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マジェストーラ国立魔法学院 編入
水の都セルリアン~湧水と水稀2
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(シオンさん、水飲む仕草すら格好いいってなんかずるい。手と顎をつたう滴がなんとも…。水も滴るってやつだね。
なんか顔が熱くなってきた、変だな…。そうだ、冷たい水で洗っちゃおうかな。冷た~い、けど気持ちいい~。)
パシャ…パシャ
ひとくち水を飲み終えたエルシオンが、水を飲む音とは違う跳ねるような音のする方へ目を向けた先にアーヤはいた。
岩影は草木も繁り、日が遮られ木陰スポットにもなっている。薄暗い中で浮かび上がるのは肘上まで袖を捲って露になった細く白い腕。
手のひらからつたっていく水滴が左右の肘までゆっくり流れ落ちていくようにまるで時の流れさえも遅くなったかのようだった。周りの音さえも遠くに感じたエルシオンを引き戻した声の主もアーヤである。
「ふぅ~。さっぱり。シャド達にもバケツで飲ませてあげたかったな…。」
(フッ…バケツでって。)
水場から離れて顔の水気を手で大雑把に払い、両手を振り水気を地面へ飛ばす。
(袖口で拭いてもいいけど、ハンカチ持って来てるからハンカチで拭いた方がいいよね。えーとハンカチは…このポーチの中に…。)
「痛!?」
「どうした?」
「目に何か入っただけで、大丈夫です。」
ハンカチを肩掛けポーチから出そうと下を向いた時に前髪がピタッとおでこにくっつき、毛先が片目に入ってしまったのだった。
毛先の刺激を受けて片方の視界が歪み、痛みだけにとどまらず、瞬きするとジワジワと異物を出そうとする涙が溢れてくる始末。
「待って、無闇に擦らない方がいい。」
アーヤの返事がないまま様子から状況を理解したエルシオンが擦る手を止めさせ、両手を添えて顔を上げさせた。
「ちょっと顔を上げてごらん。メガネ上げるよ。どうやら前髪が水気を含んだ皮膚にくっついた時に目に入ったみたいだ。ゆっくり瞬きしてごらん。目に…他に異物は見えない。」
アーヤに代わり目の確認をしてからポーチに入っていたハンカチを取り出し、丁寧に顔にあてていく。
(はっ!何、シオンさんにやらせているんだ私ったら。)
目の前にハンカチをあてられ、反射的に瞼を閉じたアーヤだが、これではエルシオンの甲斐甲斐しい世話を受けっぱなしだと慌ててハンカチを持つ手を掴んで止めた。
なんか顔が熱くなってきた、変だな…。そうだ、冷たい水で洗っちゃおうかな。冷た~い、けど気持ちいい~。)
パシャ…パシャ
ひとくち水を飲み終えたエルシオンが、水を飲む音とは違う跳ねるような音のする方へ目を向けた先にアーヤはいた。
岩影は草木も繁り、日が遮られ木陰スポットにもなっている。薄暗い中で浮かび上がるのは肘上まで袖を捲って露になった細く白い腕。
手のひらからつたっていく水滴が左右の肘までゆっくり流れ落ちていくようにまるで時の流れさえも遅くなったかのようだった。周りの音さえも遠くに感じたエルシオンを引き戻した声の主もアーヤである。
「ふぅ~。さっぱり。シャド達にもバケツで飲ませてあげたかったな…。」
(フッ…バケツでって。)
水場から離れて顔の水気を手で大雑把に払い、両手を振り水気を地面へ飛ばす。
(袖口で拭いてもいいけど、ハンカチ持って来てるからハンカチで拭いた方がいいよね。えーとハンカチは…このポーチの中に…。)
「痛!?」
「どうした?」
「目に何か入っただけで、大丈夫です。」
ハンカチを肩掛けポーチから出そうと下を向いた時に前髪がピタッとおでこにくっつき、毛先が片目に入ってしまったのだった。
毛先の刺激を受けて片方の視界が歪み、痛みだけにとどまらず、瞬きするとジワジワと異物を出そうとする涙が溢れてくる始末。
「待って、無闇に擦らない方がいい。」
アーヤの返事がないまま様子から状況を理解したエルシオンが擦る手を止めさせ、両手を添えて顔を上げさせた。
「ちょっと顔を上げてごらん。メガネ上げるよ。どうやら前髪が水気を含んだ皮膚にくっついた時に目に入ったみたいだ。ゆっくり瞬きしてごらん。目に…他に異物は見えない。」
アーヤに代わり目の確認をしてからポーチに入っていたハンカチを取り出し、丁寧に顔にあてていく。
(はっ!何、シオンさんにやらせているんだ私ったら。)
目の前にハンカチをあてられ、反射的に瞼を閉じたアーヤだが、これではエルシオンの甲斐甲斐しい世話を受けっぱなしだと慌ててハンカチを持つ手を掴んで止めた。
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