夢じゃなかった!?

Rin’

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マジェストーラ国立魔法学院 編入

和食レストラン蓬莱へ8

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…良かった。

気持ちの揺さぶりが魔力の乱れを引きお越し、何が起きるか心配したが、だいぶ感情のコントロールができるようになったのか、アーヤが大好きなご飯(米飯)を食べて歓喜かんきしても特に何も起こらないで済んだ。

嬉しそうに頬張って食べる姿を見てるだけで胸があたたかくなる。


アーヤの変化ない様子を見届ける為、一度手を止めていた箸を再び動かし、自分にとっても懐かしいご飯(米飯)を深く味わっていると遥か昔の懐かしい記憶がよみがえる……。


日本で佐藤優季さとうゆうきとして過ごした家族との短くも色鮮やかな幸せだった日々。


そして、四つ足となってからは優季ゆうきの記憶がなくとも和気あいあいと佐藤家の一員として犬の人生ライフ人生ライフを送った白黒モノクロ色の日々。


太郎となってからの食べ物に関わる記憶は犬として色盲のせいで色のない世界だったが、匂いには敏感になった。

特に鮮明な記憶は、人間の食べ物が関わる記憶だ。みかん、りんご、イチゴ、メロン、スイカ、梨、桃、葡萄ぶどう、四季折々の果物は色々食べさせてもらっていた。


特に、アーヤ(綾子)と優也ゆうや(弟)はメロンとスイカがあまり好きじゃなかったから頂き物でその2つがあると、二人よりも自分がよく母と父と食べていたな。


たまにパン、肉まんの皮も食べたり。ああ、何の味付けもしない茹でササミと出汁だしスープを加えたドッグフードは格別だった。あと、太郎専用のアーヤ(綾子)手作りクッキー(無塩、無糖)も大好きだった。


私にはどちらも日本で過ごした大切な思い出だ。


太郎でもあったと伝えることは、優季ゆうきの告白以上に勇気を必要とし、あの時点でアーヤに知らせるには時期尚早と判断して優季ゆうきの生まれ変わりだとしか伝えていない。

アーヤが知らない太郎としての自分。隠したい訳ではないが、教えるには色々複雑だ。

打ち明けるか否か。時折ふと、今のように自問自答を繰り返してしまう。


自分が太郎の生まれ変わりだとわざわざ打ち明けなくても、兄、優季ゆうきの生まれ変わりと知ってもらえている今。

そう、今は…優季ゆうきの記憶を持ったエルシオンでいい。

止めどなく降り積っていくこの想いを、感情を…私も上手くコントロールしなくてはいけないな。



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