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マジェストーラ国立魔法学院 編入
到着!水の都セルリアン~観光開始19
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(若い女の子ってああもエネルギッシュなんだね。お兄さんは彼女にぞっこんなんだろうな。にしても、冒険者だったとは意外だったな~。)
「泉に着いたらまず近くを散策したりして、それからお土産も買いましょうね。どんなところか楽しみですね。」
「水源が多い土地柄だけあって、きっと海のように大きい泉かもしれないね。」
「へぇ、異世界にも海ってあるんですね。」
「ある。山、海、空も同じだ。ただ、こちらの方が自然がより豊かで…そうか、ユーヤは見たことがなくて知らないんだった。驚くと思うが、こちらには空にも山や海があるんだよ。」
「え?!空に山と海ですか?初めて聞きました!空に浮いている島は見ましたけど、なんで山が空に浮いているんですか。っていうか、空に海もあるんですか?!どうやって空に海が…?!」
「落ち着いて。うーん、どうして空に山や海があるのか?それは自然の成せる技というかこちらはそれが当たり前なんだ。」
「じゃあ、シオンさんの住んでた村やあのお城での空は普通だったけど、場所によっては空に山があったり、海があったりするってことなんですか?」
「そう。エスリアールは山というか浮き島が多い地域らしい。私自身は最奥の森、神託の聖域に近い村に住んでいたが、空の浮島の森に住むエルフもいる。」
「へぇ~。異世界の当たり前を知るのって楽しくてワクワクします。私にとっては不思議で、何だっそれ?!って驚くことも多くって。」
「そう…。せっかくワクワクしてるところで言いにくいんだが、やはり今伝えておこうかな。」
「はい、何ですか?」
「私の知りうることを教えるのは全然構わないんだが、所詮私も田舎村育ち…世の常識と違うこともあるかもしれない。村では、身内以外の者が私に対して家柄、血筋が違うから同じ田舎村育ちでも賢いとか、やたらと期待したり特別視するものが多かった。神託の力があるからといって、全てを見通すことができるわけでもない。」
「そうでしたか。それなら…。」
(頼れる理想の兄でいたい気持ちもあるが…。完璧ではないだと知ったら君は私に幻滅するだろうか。)
「もし、これから何か知っていた知識や経験が世の中の常識と違っていたことに気づいたとしたら…その時は、私と一緒に改めればいいんじゃないですか?」
「一緒に?」
「そうです!別にシオンさんは神託の力があっても、お告げが聞こえるだけであって、何でも知ってるスーパー賢者みたいに思う人が…あ、人じゃないエルフか。えーとつまり、何が言いたいかと言いますと…。
わからないこと、勘違いだって、村だけの常識だって、あって当たり前ですよ。だから…だから…そんな顔しないでください。」
「…顔?」
(どんな顔しているんだ?自分じゃわからない。)
「複雑な顔…です。」
(悲しいような寂しさを堪えるような…。)
「私なんか、シオンさんより知らないことばかりだから、異世界の人達にとって、これだから迷客はとか、非常識だとか思われないか、ふとした時に心配になります。
価値観とかなかなか抜けないし、違いを指摘されるまで自分じゃ気づけないし。
もし、シオンさんが先に私の言動で変なことがあったら遠慮せずに教えて欲しいです。あ、でもやっぱりちょっと恥ずかしいから人目のない時にコッソリと教えてくださいね。」
「コッソリ?」
「はい、お願いしますよ~。シオンさんが頼りなんですからね。」
「ああ、わかった。」
(まるで、私の心に重くのしかかっていたものがふっ…と軽くなったような気持ちだ。
前向きで、好奇心旺盛。そして素直さが共感力を豊かにしているのだろう。
別に完璧主義者を目指してもいないが、こうして至らないこともあると告げてみても、アーヤは個人的な期待を押しつけることもしてこない。
期待、理想の虚像を重ねた視線は煩わしさしかなかったのだが、あぁ…。不思議と我が妹君になら頼られたいと思ってしまう。その為の努力なら何だってできそうな気さえしてくる。
これからも、数々のこちらの世界の常識、知識などを学院生活で知り得たとしても、どうか今のアーヤらしくそのままでいて欲しいものだ。)
