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マジェストーラ国立魔法学院 編入
和食レストラン蓬莱へ2
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店内を見回していると、チリチリり♪という音が聞こえてそっちを見ると、どうやらラナ先生がテーブルの上のベルを鳴らしたようだ。
「今、全員揃ったことを知らせましたので、店員が、メニューを持って来ます。少々お待ち下さい。」
「はい。」
「わかりました。」
声をかけられたことで、向かいのラナ先生の方を見てみれば私服姿が自然と目に入る。
学院の先生が着ている服も、きっと学院指定なのか、生徒の白っぽい制服にも似てローブの下は白を基調とした装いになっていて、白以外はグレーと銀だったかな。
今着ている私服も似合うな~。日本じゃみたことのない異世界のデザインで、ズボンと上の服がセットで同じ色調と刺繍がされている。金茶のフワフワの髪の長いみつ編みは左肩から胸元にかけて下げられていた。
オリーブ色をもっと暗くしたダークオリーブ色の生地に鈍い輝きの控えめな金糸の刺繍刺繍が落ち着いた気品を感じさせる。
そうだ、勝手なイメージだけどエスリアール城の図書室でこの色と飾りに似た革張りの表紙本を見たことがある…。
に、似合ってます。とても。
ここは異世界だから魔法書とか、魔導書といった存在感がある書物といったところかな。つい、目にとめてしまうような…。
ほ~~とラナ先生のファッションに目を惹き付けられていたらパチと視線が重なった。 あ、不躾に見すぎてしまったかな。にっこり微笑まれ、慌てて返した私の笑みはにへらっとした顔になったかもしれない。
コンコンコン ガチャン
「失礼致します。本日は当店、ホウライにお越しくださいまして誠にありがとうございます。
お祝いの席と伺っておりますので、メニューの他に特別な祝膳もご用意しております。
膳のお品書きはこちらになります。お献立を決める際の参考になさって下さい。
では、ご注文がお決まりになりましたら再度、ベルでお呼びになって下さいませ。」
抹茶色の作務衣に似た着物を着た店員さんはご丁寧に説明をして去っていった。
お品書き!献立。日本らしい響き。どんなものがあるのかな~。和食って、あの和食なんですよね?
日本じゃたまにテレビで、外国にある日本食の飲食店が間違った、びっくりするような残念な日本食を提供していることを指摘する番組を見たことがある。こんなの寿司じゃないよ~とか、うどんじゃないよ~とか。
異世界だけに、どこまで和食を理解しているのか…いや、私も和食のなんたるかまでは詳しくわかりませんが…。できれば、できれば!残念な和食じゃないといいな。
「アーヤさん、お品書きを先にエルシオン君と見てみて下さい。それから他に食べてみたいものを何でもメニューで追加しましょう。」
「はい、まずお品書きですね。見てみます。シオンさん、一緒に見てみましょう。あ、和紙みたい。」
「筆字のような書体ですね。祝いの膳、献立……。
「今、全員揃ったことを知らせましたので、店員が、メニューを持って来ます。少々お待ち下さい。」
「はい。」
「わかりました。」
声をかけられたことで、向かいのラナ先生の方を見てみれば私服姿が自然と目に入る。
学院の先生が着ている服も、きっと学院指定なのか、生徒の白っぽい制服にも似てローブの下は白を基調とした装いになっていて、白以外はグレーと銀だったかな。
今着ている私服も似合うな~。日本じゃみたことのない異世界のデザインで、ズボンと上の服がセットで同じ色調と刺繍がされている。金茶のフワフワの髪の長いみつ編みは左肩から胸元にかけて下げられていた。
オリーブ色をもっと暗くしたダークオリーブ色の生地に鈍い輝きの控えめな金糸の刺繍刺繍が落ち着いた気品を感じさせる。
そうだ、勝手なイメージだけどエスリアール城の図書室でこの色と飾りに似た革張りの表紙本を見たことがある…。
に、似合ってます。とても。
ここは異世界だから魔法書とか、魔導書といった存在感がある書物といったところかな。つい、目にとめてしまうような…。
ほ~~とラナ先生のファッションに目を惹き付けられていたらパチと視線が重なった。 あ、不躾に見すぎてしまったかな。にっこり微笑まれ、慌てて返した私の笑みはにへらっとした顔になったかもしれない。
コンコンコン ガチャン
「失礼致します。本日は当店、ホウライにお越しくださいまして誠にありがとうございます。
お祝いの席と伺っておりますので、メニューの他に特別な祝膳もご用意しております。
膳のお品書きはこちらになります。お献立を決める際の参考になさって下さい。
では、ご注文がお決まりになりましたら再度、ベルでお呼びになって下さいませ。」
抹茶色の作務衣に似た着物を着た店員さんはご丁寧に説明をして去っていった。
お品書き!献立。日本らしい響き。どんなものがあるのかな~。和食って、あの和食なんですよね?
日本じゃたまにテレビで、外国にある日本食の飲食店が間違った、びっくりするような残念な日本食を提供していることを指摘する番組を見たことがある。こんなの寿司じゃないよ~とか、うどんじゃないよ~とか。
異世界だけに、どこまで和食を理解しているのか…いや、私も和食のなんたるかまでは詳しくわかりませんが…。できれば、できれば!残念な和食じゃないといいな。
「アーヤさん、お品書きを先にエルシオン君と見てみて下さい。それから他に食べてみたいものを何でもメニューで追加しましょう。」
「はい、まずお品書きですね。見てみます。シオンさん、一緒に見てみましょう。あ、和紙みたい。」
「筆字のような書体ですね。祝いの膳、献立……。
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