夢じゃなかった!?

Rin’

文字の大きさ
上 下
451 / 599
マジェストーラ国立魔法学院 編入

水の都セルリアン~討伐 嘆きの果てに10

しおりを挟む
「ですね。団長の元へ進言して来ます。アーヤさんはここに。エルシオン君、頼みましたよ。」

「はい。」


(封印石はあいにく持ち合わせていませんが、討伐を任務としてこなす騎士団であれば封印石のひとつや二つ、誰か装備しているでしょう。)

ラナは魔物と戦う騎士団の元へ転移魔法陣を発動し、瞬時に移動した。

シュン

「わ、ラナ先生瞬間移動みたい。もう、あっちにいる。」

アーヤはラナの姿を目で追って感嘆する。




「サンバーン団長!討伐を休止してください。」

「ブラム筆頭?どういうことだ?!」


「この魔物には奇妙な点が幾つかあります。討伐せずに封印して、魔法研究所で調べるべきです。」

「今更何を言う?あれはまぎれもない魔物、ここで討伐すべきじゃないか。」

「討伐は調べてからでもできます。森や洞窟どうくつならいざ知らず、こんな街中の祭りの地で嘆くモノが現れ、魔物化するなど普通はあり得ません。貴方は説明がつくのですか? 」

「っ、それはっ。」

敵を知る機会をみすみす逃すとは骨頂こっちょうであると言われたようでアシュレイも納得して折れる。

「わかった。討伐を止め、封印に移行する。ラオス!」

「了解。結界もあるし、援護は不要だ。」

「では封印を。」

「攻撃止めー!これより討伐を中断!封印してこの魔物を持ち帰り調べることとする!」

「「「了解!」」」


ラオスと呼ばれた男は、傭兵騎士団副団長ラオス・ビクター。剣術、魔法共に優秀で団長の右腕として信頼も厚い。

ラオスは手のひらに収まる緑色をした封印石を準備し、魔物の至近距離で封印の為の詠唱を始め、石の中に魔法陣を発動させる。


なんじのいるべき地はここに在らず。しばし石の中で眠れ。封印石がその身を受け入れーーくっ?!」

突然、魔物を中心に強風がうず巻き、ラオスの詠唱が途切れた。


ゴウウウッーーーー


「何だ?!竜巻?!」

ゴウウウッーーーー

「これでは石が届かない。くっ何だ?!」

ゴウウウッーーーー



ラオスは目の前で起きたことが信じられなかった。魔物を包むように突如とつじょ発生した竜巻がはばむ。


ーカッッ!!ー
ーシュインッ!!ー
 

その後、強烈な閃光が視界を奪い一瞬目を閉じてしまい、再び開眼したラオスの目の前には……。


「っ?!」

魔物の姿はどこにも見当たらず、吹き抜けるような風の音だけがその場に残った。


ヒュオーーーーーー


「き、消えた…?」

封印魔法の最中に発生した竜巻、謎の閃光にラオス、アシュレイも状況を掴み切れずに戸惑いを隠せず立ち尽くす。



「ん?ブラム筆頭?何を?」

「………………。」

ラナは二人を横切り魔物がいた場所に移動する。結界で魔物をとどめていた辺りに膝をつき、手をかざす。目を閉じ、意識を集中する。

消える直前に見えた複数の魔法陣とその魔力の痕跡こんせきを探ろうとした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族の家に転生した俺は、やり過ぎチートで異世界を自由に生きる

フリウス
ファンタジー
幼い頃からファンタジー好きな夢幻才斗(むげんさいと)。 自室でのゲーム中に突然死した才斗だが、才斗大好き女神:レアオルによって、自分が管理している異世界に転生する。 だが、事前に二人で相談して身につけたチートは…一言で言えば普通の神が裸足で逃げ出すような「やり過ぎチート」だった!? 伯爵家の三男に転生した才斗=ウェルガは、今日も気ままに非常識で遊び倒し、剣と魔法の異世界を楽しんでいる…。 アホみたいに異世界転生作品を読んでいたら、自分でも作りたくなって勢いで書いちゃいましたww ご都合主義やらなにやら色々ありますが、主人公最強物が書きたかったので…興味がある方は是非♪ それと、作者の都合上、かなり更新が不安定になります。あしからず。 ちなみにミスって各話が1100~1500字と短めです。なのでなかなか主人公は大人になれません。 現在、最低でも月1~2月(ふたつき)に1話更新中…

女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。 麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。 使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。 厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒! 忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪ 13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください! 最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^ ※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!  (なかなかお返事書けなくてごめんなさい) ※小説家になろう様にも投稿しています

離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!

