夢じゃなかった!?

Rin’

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マジェストーラ国立魔法学院 編入

到着!水の都セルリアン~観光開始20

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ガラガラガラ ガラガラガラ


「…そういえば他のお客さん、さっきの二人組以外は乗って来ませんね。」

「そうだな。」


「マーラーの泉って観光シーズンとか関係ない場所なんでしょうかね?年中訪れることができる景勝地的な。」

「例の祝祭日などはきっとどこもかしこも地元の人や観光客を含めて混雑しそうだが、普段はこんなものなのかもな。心配はいらない、パレット副委員長も勧める位だから。」

「はい、そうですよね。」


ガラガラ ガタッ ガタン ガラガラ


「わっ、揺れが。」

「街道を抜けたようだ。」

「あ、本当です。林みたいな馬車道を走ってる。」


整備された街中の街道をガラガラと走る間は、揺れが少なく済んでいたが、エルシオンの言う通り揺れが大きくなっていたのは余り舗装されていない道を走り始めたからであった。馬車にとって路面状況の変化は揺れに大きく影響する。


(いつの間にか景色が街中じゃなくなったんだ。それに…雨も上がったみたい。草木の緑が艶々して綺麗。)


背を向けていた幌の木枠に向き直して膝立ちになり、木枠をつかんで少し顔を近づけて空を見上げた。すっかり晴れた青空が望め、先程までの雨雲などどこへやらといった様子である。

あまりにもサンサンと照らす太陽の眩しさに片手で日差しをさえぎったその時だった。



ゴタガタッ! ガガッ ガタッガタ!



アーヤとエルシオンがいる左車輪側が大きく上下に揺れ、衝撃と共に一瞬両足が浮いてしまう。


「わっ!?」


「!?」


木枠を掴んでいたものの、上半身を捻るようにエルシオンに背を向け馬車の進行方向の景色や空を見ていた為にアーヤは大きな揺れに耐えることもできず、見事にバランスを崩し後ろへ倒れた。

(わっ!?揺れ、やばっ!?あ~~。)


 ボスッ!!  


(…痛くない?ってことは背中の感触は…。)


「結構な揺れで驚いた。大丈夫?」


(…やっぱり。はっ、私ってば変なポーズしてる!右手を振り上げたままで、左手は縮めてって、これ自由の女神ポーズみたいになってる?!は、恥ずい。)


おずおずと右手も縮めるアーヤ。


「え~と…。シオンさん、ありがとうございました。」

「床ではなく私のいる方に倒れて良かったが、危ないから膝立ちはしない方がいい。」



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