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エスリアール王城 出会い
お世話になりました8
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「あらあら、貴方。アーヤさんが苦しそうよ?離しておあげなさいな。大人げない。」
「ああ、こんなにも可愛いアーヤたんに会えなくなるなんて。どれ、花の顔をじい様によく見せてごらん?」
グイッ プラーン
「………。」
私は前国王様の勢いに呑まれ、ぬいぐるみか人形のように脇の下で持ち上げられ、プラーんと手足が揺れたまま、されるがまま。
パチン!!
前王妃様の扇子が大きな音をたてて閉じられた。
「貴方、これでは落ち着いてご挨拶ができませんわ。アーヤさんが可愛いのは知ってますから、降ろして差し上げなさい。それとも、困らせた上、何も話さないまま送り出してよいのですか?」
「うっ、わかった。す、すまない。」
ストン
「まったく、困ったものだわ。ごめんなさいねアーヤさん。」
「は…いえ。」
危ない。ぼーっとしていて思わず、はいって言いそうになった。
「アーヤさん、このエスリアール国を貴女の第二の母国と思って、いつでも訪ねて来てちょうだいね。」
「そうよ、アーヤさん。学院で学ぶことは沢山で大変でしょうけれど、羽を伸ばしたくなったらいらっしゃいな。たとえ1日、2日だけでも構わないから。」
「そうだ、アーヤたん。ルヴィやシオンと来ればいいんじゃ。」
「ありがとうございます。エスリアール国に迷客として訪れることができた私は幸せ者です。大変、お世話になりました。」
「私が言いたいことを皆にほとんど言われてしまった。シオン。」
「はい。」
「アーヤさんを頼むぞ。それから、学院でルヴィもよろしく頼む。根は真面目だか、少し気難しく、あれはまだまだ未熟だ。」
「成人したとはいえ、私もまだまだ世間知らずです。学院では、私の方こそ助言を必要とするでしょう。
ですが、お力になれる事があればその時は助け合います。」
「うむ。そうしてやってくれ。」
「アーヤさんは魔法が好きなようだ。この城に帰って来たら、学院で学んだ魔法を何か見せてもらえるかな?」
「はい。頑張って覚えてきますね。」
「二人とも、無理はせず、学んできなさい。」
「「はい。」」
「レイファンス。」
「はい。」
「お二人の見送り希望者はどこに集めた?」
「中庭でございます。」
「では、私達も一緒に参ろう。護衛のシュナイゼと共に先導せよ。」
「御意。」
「参りましょう。アーヤ様、デュカーレ様。」
「「はい。」」
「ああ、こんなにも可愛いアーヤたんに会えなくなるなんて。どれ、花の顔をじい様によく見せてごらん?」
グイッ プラーン
「………。」
私は前国王様の勢いに呑まれ、ぬいぐるみか人形のように脇の下で持ち上げられ、プラーんと手足が揺れたまま、されるがまま。
パチン!!
前王妃様の扇子が大きな音をたてて閉じられた。
「貴方、これでは落ち着いてご挨拶ができませんわ。アーヤさんが可愛いのは知ってますから、降ろして差し上げなさい。それとも、困らせた上、何も話さないまま送り出してよいのですか?」
「うっ、わかった。す、すまない。」
ストン
「まったく、困ったものだわ。ごめんなさいねアーヤさん。」
「は…いえ。」
危ない。ぼーっとしていて思わず、はいって言いそうになった。
「アーヤさん、このエスリアール国を貴女の第二の母国と思って、いつでも訪ねて来てちょうだいね。」
「そうよ、アーヤさん。学院で学ぶことは沢山で大変でしょうけれど、羽を伸ばしたくなったらいらっしゃいな。たとえ1日、2日だけでも構わないから。」
「そうだ、アーヤたん。ルヴィやシオンと来ればいいんじゃ。」
「ありがとうございます。エスリアール国に迷客として訪れることができた私は幸せ者です。大変、お世話になりました。」
「私が言いたいことを皆にほとんど言われてしまった。シオン。」
「はい。」
「アーヤさんを頼むぞ。それから、学院でルヴィもよろしく頼む。根は真面目だか、少し気難しく、あれはまだまだ未熟だ。」
「成人したとはいえ、私もまだまだ世間知らずです。学院では、私の方こそ助言を必要とするでしょう。
ですが、お力になれる事があればその時は助け合います。」
「うむ。そうしてやってくれ。」
「アーヤさんは魔法が好きなようだ。この城に帰って来たら、学院で学んだ魔法を何か見せてもらえるかな?」
「はい。頑張って覚えてきますね。」
「二人とも、無理はせず、学んできなさい。」
「「はい。」」
「レイファンス。」
「はい。」
「お二人の見送り希望者はどこに集めた?」
「中庭でございます。」
「では、私達も一緒に参ろう。護衛のシュナイゼと共に先導せよ。」
「御意。」
「参りましょう。アーヤ様、デュカーレ様。」
「「はい。」」
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