夢じゃなかった！？

マジェストーラ国立魔法学院 編入

帰路～獣舎到着1

竜の体力、速度に問題はなかったが、エルシオンの計はからいで休憩を挟みながら騎獣借用レンタルの獣舎を目指した。

到着した頃の空は、青空一色から複数の色彩が加わっている。オレンジ、水色、ピンク、濃淡も美しく幻想的に染まる魔法の時間マジックアワーである。

長い二つの影が大地と空の間を駆け抜けていく。


（だいぶ、シャドに乗っているのも慣れたけど…軟弱なこの体を何とかしないと。お尻と足腰が重だるい～。やっぱり運動不足だ。朝の体操メニュー、ラジオ体操とストレッチだけじゃなくジョギングも増やすべきかな。）


エルシオンがザックを止めたところでアーヤもそれに習いシャドを止めて降りる。

「シャドも、止まって。ふぅ…お疲れ様。よしよし。」

走り続けたシャドとザックではあるが、休憩も挟んだ為か体力の消耗をさほど感じておらず、息切れする様子もない。まだまだ余裕の貫禄かんろくがある。

鞍くらから降りて首の辺りをポンポンサリサリと撫でれば、目を細たシャドが自身の鼻先を下げ、アーヤの手が届くよう頭も押しつけてもっと撫でてのアピールを示した。