椿蛍
ファンタジー
【1章】 転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。   ――そんなことってある? 私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。 彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。 時を止めて眠ること十年。 彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。 「どうやって生活していくつもりかな?」 「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」 「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」 ――後悔するのは、旦那様たちですよ? 【2章】 「もう一度、君を妃に迎えたい」 今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。 再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?  ――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね? 【3章】 『サーラちゃん、婚約おめでとう!』 私がリアムの婚約者!? リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言! ライバル認定された私。 妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの? リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて―― 【その他】 ※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。 ※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。

手切れ金代わりに渡されたトカゲの卵、実はドラゴンだった件 追放された雑用係は竜騎士となる

草乃葉オウル
ファンタジー
上級ギルド『黒の雷霆』の雑用係ユート・ドライグ。 彼はある日、貴族から依頼された希少な魔獣の卵を探すパーティの荷物持ちをしていた。 そんな中、パーティは目当ての卵を見つけるのだが、ユートにはそれが依頼された卵ではなく、どこにでもいる最弱魔獣イワトカゲの卵に思えてならなかった。 卵をよく調べることを提案するユートだったが、彼を見下していたギルドマスターは提案を却下し、詳しく調査することなく卵を提出してしまう。 その結果、貴族は激怒。焦ったギルドマスターによってすべての責任を押し付けられたユートは、突き返された卵と共にギルドから追放されてしまう。 しかし、改めて卵を観察してみると、その特徴がイワトカゲの卵ともわずかに違うことがわかった。 新種かもしれないと思い卵を温めるユート。そして、生まれてきたのは……最強の魔獣ドラゴンだった! ロックと名付けられたドラゴンはすくすくと成長し、ユートにとって最強で最高の相棒になっていく。 その後、新たなギルド、新たな仲間にも恵まれ、やがて彼は『竜騎士』としてその名を世界に轟かせることになる。 一方、ユートを追放した『黒の雷霆』はすべての面倒事を請け負っていた貴重な人材を失い、転げ落ちるようにその名声を失っていく……。 =====================  アルファポリス様から書籍化しています!  ★★★★第1〜3巻好評発売中!★★★★ =====================

クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ
ファンタジー
高校で授業を受けていた俺は、クラスメイト達と共に異世界のエルガレフト神国の神殿へと召喚された。 どうやら、俺とクラスメイトは魔王を倒すために異世界より召喚されたようだ。 だか、俺はクラスメイト達の中で、唯一勇者の称号がなかった。 俺を逆恨みするクラスのリーダー的存在である海堂の誘導もあり、俺はわずかな金銭を渡されて犯罪者として神殿より追放されてしまう。 だが、実は俺を異世界に救世主として招くために創世神が手引きを行った召喚であり、他のクラスメイト達は偶発的に巻き込まれてしまっただけの”おまけ”だったのだ。 真の勇者として神聖召喚魔術『 ホーリーサモン 』に目覚めた俺は、規格外の魔物や人物を次々に召喚し、世界を救うために強大な国を築いていく。 短編バージョン(1話2000字ほど)もありますので、1話が長いよー!って人はそちらで見ると良いかと思われます! 基本的にはなろうメインで連載しています!こっちは気が向いたらなのでもし良ければ、メインの方にも足を運んで頂けると喜びます! 左斜め下らへんにあるかめの登録コンテンツのところからとべます! Twitter始めました〜良かったらフォローお願いします! https://twitter.com/kame_narou/status/1187022015540031489?s=19

グラティールの公爵令嬢―ゲーム異世界に転生した私は、ゲーム知識と前世知識を使って無双します!―

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)
ファンタジー
ファンタジーランキング1位を達成しました!女主人公のゲーム異世界転生(主人公は恋愛しません) ゲーム知識でレアアイテムをゲットしてチート無双、ざまぁ要素、島でスローライフなど、やりたい放題の異世界ライフを楽しむ。 苦戦展開ナシ。ほのぼのストーリーでストレスフリー。 錬金術要素アリ。クラフトチートで、ものづくりを楽しみます。 グルメ要素アリ。お酒、魔物肉、サバイバル飯など充実。 上述の通り、主人公は恋愛しません。途中、婚約されるシーンがありますが婚約破棄に持ち込みます。主人公のルチルは生涯にわたって独身を貫くストーリーです。 広大な異世界ワールドを旅する物語です。冒険にも出ますし、海を渡ったりもします。

異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~

ノエ丸
ファンタジー
「ステータスオープン!」シーン「——出ねぇ!」地面に両手を叩きつけ、四つん這いの体制で叫ぶ。「クソゲーやんけ!?」 ――イキナリ異世界へと飛ばされた一般的な高校ソラ。 眩い光の中で、彼が最初に目にしたモノ。それは異世界を作り出した創造神――。 ではなくただの広い草原だった――。 生活魔法と云うチートスキル(異世界人は全員持っている)すら持っていない地球人の彼はクソゲーと嘆きながらも、現地人より即座に魔法を授かる事となった。そして始まる冒険者としての日々。 怖いもの知らずのタンクガールに、最高ランクの女冒険者。果てはバーサーカー聖職者と癖のある仲間達と共に異世界を駆け抜け、時にはヒーラーに群がられながらも日々を生きていく。

【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし

猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。  曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。  おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。  それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。  異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。  異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる── ◆◆◆  ほのぼのスローライフなお話です。  のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。 ※カクヨムでも掲載予定です。

処理中です...