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マジェストーラ国立魔法学院 編入
水の都セルリアン~討伐 嘆きの果てに1
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「ふぅ…マジで転移しやがった。」
「こんな簡単に移動できて楽ちんね~。」
「俺らの出番はいつだ?」
(この声と話し方。まさかこの討伐に居合わせるなんて。)
「『嘆くモノ』なんて超面倒ごとに巻き込まれたって感じだったけど、さっきの転移魔法すごかったですよね~。あ~んな大勢の転移なんて私初めて。ちょっと感動~って感じ。」
「天才ってヤツなんだろ。筆頭って言われるくらいだ、朝飯前なんじゃねえの?」
「い~な~、イケメンでしかも筆頭だなんて。素敵~。」
気のせい、他人のそら似的な勘違いであって欲しいと思いつつ会話の方へ意識を向けて様子を伺う。
(ああ、似た人じゃなく、ご本人達でした…。)
「お前達、私語を慎め!我らは討伐に来ているのだぞ!」
「ケッ、偉そうに。」
「ごめんなさ~い。」
チラリ…
ガクッ
(大丈夫かな、この討伐。)
ラナと乗る馬上から振り向き声のする方を見て項垂れたアーヤに気づいたラナも一瞬、振り向く。
(アーヤさん、何を気にされて…?)
「ん?あいつ…。」
「キャッ!バリー先輩今、転移の人がこっち見ましたよ?!目があったかも!」
「……。」
ラナはアーヤが意識を向けていたと思わしき二人組を認識したその時、団長アシュレイ・サンバーンが静かすぎる現場にいち早く気づき、疑問を投げ掛けた。
「ブラム筆頭、『嘆くモノ』の現場にしては静かすぎる。本当にこの場所なのか?」
「ええ。一般の方が気づかぬよう遮断する結界も重ねて来たので今は聞こえず、見えないだけです。」
「解いて頂こう。」
「では、解きますよ。」
スイッ
ビシッ ピキキッ バリバリリッーーーバキバキーーッーーーーーーバリッンンンーー
ラナが左手を横に一閃した瞬間、何もなかった目の前の空間に稲妻のようなジグザグのヒビと薄氷が割れるような音をたてて遮断の結界は崩れ去った。目の前に見えていなかった存在らが現れる。
ーーーーォオオオオォオォオーーーガァギギイィーーーーーギュオオオオオオーーーキギキィイイィーー
「………っ。」
(くっ、なんて…………なんて悲鳴。シオンさんとノワール、ずっとこんな声を聞いていたの?!)
ーーーーォオオオオォオォオーーーガァギギイィーーーーーギュオオオオオオーーーキギキィイイィーー
グギィィイーーーキギャーーーー
「ひぃいぃーた、助けてくれっ頼む!」
「応援が来たので、もういいかげん足を放してください。」
ニャー ニャー!
「放せと言っているっ。」
(…いた。)
「こんな簡単に移動できて楽ちんね~。」
「俺らの出番はいつだ?」
(この声と話し方。まさかこの討伐に居合わせるなんて。)
「『嘆くモノ』なんて超面倒ごとに巻き込まれたって感じだったけど、さっきの転移魔法すごかったですよね~。あ~んな大勢の転移なんて私初めて。ちょっと感動~って感じ。」
「天才ってヤツなんだろ。筆頭って言われるくらいだ、朝飯前なんじゃねえの?」
「い~な~、イケメンでしかも筆頭だなんて。素敵~。」
気のせい、他人のそら似的な勘違いであって欲しいと思いつつ会話の方へ意識を向けて様子を伺う。
(ああ、似た人じゃなく、ご本人達でした…。)
「お前達、私語を慎め!我らは討伐に来ているのだぞ!」
「ケッ、偉そうに。」
「ごめんなさ~い。」
チラリ…
ガクッ
(大丈夫かな、この討伐。)
ラナと乗る馬上から振り向き声のする方を見て項垂れたアーヤに気づいたラナも一瞬、振り向く。
(アーヤさん、何を気にされて…?)
「ん?あいつ…。」
「キャッ!バリー先輩今、転移の人がこっち見ましたよ?!目があったかも!」
「……。」
ラナはアーヤが意識を向けていたと思わしき二人組を認識したその時、団長アシュレイ・サンバーンが静かすぎる現場にいち早く気づき、疑問を投げ掛けた。
「ブラム筆頭、『嘆くモノ』の現場にしては静かすぎる。本当にこの場所なのか?」
「ええ。一般の方が気づかぬよう遮断する結界も重ねて来たので今は聞こえず、見えないだけです。」
「解いて頂こう。」
「では、解きますよ。」
スイッ
ビシッ ピキキッ バリバリリッーーーバキバキーーッーーーーーーバリッンンンーー
ラナが左手を横に一閃した瞬間、何もなかった目の前の空間に稲妻のようなジグザグのヒビと薄氷が割れるような音をたてて遮断の結界は崩れ去った。目の前に見えていなかった存在らが現れる。
ーーーーォオオオオォオォオーーーガァギギイィーーーーーギュオオオオオオーーーキギキィイイィーー
「………っ。」
(くっ、なんて…………なんて悲鳴。シオンさんとノワール、ずっとこんな声を聞いていたの?!)
ーーーーォオオオオォオォオーーーガァギギイィーーーーーギュオオオオオオーーーキギキィイイィーー
グギィィイーーーキギャーーーー
「ひぃいぃーた、助けてくれっ頼む!」
「応援が来たので、もういいかげん足を放してください。」
ニャー ニャー!
「放せと言っているっ。」
(…いた。)
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