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マジェストーラ国立魔法学院 編入
到着!水の都セルリアン~観光開始13
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店外では、突然の通り雨によって人混みは薄れ、近場の店先に走り雨宿りをしに走る者、傘をさしてゆっくり歩く者もいる。
次なる目的地、マーラーの泉へ向かう為、エルシオンが店員から手渡された青い傘を開くのを横で見ているアーヤ。
(へー、傘は異世界でも傘なんだ。布地の端に文字が模様みたいに一周してる。魔文字かな。光ってるし。折り畳み傘ってこっちにはないのかな。撥水加工が魔法なんだろうか?)
「おいで。」
「あ、はい。」
(シオンさんが持つ青い傘に招かれてからはっとした。これは、俗に言う相合い傘ではないですか!?最後に誰かと一緒にしたのはいつだろうはて…ダメだ思い出すこともできませぬ。シオンさんと入る傘は少し変な感じ。…何だか気恥ずかしいかも。)
「もっとこちらに。濡れてしまうから。」
「へ?」
エルシオンはアーヤの肩をそっと抱き寄せ、二人の距離はグッと近いものとなる。
「これなら大丈夫、行こう。暫くすれば止むだろうし、雨宿りしていたのでは移動時間が勿体ない。」
「そ、そうですね。」
相合い傘で歩き出してすぐにエルシオンが馬車乗り場となる待ち場玉を見つける。
「あった、あれか。」
「え?もう見つけたんですか?どれ、どこですか?」
「このまま真っ直ぐ。」
肩に手を添えられ歩くアーヤは、いつもより近いエルシオンの声やぬくもりにちょっぴりドキドキして探す余裕はなかった。
(シオンさんが近い。そういえば傘、せっかく2本くれたのに何で1本返したんだろう。他のお客にも使うのを残すためかな?)
「あそこをごらん。」
「え?」
気づいたエルシオンに案内され、辿り着いた場所に確かに浮いている玉があった。
「あった!本当に浮いてる玉!」
(綺麗なガラス玉みたい。水色だ。あれ?!私達が近づいたら水色から赤に変わった!バレーボール位の大きさかな?)
「もしかして、誰も玉の下に待ってる人がいないと水色で、誰かいたら赤になるんですかね?」
「おそらくそうだろう。通る馬車の御者がわかるようになっているんじゃないだろうか。現に、次の待ち場に二人立っている所の玉も赤い。」
「え?!」
(私、さっきからえ?!ばっかり。耳の遠いお婆さんみたいじゃないの。自分が可笑しくて笑いそう。
全然、傘さして歩いている人しか見えませんけど?!シオンさんどんだけ目がいいの?)
「私には見えません。シオンさん実はすごく目がいいんですね。」
(でも、たまに身内贔屓で私を見る時の見え方が心配になることもあるけど…。)
「エルフは基本的に他の種族より目も耳もいいんだよ。獣人はそれに加えて鼻もいい。」
「へえ~そうなんですね。あ、じゃあさっきのお店を出る時、あのお兄さんが最後に何か言ってましたよね?あれ、なんて言ってたんでしょう。シオンさんはわかりましたか?」
「ああ、聞こえていたよ。彼はこう言ったんだ。
『お二人の旅路に全ての青から祝福があらんことを。』…とね。」
(??お二人の旅路はわかる。観光だから旅行的な意味だとして、全ての青?祝福?良い1日を…とかお気をつけて的な意味なのかな?)
「うん、まあ大体そんな感じで合っているよ。」
「私、口に出していましたか?!」
「いいや、何となく…わかる…から…ククッ」
「…口元を押さえるなら笑いもきちんと堪えてくださいよ。」
「ッコホン……本当に大体、今考えてた通りなんだ。国々で多少表現に違いはあるものの、旅をする者への無事や、別れ際の相手を想ってかける言葉だったりする。
次なる目的地、マーラーの泉へ向かう為、エルシオンが店員から手渡された青い傘を開くのを横で見ているアーヤ。
(へー、傘は異世界でも傘なんだ。布地の端に文字が模様みたいに一周してる。魔文字かな。光ってるし。折り畳み傘ってこっちにはないのかな。撥水加工が魔法なんだろうか?)
「おいで。」
「あ、はい。」
(シオンさんが持つ青い傘に招かれてからはっとした。これは、俗に言う相合い傘ではないですか!?最後に誰かと一緒にしたのはいつだろうはて…ダメだ思い出すこともできませぬ。シオンさんと入る傘は少し変な感じ。…何だか気恥ずかしいかも。)
「もっとこちらに。濡れてしまうから。」
「へ?」
エルシオンはアーヤの肩をそっと抱き寄せ、二人の距離はグッと近いものとなる。
「これなら大丈夫、行こう。暫くすれば止むだろうし、雨宿りしていたのでは移動時間が勿体ない。」
「そ、そうですね。」
相合い傘で歩き出してすぐにエルシオンが馬車乗り場となる待ち場玉を見つける。
「あった、あれか。」
「え?もう見つけたんですか?どれ、どこですか?」
「このまま真っ直ぐ。」
肩に手を添えられ歩くアーヤは、いつもより近いエルシオンの声やぬくもりにちょっぴりドキドキして探す余裕はなかった。
(シオンさんが近い。そういえば傘、せっかく2本くれたのに何で1本返したんだろう。他のお客にも使うのを残すためかな?)
「あそこをごらん。」
「え?」
気づいたエルシオンに案内され、辿り着いた場所に確かに浮いている玉があった。
「あった!本当に浮いてる玉!」
(綺麗なガラス玉みたい。水色だ。あれ?!私達が近づいたら水色から赤に変わった!バレーボール位の大きさかな?)
「もしかして、誰も玉の下に待ってる人がいないと水色で、誰かいたら赤になるんですかね?」
「おそらくそうだろう。通る馬車の御者がわかるようになっているんじゃないだろうか。現に、次の待ち場に二人立っている所の玉も赤い。」
「え?!」
(私、さっきからえ?!ばっかり。耳の遠いお婆さんみたいじゃないの。自分が可笑しくて笑いそう。
全然、傘さして歩いている人しか見えませんけど?!シオンさんどんだけ目がいいの?)
「私には見えません。シオンさん実はすごく目がいいんですね。」
(でも、たまに身内贔屓で私を見る時の見え方が心配になることもあるけど…。)
「エルフは基本的に他の種族より目も耳もいいんだよ。獣人はそれに加えて鼻もいい。」
「へえ~そうなんですね。あ、じゃあさっきのお店を出る時、あのお兄さんが最後に何か言ってましたよね?あれ、なんて言ってたんでしょう。シオンさんはわかりましたか?」
「ああ、聞こえていたよ。彼はこう言ったんだ。
『お二人の旅路に全ての青から祝福があらんことを。』…とね。」
(??お二人の旅路はわかる。観光だから旅行的な意味だとして、全ての青?祝福?良い1日を…とかお気をつけて的な意味なのかな?)
「うん、まあ大体そんな感じで合っているよ。」
「私、口に出していましたか?!」
「いいや、何となく…わかる…から…ククッ」
「…口元を押さえるなら笑いもきちんと堪えてくださいよ。」
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