夢じゃなかった!?

Rin’

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マジェストーラ国立魔法学院 編入

水の都セルリアン~集え 嘆くモノの地へ4

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「団長!やっぱりこいつ、怪しいですよ。偽名で名乗るなんて。」

「馬鹿にするにも程があるぜ!」

「あーもー!急いでるのにぃぃっ!」


(一刻も早くオーナーに知らせに行きたいのに。水稀だけ先に行かせといてとりあえず良かったけど早く合流しないと。ああでも面倒なことになっちゃった。シオンさん、ノワール無事でいてっ!)


「……放してやれ。」

「?!」

「「団長?!」」


ようやく解放された両腕をさすりながらアーヤはアシュレイを真っ直ぐ見た。


「ユーヤとやら。」

「…はい。」

「お前は一切、私に嘘を吐いていない。信じよう。その知人に何を伝えたかったのか聞いてもいいか?」

「私の連れが今、嘆くモノの居場所へ食い止めに向かったんです。光属性持ちをできるだけ集めて連れて行かないといけないんです。」


「なっ?!何だって!」
「ななな嘆くモノだと?!」

アーヤの回答にアシュレイは一気に険しい表情となりロイとムゲルは明らかに動揺した。


「ロイ、ムゲル!赤の伝令を飛ばせ!傭兵団、及び祭り参加者の光属性を早急にこの場に集め討伐とうばつに向かう!魔物となる前に打つ!」

「「はっ!」」 

目の前で二人の傭兵が呪文を唱え、魔方陣から無数の赤い鳥が飛び立った。


バザザザザッ



緊迫した空気となったが、やっと事情が伝わった頃アーヤの息も整い、レイズンの元へ行こうとした。


「じゃあ、私はこれで。」

「待て。」

アシュレイが去ろうとするアーヤの腕を掴む。

「まだ何か?」

「そっちは無の祝福場だ。闇の方角はあちらだ。」

「………。」


またしても、お約束の方向音痴を発揮したアーヤをアシュレイが引き留め、正しい方角を指し示した。



「一般人が嘆くモノの対処をするなど無謀だ。ユーヤは来た道を我らに告げたらここで待っていなさい。」

「嫌です!オーナーさんと団長さん達と一緒に行きます。」

「しかしだな…。」


ザザッ

「団長!報告します。」

「何名返答があった?」

「赤の伝令への返答は5名です。」

「少ないな…。青の騎士団は?」

「援護に向かってますが、到着まで30分は要し、それまで持ちこたえるようにと。」

「そうか。では何とか粘らねば。学院への要請は?」

「はい!同じく赤の伝令を放ち、直ちに筆頭を向かわせると返答が。」


「では揃い次第、向かうぞ。」

「「はっ!」」




ーーギーーーーンーー


(何だ?!この空気は!!)


カチッ




指示を終えた瞬間、殺気にも似た威圧プレッシャーを真っ先に感じたアシュレイは剣の柄に手を掛け、構えた。


直後、地の底から響くような唸りが聞こえた。

“……グルルル………シャーーー!”



「ひっ、何だ?!」

「もしや嘆くモノか?!」


「………。」


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