夢じゃなかった!?

Rin’

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エスリアール国 出会い

思いを歌にのせて3

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このエルフの国にも、国の象徴として崇める聖獣がいる。他国にもそれぞれいるが、自分の目の前の存在が、信じられない。

まさか、この国の聖獣が現れることになろうとは……。

はっとしてから膝をついて頭を下げる。
「………。」
こちらから声をかけられるような存在ではない。綾子にも失礼のないようにさせなくては。
「綾…「綺麗。もしかして麒麟きりん?!やっぱり異世界には伝説みたいな存在がいるのね。すごい。麒麟きりんだ…。」」

…遅かった。悪気はないが、ああ…不躾ぶしつけな視線を向けるのはおやめ。


ぬしか?ヒトの子”

われらに向けて久しく感じなかった感謝を示し、届けたのは…”

いえ、麒麟きりんさんに限定したわけじゃなかったんだけど…さっき確かに自己満足で感謝を押し売りして歌ったのはわたくしでした。はい。

お兄ちゃん、どうしよう。チラッと見ると、もはや諦め?残念な子を見る目でいた。う…

自己責任ですね。はい。


「は…い。先程さきほど私がこの世界に現れた場所を見て、生き物に触れ、私自身をこの世界に、自然や大地に受け入れてもらえたように感じましたので、その感謝を込めて歌いました。」

“……そなたの気持ち、確かに受け取った”

“こんなに気分がいいのは久しいことだ”

“この場にはそなたの汚れなき気が満ちている。我の力も増すというもの”

“そなた、名は?”

言っていいの?!どっちを?

「あの、こちらに来たばかりでまだ、作法もわかりません。恐れながら、お聞きになっているのは、普通の名ですか?真名でしょうか?」

ごまかしなく、いつわらず正直に尋ねた。

“ふっ、はっはっはっはっ”

ビクッ!

“そう、構えずともよい。我が聞いたのはただの名だ。…だが、良い心がけだ。気に入った”

「アーヤ・サトーと申します。」

“アーヤ…だな。覚えておく。感謝を届けるたぐまれなる力を秘めたヒトの子”

“また、歌とやらで届けておくれそなたのこと実に心地ここちよい”

“アーヤは全てをつなぐ者。
 神託者よ、しかと護れ”
「はい。この命、真名にかけて護ります。」
「えっ!」


“そなたがうのなら
我は救う力となろう”
 
“我はこたえよう”

“呼べ……我等を繋ぐ者アーヤよ。

我は…この世界の三聖獣がひとつ
エスリアール国の守護聖獣
麒麟きりんにして
生命を司るモノ
いらぬ殺生を許さぬモノ

オルフェウス・ジルフィード”

キラキラ光るオーラをまといながら神々しく告げて、麒麟さん改めオルフェウス様は私を見つめてから去っていった。まなざしが温かいのか、空気も温かかったのか一瞬フワリと体が暖まった気がした。

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