42 / 599
エスリアール国 出会い
伝わる気持ち
しおりを挟む
「そ、そうですか。メガネとっておいてくれてありがとうございました。」
シオンさんにお礼を言ったら、最後に魔法で髪を乾かしてくれた。便利ですね魔法。
風にそよいでフワリと花の香りがした。
「じゃあ、また明日。おやすみ綾子。」
「はい。おやすみなさい。シオンさ?♪~♪~♪~♪~?」
!!?
カバンから着信が聞こえる。電話の着信だ。
「電話!スマホ。繋がる?!すみません。電話出ます!」
シオンさんがまだ出ていかないで頷く。電話の画面には弟、優也の名前があった。
「…もしもし?!優?」
「やっと出た。ねーね。今どこにいるんだよ。心配したんだぞ。みんな。」
優だ。話してる。良かった本当に話せる。
「あのね、あの時雷の夜、停電したでしょ?」
「うん。」
「そしたら、気づいたら真っ暗でいつまでも暗くて、流石に変だなーと思ってたら色々あって、今…異世界に来てるの。」
「…異世界…。」
「お姉ちゃん、嘘ついてないから。」
「いや、嘘と思ってない。やっぱりか…。」
「?」
「いやな、ねーねが隣の部屋で雷見てみたのは、知ってたし停電した時さ、一応そっち行ったんだよ。そしたらさ…。」
「うん。」
「ねーねの部屋 開けたら、暗い中、何だか光って、雷かと思ったら違って、ねーねがいなくなってたんだ。」
「それで、一応スマホがなかったから電話してみたんだけど、おかしいんだぜ。ねーねのスマホ。」
??何がだ?
「普通のスマホの電話に出れない時のメッセとかあるだろ?おかけになった電話は電波が届かないか、ってやつ。」
「うん。」
「ねーねにまず父さんが電話したら、只今、お掛けになった電話は電波は届きますが、電話に出れない状況か、異世界に行ったばかりのためにお繋ぎできませんでした。
ピーっと鳴りましたら、お名前とご用件を残されるか、又はお手数ですが後程お掛け直しくださいって言うんだぞ(笑)」
「何だそれ!?」
「母さんも電話かけたけど同じメッセでさ、仕方ないから時間をおいてまたかけ直そうってことでさっき俺がかけ直した。」
「だから、異世界にいるって聞いてやっぱりなって納得した。」
するんかい!家の家族は……。
ガックリ床に項垂れた。
「まあ、こうして電話できるみたいだし、たまにメールか電話してこいよ。やっぱり顔みれない分心配は尽きないからさ。」
「うん。」
「何とかやっていけそうなの?」
「うん、最初に私のこと見つけてくれたのが、エルフさんで、名前エルシオンさんって言うんだけど、とってもお世話になってる。
優しいし、今日ご馳走と歓迎もしてくれて家族の皆さんよくしてくれるよ。」
「そっか。そのエルシオンさん?近くにいるの?話せるなら代わってよ。」
「いるから、代わるね。」
電話の説明をする。
「はじめまして、エルフ族、エルシオン・デュカーレと言います。」
「はじめまして、姉が大変お世話になっているようで、弟の優也です。
姉をどうか、よろしくお願いします。
…姉は、しっかりしているようで以外と天然で、抜けてるし、そのくせ決めたら頑固で、男勝りなんです。」
「はい。心得ました。任せてください。綾子さんのご両親にもご心配ありませんとお伝えください。」
「ありがとうございます。」
「すみませんが、姉にもう一度代わってもらえますか?」
「はい。」
「綾子。弟さん。」
「ねーね、異世界でイケメンに出会ったんだな。声だけでわかる。あんなイケボの持ち主は絶対イケメンだ。しかも、綾子呼び。エルフ!やるな。」
「………。真面目な話ししてたんじゃないの?」
「したよ。ねーねをよろしくってね。」
「また、電話するよ。留守電ならメッセ残すし、出れる時、話せばいいよ。」
「うん。」
「そっちでも、うまくやれるさ。」
「どうして?」
「なんとなく。」
「…………。」
「…私、もう家に帰れないんだって。」
「………気持ちが大事だ。ベストを尽くせ!」
「はぁー、そうだね、尽くしてみるよ。私なりのベストを。ありがと。」
「じゃあな。またかける。異世界初日お疲れ様、頑張れよ。」
「うん、母さんたちによろしく。次郎にもよろしく。」
「うぃ~了解。またな。」
切れちゃった。話せた。良かった。…会いたい。もう、会えない。帰れない。帰りたい。帰りたい。帰れない。
「ふっ、ひっく、うっう~帰りった…い。でも、かえれっないっう~。」
私は、神様から言われた、帰してあげられないと言われたこと、その代わりに出した条件のスマホが異世界でも使えたことが、本当に帰れないという現実を一気に感じて泣いた。
シオンさんにお礼を言ったら、最後に魔法で髪を乾かしてくれた。便利ですね魔法。
風にそよいでフワリと花の香りがした。
「じゃあ、また明日。おやすみ綾子。」
「はい。おやすみなさい。シオンさ?♪~♪~♪~♪~?」
!!?
