の瞳。
僕が誰か気づいているだろう。互いに魔力を込めた瞳は輝きを増しているのだから。牽制されているような威圧。この僕に?言葉を交わすことなく、ただ漠然と感じた。
気に入らない。
ふぅーーー、疲れた。
留学して半年、ようやく慣れてきたが初めはエルフ国王子という留学生の自分に対して、他の生徒達はぎこちなく壁があった。大方話かけてくるのは、変わり者の魔法講師の担任か、僕の肩書きに興味ある者くらいだった。
従兄弟と言われても会ったこともない。叔母上に似ているとか、神託者になったとか父上がよく村に密偵を使って情報を集めていたな。
叔母上は確かお祖母様と同じ瞳だったはず。僕より少しだけ歳上の従兄弟殿。
エルシオン・デュカーレ。
その瞳は神に愛されし群青だとか。
はぁーーーー。
気が重い。国、王族、継承、重責、期待、
外交、和平…諸々に肩も重い。それに加えて迷客か。何で僕がわざわざ…。
バルコニーを開けて、少し外の空気でも入れるか。
ん?中庭から魔力が感じられた…。
侵入者か?!
阻害認識魔法を纏い、バルコニーへ出る。
中庭には、強力な魔力でできた結界が展開されていた。これ程の魔力、結界…。王族?
波長が自分に似ている。集中して魔力について考えていたその時、何か話し声のような澄んだ声音が聴こえた。結界内は外界と遮断される為普通は気づけない。ルヴァニレットが高い魔力を持っているから気づけたのだ。
中庭を見下ろして様子を伺うと、人影が二つ見えた。更に目と耳に魔力を込める。結界内の遮断されていた景色、音がよりはっきりした。
…ラララーラー……ラーラー… ラララーラーラー
…ラララーラー……ラーラー… ラーラララーラー…
…♪
歌が…聴こえた。
聴いたことのない旋律。
一人静寂な夜から一変して優しい声と魔力の波長に包まれる。
月光を浴びて両手を広げ、歌う彼女は月の女神か、花の精霊かのように不思議なオーラに包まれている。城内の妖精が側に行こうと結界の周囲に集まろうとしている。
漆黒の長い髪にすみれ色のドレスに身を包み耳に残る旋律を歌っている女性からも魔力を感じる。なんて清廉な波長だろう。浄化や治癒のようなオーラを感じる。
不思議だ、苛ついた感情も煩わしさや重荷から目を背け、逃げようとした自身を恥ずかしいとさえ感じる。
歌が聴こえなくなり、結界が解かれた。遠慮なく、当たり前のように彼女のその髪に、頬に触れる人物が顔だけをこちらに向ける。
姿が見えないはずの僕の視線に気づいたばかりか、真っ直ぐこちらを見上げ、魔力を込め色濃くなった眼差しを向けてきた。
まるで、そこにいることは気づいている、姿を現したらどうだ?と言いたげだ。
こちらも魔法を解き、正面から視線を受け止める。逃げも隠れもしない。
音もなく対峙する群青と真紅の瞳。
僕が誰か気づいているだろう。互いに魔力を込めた瞳は輝きを増しているのだから。牽制されているような威圧。この僕に?言葉を交わすことなく、ただ漠然と感じた。
気に入らない。
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