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マジェストーラ国立魔法学院 編入
水の都セルリアン~集え 嘆くモノの地へ8
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ラナの口添えにより参戦を許可されたアーヤと水稀、そして現地のエルシオン。アーヤが笑顔でラナを見やればパチッと片目を閉じ、ウインクを返され…
(ぐはっ…美形メガネさんのウインク、破壊力ありすぎるっ。)
…トキメクというよりはダメージを受けていた。
「サンバーン団長、ユーヤ君と現地のエルシオン君は私の学院の生徒です。二人は私がつきますのでご心配なく。それと、出発前にひとつ提案が。」
「提案とは?」
「現地へ私が皆さんを転移でお連れしてもよろしいですか?」
「この人数を転移ですと?」
「ええ、その方が早いので。」
(ラナ先生ならできちゃうんだろうな。確かに早い方が助かるよね。)
「ブラム筆頭がそれで良いのならこちらとしては断る理由もない。頼めますか?」
「はい。では転移する旨の周知を頼みます。私はいつでも可能ですので。」
「了解した。ロイ、ムゲル!討伐関係者全員に告げろ。これより現地に転移すると!皆に伝えたら報告せよ。」
「「はっ!」
(いよいよ現地に向かうぞ。水稀を人前で見られちゃったけど、緊急だし仕方ないね。待ってて、シオンさん!ノワール!今、応援に行くからね。)「ではユーヤ君、私と馬に同乗して待ちましょうか。」
「はい、わかりました。」
「団長、傭兵騎士団員総勢21名、光属性持ち協力者5名、転移伝達完了しました!」
「よし。ブラム筆頭、頼みます。」
「はい。では皆さん参りましょうか。」
フオオオーーーーーーーオオンーー
ラナが乗る馬の足元から転移魔法陣がどんどん拡大され、アーヤ、レイズン、アシュレイ、光属性協力者、他傭兵騎士団員を飲み込むように広がる様はまさに圧巻である。
周囲を見渡したその時、ブルーローズのオーナーの近くにまさか、参加していると思わなかった二人を見つけてしまった。
(えっ?!)
「嘆くモノが待つ地へ。」
シュイイイーー
ーシュンッー
光る陣の発動により、討伐参加者総勢21名は忽然とその場から消失した。
既にエルシオンとラナが展開した結界の中にそれはいた。耳を塞ぎたくなるような悲痛な叫びは一体誰に向けてなのか。
ーーシュンーー
ブルルル
「おお…本当に転移した…。」
「うっ…何だ?この二日酔いのような感覚は…。」
通常、転移魔法とは予め特定の転移先が組み込まれている魔法陣間で行き来するものが主流となっている。その為、いち個人がこのように複数を対象として転移する術式など凡人には皆目見当もつかない。
ラナの転移魔法はそれだけ、通常のそれとは全く異なる、ラナ独自の転移魔法であった。
転移後、アーヤは違和感を覚え、胸のあたりに手を当てる。
「っ…、すぅ…はぁ…。」
(何だろう?意外な人物を見て驚いたから?さっきは知ってる顔を見つけてビックリした。傭兵さんの会話がわかるくらい静か?絶叫みたいなのが響いてるのかと思ってちょっと構えていたのに…。
でも何だろ、緊張のせい?息苦しいような気がする。気のせいかな。シオンさんとノワールはどこだろ?!)
「大丈夫ですか?もしかしてお体が優れませんか?」
「少し胸のあたりが締め付けられるようで。」
「なまじ感受性が強いと、遮断していてもそうなりますか。やはり貴女は私の側を離れない方がいいですね。」
「遮断って?シオンさんとノワールは一体どこに?」
「実はすぐ目の前にいます。」
「え?どこにもいませんけど?」
周囲を見渡し、エルシオンとノワールを探すアーヤの耳に届いた声は…。
(ぐはっ…美形メガネさんのウインク、破壊力ありすぎるっ。)
…トキメクというよりはダメージを受けていた。
「サンバーン団長、ユーヤ君と現地のエルシオン君は私の学院の生徒です。二人は私がつきますのでご心配なく。それと、出発前にひとつ提案が。」
「提案とは?」
「現地へ私が皆さんを転移でお連れしてもよろしいですか?」
「この人数を転移ですと?」
「ええ、その方が早いので。」
(ラナ先生ならできちゃうんだろうな。確かに早い方が助かるよね。)
「ブラム筆頭がそれで良いのならこちらとしては断る理由もない。頼めますか?」
「はい。では転移する旨の周知を頼みます。私はいつでも可能ですので。」
「了解した。ロイ、ムゲル!討伐関係者全員に告げろ。これより現地に転移すると!皆に伝えたら報告せよ。」
「「はっ!」
(いよいよ現地に向かうぞ。水稀を人前で見られちゃったけど、緊急だし仕方ないね。待ってて、シオンさん!ノワール!今、応援に行くからね。)「ではユーヤ君、私と馬に同乗して待ちましょうか。」
「はい、わかりました。」
「団長、傭兵騎士団員総勢21名、光属性持ち協力者5名、転移伝達完了しました!」
「よし。ブラム筆頭、頼みます。」
「はい。では皆さん参りましょうか。」
フオオオーーーーーーーオオンーー
ラナが乗る馬の足元から転移魔法陣がどんどん拡大され、アーヤ、レイズン、アシュレイ、光属性協力者、他傭兵騎士団員を飲み込むように広がる様はまさに圧巻である。
周囲を見渡したその時、ブルーローズのオーナーの近くにまさか、参加していると思わなかった二人を見つけてしまった。
(えっ?!)
「嘆くモノが待つ地へ。」
シュイイイーー
ーシュンッー
光る陣の発動により、討伐参加者総勢21名は忽然とその場から消失した。
既にエルシオンとラナが展開した結界の中にそれはいた。耳を塞ぎたくなるような悲痛な叫びは一体誰に向けてなのか。
ーーシュンーー
ブルルル
「おお…本当に転移した…。」
「うっ…何だ?この二日酔いのような感覚は…。」
通常、転移魔法とは予め特定の転移先が組み込まれている魔法陣間で行き来するものが主流となっている。その為、いち個人がこのように複数を対象として転移する術式など凡人には皆目見当もつかない。
ラナの転移魔法はそれだけ、通常のそれとは全く異なる、ラナ独自の転移魔法であった。
転移後、アーヤは違和感を覚え、胸のあたりに手を当てる。
「っ…、すぅ…はぁ…。」
(何だろう?意外な人物を見て驚いたから?さっきは知ってる顔を見つけてビックリした。傭兵さんの会話がわかるくらい静か?絶叫みたいなのが響いてるのかと思ってちょっと構えていたのに…。
でも何だろ、緊張のせい?息苦しいような気がする。気のせいかな。シオンさんとノワールはどこだろ?!)
「大丈夫ですか?もしかしてお体が優れませんか?」
「少し胸のあたりが締め付けられるようで。」
「なまじ感受性が強いと、遮断していてもそうなりますか。やはり貴女は私の側を離れない方がいいですね。」
「遮断って?シオンさんとノワールは一体どこに?」
「実はすぐ目の前にいます。」
「え?どこにもいませんけど?」
周囲を見渡し、エルシオンとノワールを探すアーヤの耳に届いた声は…。
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