カバンから着信が聞こえる。電話の着信だ。
「電話!スマホ。繋がる?!すみません。電話出ます!」
シオンさんがまだ出ていかないで頷く。電話の画面には弟、優也の名前があった。
「…もしもし?!優?」
「やっと出た。ねーね。今どこにいるんだよ。心配したんだぞ。みんな。」
優だ。話してる。良かった本当に話せる。
「あのね、あの時雷の夜、停電したでしょ?」
「うん。」
「そしたら、気づいたら真っ暗でいつまでも暗くて、流石に変だなーと思ってたら色々あって、今…異世界に来てるの。」
「…異世界…。」
「お姉ちゃん、嘘ついてないから。」
「いや、嘘と思ってない。やっぱりか…。」
「?」
「いやな、ねーねが隣の部屋で雷見てみたのは、知ってたし停電した時さ、一応そっち行ったんだよ。そしたらさ…。」
「うん。」
「ねーねの部屋 開けたら、暗い中、何だか光って、雷かと思ったら違って、ねーねがいなくなってたんだ。」
「それで、一応スマホがなかったから電話してみたんだけど、おかしいんだぜ。ねーねのスマホ。」
??何がだ?
「普通のスマホの電話に出れない時のメッセとかあるだろ?おかけになった電話は電波が届かないか、ってやつ。」
「うん。」
「ねーねにまず父さんが電話したら、只今、お掛けになった電話は電波は届きますが、電話に出れない状況か、異世界に行ったばかりのためにお繋ぎできませんでした。
ピーっと鳴りましたら、お名前とご用件を残されるか、又はお手数ですが後程お掛け直しくださいって言うんだぞ(笑)」
「何だそれ!?」
「母さんも電話かけたけど同じメッセでさ、仕方ないから時間をおいてまたかけ直そうってことでさっき俺がかけ直した。」
「だから、異世界にいるって聞いてやっぱりなって納得した。」
するんかい!家の家族は……。
ガックリ床に項垂れた。
「まあ、こうして電話できるみたいだし、たまにメールか電話してこいよ。やっぱり顔みれない分心配は尽きないからさ。」
「うん。」
「何とかやっていけそうなの?」
「うん、最初に私のこと見つけてくれたのが、エルフさんで、名前エルシオンさんって言うんだけど、とってもお世話になってる。
優しいし、今日ご馳走と歓迎もしてくれて家族の皆さんよくしてくれるよ。」
「そっか。そのエルシオンさん?近くにいるの?話せるなら代わってよ。」
「いるから、代わるね。」
電話の説明をする。
「はじめまして、エルフ族、エルシオン・デュカーレと言います。」
「はじめまして、姉が大変お世話になっているようで、弟の優也です。
姉をどうか、よろしくお願いします。
…姉は、しっかりしているようで以外と天然で、抜けてるし、そのくせ決めたら頑固で、男勝りなんです。」
「はい。心得ました。任せてください。綾子さんのご両親にもご心配ありませんとお伝えください。」
「ありがとうございます。」
「すみませんが、姉にもう一度代わってもらえますか?」
「はい。」
「綾子。弟さん。」
「ねーね、異世界でイケメンに出会ったんだな。声だけでわかる。あんなイケボの持ち主は絶対イケメンだ。しかも、綾子呼び。エルフ!やるな。」
「………。真面目な話ししてたんじゃないの?」
「したよ。ねーねをよろしくってね。」
「また、電話するよ。留守電ならメッセ残すし、出れる時、話せばいいよ。」
「うん。」
「そっちでも、うまくやれるさ。」
「どうして?」
「なんとなく。」
「…………。」
「…私、もう家に帰れないんだって。」
「………気持ちが大事だ。ベストを尽くせ!」
「はぁー、そうだね、尽くしてみるよ。私なりのベストを。ありがと。」
「じゃあな。またかける。異世界初日お疲れ様、頑張れよ。」
「うん、母さんたちによろしく。次郎にもよろしく。」
「うぃ~了解。またな。」
切れちゃった。話せた。良かった。…会いたい。もう、会えない。帰れない。帰りたい。帰りたい。帰れない。
「ふっ、ひっく、うっう~帰りった…い。でも、かえれっないっう~。」
私は、神様から言われた、帰してあげられないと言われたこと、その代わりに出した条件のスマホが異世界でも使えたことが、本当に帰れないという現実を一気に感じて泣いた。
0
お気に入りに追加
534
あなたにおすすめの小説
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました
ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。
会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。
タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる