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エスリアール王城 出会い
ピアスとネコ5
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「サリアンさん、膝から降ろしてください。オーナーさんが戻ってこんな状態を見たら誤解されます。」
「フフ、オーナーが来ない状況ならいいんですか?」
再び、腕に力がこもる。華奢な彼女は膝の上に置いても軽くてスッポリ腕に収まってしまう。何故だろう、いつまでも戯れ言で言いくるめてこのまま腕の中に閉じ込めてしまいたくなる。
「そういう問題じゃありません。いい大人の男女が恋人でもないのに、こんなことをするものじゃないでしょう。」
「恋人……。」
恋人………恋……。
アーヤさんにはいるのだろうか。そんな存在が。
「アーヤさんは、いるんですか?恋人。」
「えっ?!何ですか急に。」
「恋人がいるのですか?」
「い、いませんよ!悪いですか?」
ウニャ~オ
「ノワール。戻ったの?」
ノワールの視線を辿る先には…居ました。苦笑いしたオーナーが。
「…ゴホン、出直して参ります。」
「オーナーさん、行かなくていいですから!誤解です。違うんです!戻って来てください!」
「はぁ…。オーナー話し込んでいただけなので戻って来てください。」
そう言って、サリアンさんは今度こそやっと膝の上からも腕の中からも解放してくれた。
スウー……包まれた人肌がなくなりほっとしたような少し寂しいような、って何を考えているんだ私!
「些細なことから少し意地の張り合いになりまして、仲直りをするところだっただけです。ね、アーヤさん。」
「まあ、そうですね。」
「左様でございましたか。私はてっきり…。」
「じゃあ、仲直りするのでオーナーさん見届けてくださいね!はい、サリアンさん、握手で仲直りしましょう。」
きちんと今度こそ先生の顔を適度な距離で見上げて握手を求める。
「はい。仲直りの握手ですね。」
キュッ。
よし、これで仲直り。
手を握り合い、離そうとしたらひょいと持ち上げられて自分の手の行方を目で追う私。
!?手→→→サリアンさんの顔?
手の甲に柔らかく温かい何かが触れている。くすぐったい。
これって、手にキスされてる!?握手だけじゃなく何でキスも~?!
固まる私。満面の笑みを振り注ぐサリアンさん。
欧米人ならぬ異世界人は価値観が違うんだ、仲直り握手+アルファーがあるんだきっと。
深い意味はない!
「…確かに見届け致しました。仲直りと求…いえ、何でもございません。ピアスをどうぞ。術が重ねてあります。」
ピアスつけなきゃ。でも、キスされた手がまだ緊張して自分の手じゃないみたい。動揺がそのまま手に伝わってしまったかのようだ。
トレーのピアスに手を伸ばして摘まむが、焦りからか逃げられてしまった。
「アーヤさん、大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないよ!こちとら日本人で手にキスだって慣れてないし、私はハグだって滅多にしないし、さっきまでのイチャイチャ膝上ハグのせいもあってまだ心臓がドキドキのバクバクじゃい!
「き、緊張しただけです。大丈夫です。」
コロン…。クルン…。うっ逃げる。
「フフ、オーナーが来ない状況ならいいんですか?」
再び、腕に力がこもる。華奢な彼女は膝の上に置いても軽くてスッポリ腕に収まってしまう。何故だろう、いつまでも戯れ言で言いくるめてこのまま腕の中に閉じ込めてしまいたくなる。
「そういう問題じゃありません。いい大人の男女が恋人でもないのに、こんなことをするものじゃないでしょう。」
「恋人……。」
恋人………恋……。
アーヤさんにはいるのだろうか。そんな存在が。
「アーヤさんは、いるんですか?恋人。」
「えっ?!何ですか急に。」
「恋人がいるのですか?」
「い、いませんよ!悪いですか?」
ウニャ~オ
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「…ゴホン、出直して参ります。」
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「はぁ…。オーナー話し込んでいただけなので戻って来てください。」
そう言って、サリアンさんは今度こそやっと膝の上からも腕の中からも解放してくれた。
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「些細なことから少し意地の張り合いになりまして、仲直りをするところだっただけです。ね、アーヤさん。」
「まあ、そうですね。」
「左様でございましたか。私はてっきり…。」
「じゃあ、仲直りするのでオーナーさん見届けてくださいね!はい、サリアンさん、握手で仲直りしましょう。」
きちんと今度こそ先生の顔を適度な距離で見上げて握手を求める。
「はい。仲直りの握手ですね。」
キュッ。
よし、これで仲直り。
手を握り合い、離そうとしたらひょいと持ち上げられて自分の手の行方を目で追う私。
!?手→→→サリアンさんの顔?
手の甲に柔らかく温かい何かが触れている。くすぐったい。
これって、手にキスされてる!?握手だけじゃなく何でキスも~?!
固まる私。満面の笑みを振り注ぐサリアンさん。
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深い意味はない!
「…確かに見届け致しました。仲直りと求…いえ、何でもございません。ピアスをどうぞ。術が重ねてあります。」
ピアスつけなきゃ。でも、キスされた手がまだ緊張して自分の手じゃないみたい。動揺がそのまま手に伝わってしまったかのようだ。
トレーのピアスに手を伸ばして摘まむが、焦りからか逃げられてしまった。
「アーヤさん、大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないよ!こちとら日本人で手にキスだって慣れてないし、私はハグだって滅多にしないし、さっきまでのイチャイチャ膝上ハグのせいもあってまだ心臓がドキドキのバクバクじゃい!
「き、緊張しただけです。大丈夫です。」
コロン…。クルン…。うっ逃げる。
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