エルシオンとアーヤはいつものように互いに言いたいことをスッキリ話したからか、どちらともなく自然と笑顔になった。
「泉に着いたらまず近くを散策したりして、それからお土産も買いましょうね。どんなところか楽しみですね。」
「水源が多い土地柄だけあって、きっと海のように大きい泉かもしれないね。」
「へぇ、異世界にも海ってあるんですね。」
「ある。山、海、空も同じだ。ただ、こちらの方が自然がより豊かで…そうか、ユーヤは見たことがなくて知らないんだった。驚くと思うが、こちらには空にも山や海があるんだよ。」
「え?!空に山と海ですか?初めて聞きました!空に浮いている島は見ましたけど、なんで山が空に浮いているんですか。っていうか、空に海もあるんですか?!どうやって空に海が…?!」
「落ち着いて。うーん、どうして空に山や海があるのか?それは自然の成せる技というかこちらはそれが当たり前なんだ。」
「じゃあ、シオンさんの住んでた村やあのお城での空は普通だったけど、場所によっては空に山があったり、海があったりするってことなんですか?」
「そう。エスリアールは山というか浮き島が多い地域らしい。私自身は最奥の森、神託の聖域に近い村に住んでいたが、空の浮島の森に住むエルフもいる。」
「へぇ~。異世界の当たり前を知るのって楽しくてワクワクします。私にとっては不思議で、何だっそれ?!って驚くことも多くって。」
「そう…。せっかくワクワクしてるところで言いにくいんだが、やはり今伝えておこうかな。」
「はい、何ですか?」
「私の知りうることを教えるのは全然構わないんだが、所詮私も田舎村育ち…世の常識と違うこともあるかもしれない。村では、身内以外の者が私に対して家柄、血筋が違うから同じ田舎村育ちでも賢いとか、やたらと期待したり特別視するものが多かった。神託の力があるからといって、全てを見通すことができるわけでもない。」
「そうでしたか。それなら…。」
(頼れる理想の兄でいたい気持ちもあるが…。完璧ではないだと知ったら君は私に幻滅するだろうか。)
「もし、これから何か知っていた知識や経験が世の中の常識と違っていたことに気づいたとしたら…その時は、私と一緒に改めればいいんじゃないですか?」
「一緒に?」
「そうです!別にシオンさんは神託の力があっても、お告げが聞こえるだけであって、何でも知ってるスーパー賢者みたいに思う人が…あ、人じゃないエルフか。えーとつまり、何が言いたいかと言いますと…。
わからないこと、勘違いだって、村だけの常識だって、あって当たり前ですよ。だから…だから…そんな顔しないでください。」
「…顔?」
(どんな顔しているんだ?自分じゃわからない。)
「複雑な顔…です。」
(悲しいような寂しさを堪えるような…。)
「私なんか、シオンさんより知らないことばかりだから、異世界の人達にとって、これだから迷客はとか、非常識だとか思われないか、ふとした時に心配になります。
価値観とかなかなか抜けないし、違いを指摘されるまで自分じゃ気づけないし。
もし、シオンさんが先に私の言動で変なことがあったら遠慮せずに教えて欲しいです。あ、でもやっぱりちょっと恥ずかしいから人目のない時にコッソリと教えてくださいね。」
「コッソリ?」
「はい、お願いしますよ~。シオンさんが頼りなんですからね。」
「ああ、わかった。」
(まるで、私の心に重くのしかかっていたものがふっ…と軽くなったような気持ちだ。
前向きで、好奇心旺盛。そして素直さが共感力を豊かにしているのだろう。
別に完璧主義者を目指してもいないが、こうして至らないこともあると告げてみても、アーヤは個人的な期待を押しつけることもしてこない。
期待、理想の虚像を重ねた視線は煩わしさしかなかったのだが、あぁ…。不思議と我が妹君になら頼られたいと思ってしまう。その為の努力なら何だってできそうな気さえしてくる。
これからも、数々のこちらの世界の常識、知識などを学院生活で知り得たとしても、どうか今のアーヤらしくそのままでいて欲しいものだ。)
エルシオンとアーヤはいつものように互いに言いたいことをスッキリ話したからか、どちらともなく自然と笑顔になった。
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